第12次交通安全基本計画(中間案)に対する公聴会 議事録
令和7年11月13日(木) 14:15~16:15
中央合同庁舎第8号館8階 会議室
中央合同庁舎第8号館8階 会議室
- 司会(松江補佐)
それでは定刻でございますので、ただいまから第12次交通安全基本計画(中間案)に対する公聴会を開催させていただきます。本日は、御多忙中にも関わらず、公述人の方を始め、大勢の方に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。初めに内閣府大臣官房審議官の松林より御挨拶申し上げます。 - 松林審議官
皆さん、お疲れ様です。内閣府で交通安全を担当しております、大臣官房審議官の松林でございます。第12次交通安全基本計画の中間案に対する公聴会の開催に当たりまして一言御挨拶申し上げたいと思います。本日はお忙しい中、多数の方に御参加いただき感謝申し上げたいと思います。
御案内の通り、昨年の交通事故の死者数は2,663人と、過去最悪であった昭和45年の16,765人に比べれば6分の1以下となりましたが、未だに厳しい情勢が続いております。 政府では、現行の第11次交通安全基本計画におきまして、令和7年度までに道路交通事故による24時間者数を2,000人以下とする目標を掲げて各種施策を実施してきたところです。
しかしながら、本年の交通事故死者数は過去最少であった令和4年を更に下回ってはいるものの、先月末現在で2,005人となり、2,000人を超えてしまいました。残念ながら、現行の第11次交通安全基本計画の目標を達成することはできなかったということでございます。
また、鉄道、海上、航空関係の事故も長期的には着実に減少しておりますが、一度事故が発生すれば、多くの人命が失われる危険性も否めないところでございます。
このようなことから、道路交通を始め各分野におきまして、交通安全を確保するため、来年度から始まる第12次交通安全基本計画をさらに実効性のある内容とするとともに、これを着実に推進していくことが重要であると考えております。
こうしたことから、今回、内閣府におきまして、第12次交通安全基本計画の中間案を作成してお示ししたところでございます。
本日の公聴会は、この中間案につきまして、公述人の方々から直接御意見を聞かせていただける貴重な機会であると考えております。
公述人の皆様におかれましては忌憚のない御意見を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
なお、本日は、交通安全基本計画について御審議いただいている専門委員会議から、お忙しい中、赤羽座長と古笛委員に御出席いただいており、意見を直接お聞きいただくこととしております。
あわせて専門委員会の委員の方々に対しても、本日、皆様からいただいた御意見を報告し、審議に役立てていくこととしているところでございます。
最後になりましたが、本公聴会に御出席いただきました皆々様に対して厚く御礼を申し上げまして、簡単ではございますが私からの御挨拶とさせていただきます。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。 - 司会(松江補佐)
続きまして、中央交通安全対策会議の専門委員に御就任いただいております2名の委員を御紹介させていただきます。初めに専門委員会議の座長を務めておられます、千葉工業大学創造工学部都市環境工学科教授の赤羽弘和座長でございます。
続きまして、弁護士の古笛恵子委員でございます。
また、本日は、内閣府、警察庁、こども家庭庁、法務省、文部科学省、国土交通省、海上保安庁の各担当が出席しております。
続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。オンラインで参加いただいている方は、先日送付させていただきましたものを御確認ください。 内閣府からは、本日の次第として、「第12次交通安全基本計画(中間案)に対する公聴会」という資料と、「第12次交通安全基本計画(中間案)」という資料を配付させていただいております。
また、公述人の方が御用意されました資料としまして、加山様からは3点、1点目が「第12次交通安全基本計画(令和8年度から令和12年度)~中間案についての意見~」という資料、2点目が「現状認識の共有と再発防止の取組み」という資料、3点目が「踏切事故と再発防止~遺族の思いと安全への願い~」という資料でございます。
続きまして、児島様からは2点、1点目が「道路交通事故による交通事故発生件数、死者数、負傷者数および重傷者数の推移」という資料、2点目が「北高生から広めよう地域の交通安全-令和7年度地域提案型交通安全支援事業-【実施マニュアル】」という資料でございます。
続きまして、長谷様からは2点、1点目が「命と安全を守る歩車分離信号普及全国連絡会 公述人 小中高校生の通学路の安全と歩車分離式信号の必要性」という資料、2点目が「巻末資料 大八木町交差点の歩車分離信号を視察して」という資料になります。
