時差通勤通学推進計画
平成13年3月16日
交通対策本部長決定
1 時差通勤通学の実施地域
地方公共団体、民間事業所、学校等における時差通勤通学を実施する地域は、東京都、大阪市、名古屋市及び福岡市並びにこれらに近接する交通混雑の著しい地域で国土交通省が関係運輸事業者と協議して定めるもの並びに仙台市とする。
2 時差通勤通学の実施目標
- (1)協力人員の目標
- 平成12年の運輸政策審議会第18号答申及び第19号答申において、鉄道の混雑率に関し、大都市圏における都市鉄道のすべての区間のそれぞれの混雑率を150%以内にすること(東京圏については、当面の目標として、2015年(平成27年)における主要区間のピーク時の平均混雑率を150%にすること)を目指すとされている。
- これらを踏まえ、交通混雑の緩和の早期実現に向け、平成17年度までを目途とした時差通勤通学の協力人員は、東京都及びその周辺(以下「東京地区」という。)にあっては190万人、大阪市及びその周辺(以下「大阪地区」という。)にあっては76万人、名古屋市及びその周辺(以下「名古屋地区」という。)にあっては14万人、福岡市及びその周辺(以下「福岡地区」という。)にあっては5万人、仙台市(以下「仙台地区」という。)にあっては5万人を確保することを目標とする。
- (2)協力内容の充実・強化
- 民間事業所、地方公共団体、政府関係機関又は学校の出勤時刻又は始業時刻とその所在地周辺駅(バスの停留所を含む。以下同じ。)の最混雑時間帯との間の時差幅の拡大及びこれらの事業所等における時差通勤通学の通年実施の徹底を図るものとする。
3 出勤時刻及び始業時刻の調整に関する基本方針
- (1)
- 民間事業所、地方公共団体及び政府関係機関については、それらの所在地周辺駅の通勤通学時における混雑状況を勘案し、職員の出勤時刻を段階的に区分する等の方法により時差通勤を実施するよう要請するものとする。
- (2)
- 学校については、始業時刻をその所在地周辺駅の最混雑時間帯外とする等の方法により時差通学に協力することを要請するものとする。
4 時差通勤通学協力人員確保のための重点方策等
政府及び運輸事業者は、2に掲げる目標を達成するため、相互の密接な連絡の下に、次に定めるところにより、時差通勤通学の推進に努めるものとする。
- (1)
- 民間事業所、地方公共団体、政府関係機関及び学校並びに通勤通学者その他の交通機関利用者に対し、通勤通学時における主要駅の混雑状況その他時差通勤通学の実施に関し必要な事項を周知させるため、積極的な広報活動を行う。
- (2)
- 都府県に対し、その所属の機関及び学校における時差通勤通学の実施を要請するとともに、時差通勤通学の実施について、関係市町村及び特別区並びに関係各界に対する強力な働きかけを行うよう要請する。
- (3)
- 民間事業者団体及び学校関係団体に対し、時差通勤通学の実施について、傘下の事業所又は学校に対する強力な指導を行うよう要請する。
- (4)
- 政府関係機関に対し、各監督官庁を通じて、時差通勤の実施を強力に指導する。
- (5)
- 各地区懇談会においては、当該地区の民間事業者団体、民間事業所、地方公共団体の機関、政府関係機関、学校関係団体及び学校をできる限り広範に結集し、時差通勤通学の実施を要請する。また、各地区懇談会に対し、当該地区における混雑状況の把握を的確に行い、時差通勤通学の実施状況や効果の把握に努めるよう要請する。
- (6)
- 時差通勤の実施を要請する民間事業所の範囲は、東京地区及び仙台地区においては従業員30名以上の事業所、大阪地区、名古屋地区及び福岡地区においては従業員50名以上の事業所とする。
- (7)
- 前記による時差通勤通学の推進は、次の地区に重点を置くものとする。
- ア
- 東京地区 山手環状線内及びその周辺の主要駅地区
- イ
- 大阪地区 大阪環状線内及びその周辺の主要駅地区
- ウ
- 名古屋地区 名古屋市中区及び中村区
- エ
- 福岡地区 福岡市中央区及び博多区
- オ
- 仙台地区 仙台市青葉区、宮城野区及び若林区にわたる都心の区域
5 その他
政府及び運輸事業者は、4による方策と併せて、次の方策を講ずるものとする。
- (1)
- 時差通勤通学の通年実施のため、民間事業者団体、地方公共団体、学校関係団体等と連携しつつ、出勤時刻又は始業時刻の変更等について決定権のある事業所の幹部、学校の校長等に重点を置いて協力要請を行う。
- (2)
- 時差通勤通学の推進と併せて混雑の緩和を図るため、次の事項の実施に努める。
- ア
- 乗客への呼び掛け等による混雑の著しい列車における各車両の乗客密度の均一化の促進
- イ
- 混雑の激しい路線とこれに並行している他の路線との間、同一路線で混雑の著しい列車又はバスと他の列車又はバスとの間等の利用転換の促進
6 計画期間
この計画は、平成13年度から平成17年度までを目途として実施するものとする。