平成26年度交通安全フォーラムの開催結果について

テーマ
自転車の安全利用について
~人と街にやさしい交通環境の創出~
日時
平成26年11月18日(火) 午後1時から午後4時20分まで
場所
岡山コンベンションセンター・コンベンションホール
岡山県岡山市北区駅元町14-1
主催
内閣府、岡山県、岡山市
後援
警察庁、文部科学省、厚生労働省、国土交通省
協賛
交通安全フォーラム推進協議会構成団体
一般社団法人 日本自動車工業会 一般財団法人 全日本交通安全協会
一般社団法人 日本自動車連盟 公益財団法人 三井住友海上福祉財団
公益財団法人 国際交通安全学会 一般財団法人 日本交通安全教育普及協会
  • 内閣府では、国の重要施策並びに開催都道府県が実施する交通安全対策上の諸問題を踏まえて、学識経験者等の専門家による研究発表、討議等を通じて、交通事故防止のための有効適切な提言を得て、公開討論会の場を加え、国民の交通安全意識の高揚を図ることを目的とした「交通安全フォーラム」を毎年各地で開催している。
  • 平成26年度は、11月18日、岡山県・岡山市との共催のもと、『自転車の安全利用について~人と街にやさしい交通環境の創出~』をテーマに、岡山コンベンションセンター・コンベンションホールで開催した。
  • 今回で34回目となるフォーラム(シンポジウム)では、専門家から自転車の安全な走行空間づくりをはじめとする自転車乗用中の交通事故を防ぐための様々な対策等が提言され、自転車利用に関するルール・マナーの更なる啓発を図ることが必要であることが改めて確認された。

専門家からの提言内容

基調講演及びパネルディスカッションコーディネーター

橋本氏の写真
岡山大学大学院環境生命科学研究科 准教授
橋本 成仁 氏

『安全に走行できる空間づくりが必要』

自転車は環境にやさしく、家から目的地まで直に行けるなど非常に便利な乗り物。各地で渋滞対策などとして自転車の利用促進が図られています。自転車利用を促す上で、安全に走行できる空間をつくることが非常に重要。縁石を設置して物理的に車道や歩道と分離するのが一番ですが、新たに空間を創出するのは難しいので、路面にマーキングをして自転車の走行位置や方向などを示す方法が中心になるでしょう。幹線道路だけでなく生活道路を含めた面的な対策をし、家から目的地までのすべてを安全にすることが大事です。路側帯では車と同様に左側通行するなど、きちんとルールとマナーを守ることが、自転車利用者には求められています。ソフト面からも安全な自転車走行空間をつくっていきましょう。

自転車は環境にやさしく、家から目的地まで直に行けるなど非常に便利な乗り物。各地で渋滞対策などとして自転車の利用促進が図られています。

自転車利用を促す上で、安全に走行できる空間をつくることが非常に重要。縁石を設置して物理的に車道や歩道と分離するのが一番ですが、新たに空間を創出するのは難しいので、路面にマーキングをして自転車の走行位置や方向などを示す方法が中心になるでしょう。幹線道路だけでなく生活道路を含めた面的な対策をし、家から目的地までのすべてを安全にすることが大事です。

路側帯では車と同様に左側通行するなど、きちんとルールとマナーを守ることが、自転車利用者には求められています。ソフト面からも安全な自転車走行空間をつくっていきましょう。


(「基調講演」開催状況)

パネルディスカッションパネリスト

加藤氏の写真

岡山県警察本部交通部統括参事官・交通企画課長
加藤 章 氏

『自転車にTSマーク貼付を』

自転車は道路交通法では「車両」。免許がなくても車両として交通ルールを守らなければならず、信号無視や無灯火といった違反をすれば罰則の適用対象となり、自転車で事故を起こした場合、民事責任で損害賠償を求められることもあります。万一に備え、自転車店(自転車安全整備店)で整備を受けて、TSマークを貼ってもらいましょう。このマークには傷害保険と賠償責任保険が付いています。ぜひ1年に1度は自転車点検のプロにみてもらってください。

国司氏の写真

山陽放送 アナウンサー
国司 憲一郎 氏

『川沿いに専用道を整備して』

今夏、番組で自転車先進国のオランダを訪問しました。首都アムステルダムでは自転車専用道が至る所に整備され、駐輪場もたくさんあり、自転車に配慮した交通環境が整っていました。岡山市中心部では自転車道の整備が進んでいますが、郊外ではまだまだです。岡山県内には3大河川があります。川沿いの土地は起伏が激しくなく比較的なだらか。山間部では川沿いに専用道をつくれば、自転車を楽しむ人がもっと増えるのではないかと期待しています。

徳山氏の写真

岡山市立京山中学校 校長
徳山 順子 氏

『「はひふへほ」守って安全に』

自転車通学の生徒が多いので、「はひふへほ」(走る場所を考えよう、広がらない、ふざけない・危険な乗り方をしない、ヘルメットをかぶろう、本当にあった自転車事故・多額の賠償金)を指導。車や歩行者に自分の存在を知らせる反射材を自転車につけることも強く呼び掛けています。「安全は見ること、視られること」。危険をできるだけ早く発見することが安全に、そしてルールを守り自分の命を大切にすることが他人の命を守ることにつながります。

平澤氏の写真

岡山市都市整備局街路交通課自転車先進都市推進担当課長
平澤 重之 氏

『まちのにぎわい創出の一助』

岡山市は、市役所筋において、路肩に青色のラインを引いて、車と同じ左側走行する自転車レーンを新設。また、桃太郎大通りでは、歩道上の放置自転車をなくすため、路上駐輪場を整備するなど、自転車がより快適に走行ができる環境の向上を図っています。自転車はまちなかを移動する重要なツール。どこで借りても返してもOKなコミュニティサイクル「ももちゃり」を活用してほしい。自転車利用が活発になり回遊性が増すと、まちのにぎわい創出にもなります。

平成26年12月18日山陽新聞社「山陽新聞レディア」にて掲載


(パネルディスカッション開催状況)

過去10回の開催状況(平成21年度までは、「交通安全シンポジウム」として開催)
平成16年度 群馬県前橋市 生涯にわたる交通安全学習を目指して-県民の協働による交通安全を考える-
平成17年度 宮崎県宮崎市 超高齢社会とクルマ社会との共存
平成18年度 秋田県秋田市 交通事故のない安全で安心な社会を目指して-高齢者の交通事故防止を考える-
平成19年度 栃木県宇都宮市 飲酒運転の根絶を目指して-家庭・職場・地域の果たす役割-
平成20年度 福井県福井市 長寿社会の交通安全を考える-高齢者の交通事故の減少を目指して-
平成21年度 広島県広島市 飲んだら、乗るまぁ、乗らすまぁ-飲酒運転の根絶は あなたから-
平成22年度 北海道札幌市 冬の交通事故の減少を目指して-積雪期における交通安全を考える-
平成23年度 熊本県熊本市 飲酒運転の根絶を目指して-運転は 飲んだらせんごつ させんごつ-
平成24年度 奈良県橿原市 効果的な反射材の普及を目指して-「大和路から キラリ広がる 反射材」-
平成25年度 香川県高松市 高齢者の交通事故抑止対策について~なしにせないかん。高齢者の交通事故~