続きまして、竹島様からは1点、「意見発表「第12次交通安全基本計画(中間案)に関する公聴会」」という資料でございます。
最後に黒木様からは1点、「第12次交通安全基本計画(中間案)に対する要望」という資料になります。
以上、資料に漏れ等がございましたらお知らせください。
資料はお手元にございますでしょうか? その他、会議出席について問題があれば、事務局まで御一報をお願いいたします。
それでは内閣府からの説明に入らせていただきます。第12次交通安全基本計画の中間案につきまして、内閣府交通安全対策担当参事官の山崎より御説明申し上げます。 - 山崎参事官
内閣府交通安全対策担当参事官の山崎と申します。本日はよろしくお願いいたします。
少々長丁場になってしまいますが、第12次交通安全基本計画の中間案を御説明します。お手元に資料があると思いますが146ページと大部になっております。こちら現行の第11次計画の133ページからも10ページほど増えてる形になっております。まず、計画の副題としまして、「交通事故のない社会を目指して」と、その思いがこの146ページに込められております。
では順に説明いたします。1ページ「計画の基本理念」を御覧ください。先ほど申し上げましたが、副題であります交通事故のない社会を目指してというのがこの基本計画の趣旨でございます。続きまして2ページにありますように、【人優先の交通安全思想】というものが根底に流れております。最初にありますように、今日の社会においては、弱い立場にある者への配慮や思いやりが必要不可欠であるということを、今回改めて最初に申し上げたいということで文章を入れております。続きまして少子高齢化、前回までは高齢化を主に強調しておりましたけれども、この少子ということで弱い立場のこどもたち、未来を担うこどもたちということを強調しまして、少子高齢化という表現にしております。それに伴いまして、中身であります視点につきましても、前回の視点は高齢者及びこどもという形で一体となっていたところを、今回は高齢者とこどもとそれぞれの視点を新たに設けて記述しております。また、ここにありますように先進技術を活用して、移動の利便性の向上も努めていくのですが、もちろん安全については忘れてはいけないということもこの中で書いております。こどもから高齢者に至るまで安全に移動することができる、それがこれからの社会だと思って書いております。
続きまして4ページを御説明しますと、これからの5年間において特に注視すべき事項を書いております。(1)人手不足の対応において、それに伴いまして先進技術を導入して自動運転やMaaSとか諸々ありますが、そういうものを活用しながら移動の利便性も向上を目指しつつ安全性も書いております。2番目は増加する外国人運転者への対応としまして、在留外国人、訪日外国人ともに増えておりますなか、そのような方々との共生社会ということもありまして、その安全対策を入れております。先ほど申し上げた視点についても外国人の交通安全対策を追加をしております。関係省庁、関係団体、地域社会や外国人労働者を雇用する企業、また観光で利用するようなレンタカー会社などと一体的に取り組んで様々な場面で交通安全教育、日本のルールなどを外国人に御理解いただいた上で、交通事故のリスクを減らすということで記述しております。
5ページになりますが、横断的に重要な事項につきましてもこの中の(5)EBPMの推進として、事前評価・事後評価のシステムを構築していき、その結果を政策に反映することを書いております。各種の施策を投入してそれによってどのような効果があるか、中間的な結果そして最終的な結果などを踏まえた上で、それを検証して効果的な施策を目指していくことをここで強調しております。
続きまして7ページからは陸上交通、まず道路交通の安全について御説明しております。7ページは概略を書いてありますが、目標につきましては、先ほど松林から説明がありましたように、11次計画で24時間死者数を2,000人としておりましたが、12次計画で1,900人にさらに踏み込んだ形での目標設定としております。そして、下の方に参りまして重視すべき視点として挙げておりますが、前回は6つありましたところ10に増えました。先ほど簡単に御説明しましたように、高齢者とこどもを分けて記載しております。また、歩行者と自転車が現行計画で一緒に書いてあったところも、これもそれぞれ策が異なりますので分けております。また、新規の事項としましては、外国人の交通安全対策の推進、そして、特定小型原動機付自転車を始めとする小型モビリティの法令遵守の徹底と安全対策の推進というものを加えております。その下にあります8つの柱を講じようとする施策につきましても、第11次計画と同じ項目でありますが、それぞれの柱の中に新規政策も盛り込んで記載をしております。
