第2章 令和7年度高齢社会対策の実施の状況(第2節 トピックス)

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第2節 分野別の施策の実施の状況(トピックス)

トピックス4 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)等の一部を改正する法律の概要

我が国では、単身世帯の増加、持ち家率の低下等により、高齢者、低額所得者などの住宅確保要配慮者(以下「要配慮者」という。)の賃貸住宅への居住ニーズが高まることが見込まれている。しかし、孤独死や死亡後に物件内に残された家財の処理などへの対応、家賃滞納などへの懸念から、特に単身高齢者などの要配慮者の入居に対して大家の不安感は大きくなっている。一方で、民間賃貸住宅の空き家・空き室は一定数存在している。

誰もが安心して賃貸住宅に居住できる社会の実現を目指して、住宅セーフティネット法等が改正され、令和7年10月1日に施行された。

【要配慮者に対する大家の入居拒否感】

〇改正の主なポイント

(1) 居住支援法人等が入居中サポートを行う賃貸住宅の供給促進

○居住支援法人等が大家と連携し、①日常の安否確認・見守り、②生活・心身の状況が不安定化したときの福祉サービスへのつなぎを行う住宅(居住サポート住宅)を創設。

要配慮者の入居に対する大家の不安を軽減するため、改正住宅セーフティネット法では、居住支援法人等が入居中サポートを行う賃貸住宅(居住サポート住宅)について、市町村等が認定する制度が創設された。

居住サポート住宅においては、居住支援法人等が大家と連携し、要配慮者に対して、ICT等による日常の安否確認、訪問等による見守り、要配慮者の生活や心身の状況が不安定化したときの福祉サービスへのつなぎを行うことで、大家の不安を軽減し、要配慮者への住宅の供給が促進されることを目指している。

(2) 大家と要配慮者の双方が安心して利用できる市場環境の整備

①“賃貸借契約が相続されない”仕組みの推進

○終身建物賃貸借(賃借人の死亡時まで継続し、死亡時に終了することにより、相続人に相続されない賃貸借)の認可手続の簡素化。

通常の賃貸借では、入居者(賃借人)の死亡後、借家権が相続人に引き継がれるため、賃貸人は、賃貸借契約を解除するには、入居者の相続人を探し、契約解除の申入れをする必要がある。一方で、「終身建物賃貸借」は、入居者の死亡時まで継続し、死亡時に終了する(相続されない)賃貸借である。

改正前は、終身建物賃貸借を行う賃貸住宅ごとに都道府県知事等の認可を受ける必要があったが、改正後は、事業者(賃貸人)として都道府県知事等の認可を受け、実際に高齢者の入居が決まったら、住戸番号や賃貸住宅の構造等の届出を行えばよいこととなり、手続面で簡素化が図られた。

②“残置物処理に困らない”仕組みの普及

○入居者死亡時の残置物処理を円滑に行うため、居住支援法人の業務に、入居者からの委託に基づく残置物処理を追加。

賃借人が亡くなった場合、賃貸借契約上の賃借権や居室内に残された家財(残置物)は相続の対象となるため、相続人の有無や所在が分からない場合、その処理が困難になることがある。こうしたことへの不安から、高齢者に部屋を貸すことを賃貸人が躊躇する実態がある。

改正住宅セーフティネット法では、居住支援法人の業務として、入居者からの委託に基づく死後の残置物処理を追加し、居住支援法人が、一定のルールに沿って残置物処理を実施できるようにすることで、円滑・適切な残置物処理が行われる環境を整備していくこととしている。

③“家賃の滞納に困らない”仕組みの創設

○要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者(認定家賃債務保証業者)を国土交通大臣が認定。

従来の連帯保証人に代わるものとして、家賃滞納時の立替えなどに関する保証を提供する家賃債務保証業者の利用が広がっているが、要配慮者は家賃滞納のリスクが高いとして審査に通らないことがあった。

このため、改正住宅セーフティネット法では、要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国土交通大臣が認定する仕組みを創設することで、要配慮者の賃貸住宅への円滑な入居を促進し、家賃債務保証を利用しやすい環境に整備することとしている。

このほか、住宅施策と福祉施策が連携した地域の居住支援体制の強化として、市区町村による、地方公共団体の住宅部局・福祉部局、居住支援法人、不動産関係団体、福祉関係団体等を構成員とした会議体(居住支援協議会)の設置を努力義務化し、住まいに関する相談窓口から入居前・入居中・退居時の支援まで、住宅と福祉の関係者が連携した地域における総合的・包括的な居住支援体制の整備を推進することとしている。

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