14ページに飛びまして、先ほど申し上げた1,900人の目標について御説明したいと思います。元々この目標というものについて14ページの中ほどに書いてありますが、副題にありますように道路交通事故のない社会を達成するのが究極の目標であります。しかしながら、一朝一夕で達成できないことから、まずは死者数・重症者数をゼロに近づけることを目指しまして、目標を設定することとしております。まず、24時間以内の死者数を1,900人としておりますが、こちらはこれまでの死者数のトレンドから予測値を計算しておりまして、1,950~2,700人という結果が出ております。この下限値である1,950人をさらに減らしたいという我々の気持ちを入れまして意欲的な目標という形で1,900人にしております。ハードルを上げてきたからこそ着実に死者数を減らしてきたということもありますので、このような目標を立てております。ちなみにこのような目標を立てて、30日以内の死者数に換算し国際的な比較をしますと、人口10万人当たりの30日以内の死者数が1. 91人となりまして、世界一安全な道路環境を達成できることにも繋がります。また、年間の重傷者数につきましては、2万人以下とし、さらに踏み込んで目標を設定しております。15ページには今申し上げた国際比較をグラフに描いております。
続きまして、道路交通の安全についての対策につきまして、視点について簡単に御説明したいと思います。18ページを御覧ください。まず最初に高齢者の交通安全対策について述べております。交通事故死者数に占める高齢者の割合は5割を超えておりますので、まずここを減らすということで最初に持ってきております。続きまして19ページで、新しい施策について簡単に申し上げますと、19ページの下の方に、令和4年5月から一定の違反歴のある75歳以上の方に対する運転技能検査が導入されました。それも取り入れながら、引き続き高齢運転者の交通事故を防止するための新たな施策を講じていくと書いております。
20ページからは、こどもの安全確保のための環境整備を書いております。まずはチャイルドシート、ジュニアシートについて、適切に利用しなかったために悲しい出来事が起きてしまいましたので、チャイルドシートを適切に体格に合わせて使用すべきと重点的に広報を行っていくとしております。
続いて3番目の歩行者につきましては、歩行中の交通事故者数が年々横ばいとなっております。こちらの対策についてもきちんとやらなくてはいけないということを視点に加えております。
4番が自転車です。自転車は最近新たに道路交通法関連の法令が改正されまして、ここにありますように令和6年からは、自転車の運転中の携帯電話使用の罰則強化、また、酒気帯び運転が罰則の対象とされておりまして、さらに来年の4月からは、交通反則通告制度が適用されることになっております。これらの制度をきちんと周知徹底を図るとともに厳正な取締りを実施するとしております。また、電動アシスト自転車、駆動補助付き自転車の事故が増えておりますのできちんと交通安全教育・広報啓発を推進するとしております。
22ページの外国人の交通安全対策の推進は新しい項目でありまして、最近は先ほど申し上げた人手不足などもあり、自動車運送業等の分野が特定技能の対象とされており、外国人労働者の受け入れに伴って外国人運転者もさらに増加することが見込まれますので、取組を強化すると書いてあります。その場合に関係者それぞれが連携した横断的なアプローチが必要です。後ほど説明ありますが、外免切替の制度についても厳格な運用を図っていくとしております。
23ページには小型モビリティ、特定小型原動機付自転車について、こちらも最近増えてきている乗り物でありますが、事故もあることから、そのルールについての周知徹底、安全教育など業界とともに周知徹底させていくと書いております。
24ページからの生活道路における歩行者安全につきましては、ゾーン30それに加えて、スムーズ横断歩道といった物理的なものを加えたゾーン30プラスというものを導入しまして、最高速度30キロ毎時の区域規制、これ来年の9月から施行なんですが、それと加えてのゾーン、地域一帯での生活道路の安全確保を図っていくということを書いております。
25ページからの先進技術において、AIを含む技術革新、技術開発の進展を踏まえた自動運転に係る安全基準見直しなども書いておりますし、また、ロボットタクシーとか配達ロボットの導入などについても支援していくとしております。
交通実態等を踏まえたきめ細やかな対策の推進につきましては、ETC2. 0から抽出されるビッグデータ等に含まれる情報を使って交通安全に役立てていくと書いております。
地域一体となった交通安全対策の推進ですけれども、少子高齢化を踏まえてその働き手の話や安全安心な交通社会の形成など書いております。
27ページ以降は道路交通環境の整備として、先ほどのゾーン30プラスの生活道路の整備などが書かれております。29ページにいきまして、こちらは来年9月から法定速度が30km/hに引き下げられるので、ドライバーに周知していくなど、円滑な施策を実施できるようにしております。また安全な道路環境としまして、高度化PICSというものを、スマートフォンに対してその送受信によって青信号の延長などを含めた歩行者等を支援する情報システムなど活用するとともに、また歩行者等と自動車が通行する時間を分離して、交通事故を防止する歩車分離式信号等の整備を推進するとしております。交通事故のデータやETC2. 0を搭載した車両から発生するプローブデータを活用することによって効果的な安全対策を実施し、地方公共団体もこれらのデータを活用できるようにしていくしております。30ページは高齢者障害者等の安全につきまして、バリアフリーの話から歩車分離式信号などを整備、推進していくとしております。 32ページの事故危険箇所の対策の推進としまして、先ほど申し上げたビッグデータの活用をして事故危険箇所を指定するとともに、信号機の新設改良、歩車分離式信号の運用、道路標識の高度化などなど、そういった設備を推進していくとしております。続きまして33ページ、こちら高速自動車国道における交通事故対策としまして、最近逆走車による事故もありますので、逆走車に対して強くインパクトを与えるような段差や突起物を路面上に設ける物理的対策を実施するとともに、AIを活用して逆走車を探査して、逆走車および周囲の順走者に対して逆走情報を通知する技術の開発等を推進するとしております。37ページは高齢者等の移動手段の確保・充実になります。高齢運転者に対して免許返納もありますが、そのためには公共交通の確保も重要であることから、地域公共交通のデザインを全面展開することによって、交通空白地域の全国的な解消に取り組んでいくとしております。そのための公共ライドシェア、日本版ライドシェアなどの普及、民間技術サービスの活用などをしていくとしております。また、自動運転車の走行安全・円滑性の向上に資するようなインフラ連携、合流支援、路線協調システムなどについても推進するとここで書いております。
46ページから交通安全思想の普及徹底についてご説明いたします。次ページになりますが、自動運転社会が今後到来すること、また、新たなモビリティ等もありますことから、道路交通の環境が変化しております。そのような中に新たにルールを設けておりまして、それらを的確に運用するとともに皆様にも理解して、着実に守ることが重要ということ、生涯を通じた交通安全教育も行っていくとしております。53ページにつきまして新しい項目は、外国人に関する交通安全教育等の推進、こちら在留外国人に対しては学校コミュニティや日本語学校において交通安全教育について推進していくということ。また、特定技能等による外国人運転者につきましては雇用者とか関係機関による交通安全対策を充実するとしております。また、訪日外国人につきましては、交通ルールの遵守を図っていただくとともに、また、外国人に対して乗り物を与えるようなレンタカー業界、シェアサイクル事業者、特定小型原動機付自転車のシェアリング事業者と連携した広報活動を推進していくとしております。56ページの自転車の安全利用の促進ですが、先ほど申し上げたように令和6年11月から施行されたスマホの罰則強化ですとか、来年4月からの青切符、交通反則通告制度の施行について的確に運用していくとしております。また、ヘルメットも努力義務とされておりますがこれにつきましても引き続き広報啓発をしていくとしております。自転車通学時にヘルメットをかぶることもありますので、関係の都道府県、市町村、学校とも連携した形での着用の支援を推進していくとしております。今年度公表予定の自転車の交通安全教育ガイドラインに基づいて、民間事業者団体、自治体、家庭、学校などがそれぞれ交通安全教育を推進するとしております。また、妨害運転・あおり運転、ながらスマホの対策強化などもこちらに書いております。58ページには飲酒運転根絶について書いておりまして、こちら引き続き飲酒運転の危険性や飲酒運転による交通事故の実態を周知させるための交通安全教育や広報活動を引き続き推進するとともに、関係機関・団体・事業所等が一緒となった飲酒運転根絶署名活動など、飲酒運転の根絶の機運醸成を促す取組の展開を推進するとしています。飲酒運転をした者について、アルコール依存症が疑われる場合には専門医療機関に繋げる取組を継続的に推進していくとしております。続きまして59ページ、シートベルト・チャイルドシートの着用につきましては妊婦やその配偶者に対してもシートベルト等を正しく着用するということと、子どもにつきましても、6歳以上であってもチャイルドシートの適正な使用の仕方について、制度的な検討も進めるとしております。また、59ページの下にありますが、高速自動車国道における法定速度の引上げと逆走防止について書いております。60ページは二輪車のヘルメット・プロテクターの装着について引き続き周知徹底するということと、また、先端技術に対する正しい理解、過信はいけないということが書いてあります。交通安全教育の中で関係者の交通安全対する意識を高めるとしております。60ページにも新しい小型モビリティの安全対策について書いております。 61ページに下の方にあります効果的な方法の実施につきましては旧来型のメディアだけでなく若者に対してはSNSなどを含めた形で発信していきたいと書いております。そのような形で効果のある広報啓発活動を推進するとしております。62ページの(4)交通の安全に関する民間団体等の主体的な活動の推進としまして、スクールガードリーダーなどを始めとする学校安全ボランティアなどの人材の充実に関する強化をしていきます。交通ボランティア等の民間団体については人手不足や資金不足なども相まってその活動が困難となっていることもありますので、継続的な活動を確保するために、国や地方公共団体からの支援を推進するとしております。(5)につきましては、地域に根ざす住民、町内会、自治体、外国人コミュニティ、防犯協会等との連携を図りながら、地域における交通安全活動を充実させていくということも書いております。
68ページに飛びます。自動運転等の安全の確保と支援としまして、特定自動運行許可制度の適正かつ円滑な運用ということがありまして、安全で円滑な公道での実証実験のためのガイドラインや道路使用許可制度の運用と事業者に対する周知を図るとともに、自動運転サービスが使えるような自動運転車優先レーンの設置等の取組を推進していくとしております。また遠隔操作型小型車についても公道実証実験できるような形で、事業者に対する周知を図っていくとしております。安全運転管理の推進ですが、令和5年12月から実施されることとなりました安全運転管理者による運転者に対する運転前後におけるアルコール検知器を用いた酒気帯び運転の有無の確認などの義務が確実に履行されるなど、交通安全教育指針に基づいた交通安全局が適切に行われるよう、安全運転管理者等を指導していくとしております。続きまして69ページにも繋がるのですが、運送事業者を始めとした関係者による輸送の安全に向けた意識の醸成や啓発を新たに継続的に取り組む。また、悪質な事業者に関しては、国の監視体制を充実させるなど、悪質事業者に対する監査を強力に実施していくとも書いております。
79ページの(6)自転車の安全性の確保には、近年電動アシスト自転車の基準を満たさないようなものが見られますので、そのようなものに対してきちんと形式認定制度というものを周知して適切に運用すると書いておりまして、各種のマーク制度の普及、安全性の向上の機運を醸成していくと書いております。
80~81ページに交通指導取締りの強化を書いております。ながらスマホにつきましては交通取締りを推進強化するとともに、81ページ下にありますように事業所における従業員の飲酒運転を発覚した場合には自動車の使用者の責任追及を含め、運行管理者、安全運転管理者による運転前後のアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認などの義務の履行が徹底されるように指導を行っていくとしております。また、外国人に対してもそのような雇用者の背後責任を徹底するとしております。他には、来年4月から施行される自転車への交通反則通告制度の導入も含めまして周知していく。取り締まりを的確に実施して、悪質なものは検挙していくと書いております。
89ページの被災者等の支援の充実と推進について簡単にご説明いたします。まず最初の自賠責の関係につきましては、ペダル付き電動バイクや電動キックボードなど新たなモビリティについても自賠責の加入の周知を行っていくとしております。91ページに参りまして交通事故被害者等支援の充実強化につきましては、独立行政法人自動車事故対策機構NASVAの各種の施策がありますのでそれについて適切に行うとともにその支援制度などの周知徹底を図るとしております。93ページには公共交通事故被害者等への支援ですとか、交通事故被害者等支援に関する情報発信も行っていくとしております。96ページに移りまして、交通事故被害者等の視点に立った交通安全対策に関する研究の推進を書いております。道路交通は以上です。
98ページからは鉄道交通になります。鉄道交通の目標につきましてはここに書かれてありますように列車運転による乗客の死者数ゼロを目指す。鉄道運転事故全体の死者数減少を目指すとしております。鉄道施設等の安全性の向上の新しい施策としまして、線路を横断しないよう注意喚起する看板の設置や侵入防止のための柵の設置等の対策について協議会等を通じ、鉄道事業者や関係自治体等への情報提供等を図るとしております。105ページに飛びまして、鉄道事故等の原因究明と事故等防止につきましては3Dスキャン等による3次元測量CTスキャン装置を用いた科学的な客観的な調査を実施して、その成果を原因の究明に反映されるとしております。
106ページからは踏切道における交通安全です、ここにあります目標につきましては、5年間の平均を取る形で前回と目標の立て方が変わっております。令和8年度から10年度における平均踏切事故件数を令和3年度から7年度の平均踏切事故件数と比較して約1割削減することを目指すとしております。
109ページにバリアフリーにつきまして、令和6年1月に改定した道路の移動円滑化に関するガイドラインを踏まえて、強調して書いております。同じく109ページにありますように、遮断時間が特に長い踏切など抜本的な交通安全対策である連続立体交差化事業によって、除却を促進するとともに、道路の新設改築および鉄道の新設に当たっては、原則、立体交差化を図るとしております。極力立体交差化を図る、としたところを、原則という形で一歩進めた形になっております。また、111ページに行きまして、AI等を活用した更なる踏切安全対策を推進するともしております。
112ページからは海上交通の安全です。小型旅客船に乗り込む船員の資質の向上を図るための事業用操縦免許等について、講習課程の拡充および乗船履歴に応じた船舶の航行区域の限定など、新たな制度を適切に運用して安全意識の向上を図るとしております。
132ページからは航空交通の安全になります。こちらの目標は変わらずに引き続き達成を目指しております。状況としては令和6年1月の羽田空港での滑走路事故などを踏まえた対策が盛り込まれています。操縦者のヒューマンエラー防止を目的とした技能発揮訓練の実施によって滑走路への誤進入等の危険な事態の発生を防止するなど安全対策を推進していくとしております。また、146ページになりますが、研究開発の推進として、滑走路上における航空機等の衝突リスクの更なる低減を図るために、デジタル技術等を活用して、関係者が一体となって取り組みを進めるとしております。説明は以上です。 - 司会(松江補佐)
続きまして、第12次交通安全基本計画(中間案)につきまして、公述人の方から御意見をいただきたいと思います。
なお、時間の関係上、1団体あたり10分までということでお願いいたします。9分が経過いたしましたら、演台から見て右手の方向に「残り1分」という紙を掲げさせていただきます。10分になりましたら「終了してください」という紙を掲示させていただきますので参考にしていただければと思います。
それでは、まず初めに加山様からお願いいたします。 - 加山様(踏切事故遺族の会 紡ぎの会)
はじめまして。踏切事故遺族の会の代表をしております加山と申します。
本日は非常に貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。お手元の資料を御覧になりながらお願いいたします。
私の母を含む4人が死傷した竹ノ塚踏切事故から20年が経ちました。事故を防ぐ対策がこの間進められてまいりましたが、踏切の事故の後には、資料2ページ目ですけれども、安全対策が進められましたが、17年の6月、事故のあった3月から3ヶ月後には、歩行者用の路側帯が広げられ、カラー舗装がされました。9月には市道の遮断機が廃止され自動化されております。また、足立区が事業主体となりまして高架化の事業が進められ、令和4年3月20日に踏切が廃止され、高架が完成いたしました。3ページ目、4ページ目に写真がございます。
こういった竹ノ塚の踏切事故後の対策とは別に、国土交通省は平成19年に全国の踏切36,000か所を点検し、2,600か所の踏切交通実態の点検を行いました。そして、緊急対策の必要な踏切として1,160か所が指定されております。また、運輸の安全の向上のための鉄道事業法の一部を改正し、平成17年度からホームページで鉄軌道輸送の安全に関わる情報を毎年度公表されております。
5ページ目、国土交通省は改良すべき課題として、踏切安全通行カルテというものも作っておられます。踏切の諸元、交通量、事故発生状況、対策状況などを鉄道事業者と道路管理者が連携して取りまとめ、対策を講じていらっしゃいます。毎年1回進捗状況を点検し、取組の成果を確認し、カルテを更新していらっしゃいます。
平成28年6月には対策が進んだ踏切はカルテから緊急対策が必要なところから外し、新たに課題のある踏切を取り上げるということをされております。また、平成26年4月からは運輸安全委員会が遮断機のない踏切での死亡事故を事故調査の対象に加えて調査を始めました。
こういった事故調査の結果を踏まえて、踏切の統廃合や第1種化など、鉄道事業者、地域住民、自治体とで協議を重ねて対策を進めていらっしゃいます。 さて、このような踏切の事故の後に対策が進められてきているんですが、踏切事故の現状について見ていくと、踏切道そのものは約50年間で71,070か所から32,206か所と約45%に減少しております。しかし、死亡者は平成17年度から令和6年度の20年間で2,106人に上ります。
踏切事故はよく「踏切に入った人が悪い」というふうに言う方がいらっしゃるのですが、実際は未だに年間200件前後の事故が起きております。ということは、踏切事故は個人の問題ではなく、やはり社会問題であると言って良いと思います。このように繰り返される踏切事故について、第12次交通安全基本計画に盛り込むべき内容について意見を述べさせていただきたいと思います。
7ページ目、踏切事故の推移と運輸安全委員会の事故調査件数を表にいたしました。ここでは事故そのものは、ここ20年間を見て減少傾向にはあるのですが、実際には3日に2件事故が起き、4日に1人亡くなっているという計算になります。
8ページ目ですが、踏切事故の関係者と年齢を国土交通省が公表している統計から集計してみました。ここを見ても60歳以上の高齢者の方を累計しますと、58件47. 9%と約半数を占めています。
9ページ目、10ページ目の表は、参考に載せましたので、後でご覧になってください。
11ページ目ですが、基本計画に盛り込むべき内容として付け加えたいものを述べさせていただきます。計画の基本理念についてですが、まず、「事故調査体制の充実」という項目を設けるべきではないかと思っております。基本計画の中間案に、「交通社会を構成する3要素」として「交通社会を構成する人間」に、「車両、船舶、航空機等の交通機関」、3番目、「それらが活動する場としての交通環境」と中間案では提示していらっしゃいますが、4つ目の要素として、「事故の科学的な調査や分析を行う事故調査機関」を入れるべきではないかと思っております。事故をなくすには、なぜ事故が起きたのか事故原因を調査することが必要であり、各交通における事故調査体制を充実させることが肝要であると思っております。また、特にヒューマンエラーについても事故原因を考える上で重要な要素として加える必要があると思っております。
2番目に「事故情報の公開・共有」の項目を設けるべきではないかと思っております。中間案の中では「横断的に重要な事項」の中に「知見の共有」という項目がありますが、事故情報の公開・共有として、情報公開制度の内容も盛り込むことが必要ではないかと思います。多くの方々と現状認識を共有して課題を明確にし、安全安心な社会を作っていくことができると思っております。
13ページに行きまして、こういった基本理念に加えまして、踏切道における交通の安全について、目標などに対し述べたいと思います。踏切事故を令和8年度から令和12年度までにその前の11次であります令和3年度から令和7年度までの踏切事故件数合計と比較して半減させると大きな目標を持つべきだと考えます。
また、死亡事故はそもそもあってはならないという観点から、死亡事故ゼロを目指すべきではないかと思います。
視点についてですが、踏切道を通行する人の視点も加えて、それぞれの踏切の状況を勘案した効果的な対策を推進することが必要だと思います。
対策についてですが、踏切道のバリアフリー化に努める。事故のあった踏切には凹凸があり、また、踏切道の入口は広くても中は狭いといった状況があります。
次の15ページの写真を御覧いただきたいのですが、詳しい説明は省かせていただきますが、御覧になってもお分かりになるように、踏み切りがでこぼこしていたり、途中で途切れているようなところがあったりして、この踏切では、車椅子の方が途中で立ち往生されて事故に遭って亡くなっています。16ページの踏切では、やはり車椅子に乗っていた方が亡くなっているのです。御存知の方も多いかと思いますが、このように線路のカーブ上にありますと、線路の外側が円の外側になりますけれども、遠心力で向こう側に倒れないように少し外側のレールを高くしてありますので、このように複線ですと波打つような感じになります。こういったところでは車椅子の方も非常に危険な状況ではないかと思います。
17ページになります。遮断機のない踏切を通行する人が停止線から見たときに、踏切を通過する列車の見通しを確保し、電車の運転手から見た見通しについては定期的に点検されているようですが、踏切の利用者からの対策が不十分と思われます。この写真を御覧になってお分かりになると思いますが、車で停止線のところに停まりますと、右側から来る列車が電柱が並んでいるために重なってよく見えません。また、左側の写真を御覧になって分かると思うんですが、この佐賀県の踏切では、特急や各駅の電車が通過しております。そういったときには電車の速さも違いますので、いつ電車が来るか分からない。意外と遠くに見えたものが特急ですと早く来ることがあります。
3番目に全ての踏切道に遮断機を設置する。遮断機のない踏切よりも、やはり遮断機のある踏切の方が事故の割合もすごく低くなっております。
4番目に人を検知する踏切安全装置が必要です。踏切道を通行する人が、踏切道に取り残されたときに、人を検知して、電車が踏切の手前で減速又は安全に停止できるよう装置の開発、設置を進めてほしいと思っております。
19ページです。踏切道改良促進法の運用を推進する。平成28年に改正されてから、先ほどもちょっと触れましたが、国土交通省では、課題のある踏切等として全国1,470か所をカルテとして公表いたしました。令和3年10月には1,336か所の踏切道を指定して踏切の改良を進めていらっしゃいます。進捗状況を確認し、新たに課題が見つかったところでは、カルテ化して課題を見えるように指定していらっしゃいます。また、地域鉄道と地方自治体、沿線住民とが町協議会を持って、踏切の統廃合や安全対策について検討を進めるよう指導していらっしゃいます。
こういった踏切道改良促進法の対策というものは、ぜひ今後も進めていただきたいと思っております。
6番目に全ての踏切死亡事故の事故調査が必要である。先ほど9ページの表3で踏切事故の事故調査が何件行われているかということをちょっと触れましたけれども、まだまだ一番事故の多い第1種の踏切は踏切事故の8~9割を占めているわけなんですけれども、こういった第1種の踏切事故の調査をしなくては、やはり踏切事故が減っていかないのではないかというふうに思っております。
7番目に事故調査や安全対策に関わる人材を確保し、知見の蓄積に努め、継続して職務に専念できる体制を作っていっていただきたいと思っております。 8番目に在留外国人や訪日外国人踏切を渡る際の注意点など、注意喚起が必要ではないかと思っております。昨今では、日本で働いている外国の方が踏切で亡くなるとか観光で来ていた方が踏切の中にいるのか外にいるのか分からなかったような状況で、列車にはねられて亡くなるという事故が起きております。こういった外国からいらっしゃる方にもぜひ踏切の危険性、どういう点に注意しなくちゃいけないのかといったようなことを周知していく必要があるのではないかと思っております。
21ページです。9番目に被害者支援の充実と推進を図ることが重要であると思っております。事故で大切な人を失った遺族や親しい人たちは、なぜ大切な人が事故に遭ったのか知りたいと思っております。亡くなった人の命が無駄にならないよう、同じような事故は無くなることを願っております。
事故の情報を迅速に正確に伝えていくことが、また、新たな対策を進めて事故を無くしていっていただくことが心のケアにもなると思っております。
参考資料として私どもで発表したものも付け加えましたので、後でぜひ御覧いただければと思います。
どうも長い間、御清聴ありがとうございました。 - 司会(松江補佐)
ありがとうございました。続きまして、児島様、よろしくお願いいたします。 - 児島様(特定非営利活動法人KENTO)
皆様、初めまして。NPO法人KENTO理事の児島です。
この場を御準備くださいました内閣府関係者の皆様方に心より感謝申し上げます。早速ですが、本日、参加が叶わなかった代表の児島早苗と会員の佐藤からの口述を代読させていただきます。
まず、児島早苗より、①第12次交通安全基本計画における5か年の国家予算を地方行政、地方住民、地方小中高学生及び交通事件被害者遺族との協働事業に振り分け、有効活用を願います。②2026年4月1日より実施の自転車交通違反に対する青切符制度に対し、関係各省庁職員方には、都内で自動車道路左側を自ら自転車で走行してください。③第12次交通安全基本計画5か年にわたり、内閣府内にて全職員方を対象とし、「生命のメッセージ展」を年に一度、小規模・短期間形態で開催を願います。
1点目の理由、内閣府が令和3年より実施される地域提案型交通安全支援事業が先週11月5日、和歌山県立北高等学校にて行われ、弊法人代表の児島早苗による講演及び「ミニ生命のメッセージ展」が授業の中に加えていただけました。今、画面に映っているのがそのときの資料です。ぜひ御覧ください。実施前より日本交通安全教育普及協会、和歌山県庁、県警、和歌山北高校等の担当者が事前打合せに同席を快諾いただき、その対話の中で本事業における皆様方の熱心な取組姿勢に実際に触れることができました。また、実施当日は実行委員会との細やかな声の掛け合いと確認の繰り返しがあり、そのような中で、各プログラムが高校生約1,000名とともに着実に進行していきました。この体験を通し、当該事業において交通事件被害者遺族を加えた協働形態が、また「生命のメッセージ展」に注がれた生徒・教師方の真剣な眼差しからも、地域での交通安全活動にとり、確実な有効性、重要性が一層加わると実感した次第です。当事業に交通事件被害者遺族、「生命のメッセージ展」を加えた共同作業をぜひとも今後推進されたくお願い申し上げます。
2点目の理由、一般道路の左側に何があるか御存知でしょうか?路面が各所で割れ、高低差が生じ、枯葉、各種ゴミが溜まり、その劣悪な段差にタイヤが取られ、倒れる危険性に満ちています。この現状を行政は本気で調査把握しようとせず、さらに基本ルール遵守に無頓着な大人のドライバーたちが自転車の横を走行していきます。来年4月以降、この劣悪な道路左側を新中学1年生たちの自転車には走行義務が生じ、ある意味「交通死」に向かわせるが如くの現実が始まります。こどもたちの安全を作り出すのが国の責務のはず、危険に満ちた走行を強いるのは真逆の施策であり、こどもたちの心に恐怖心を積み重ねていく行為に他なりません。これ以上こどもたちの命を奪わないために、内閣府を始めとする関係各省庁、職員方自身が身をもって劣悪な環境下の一般道路左側走行を体験し、地方行政に範をお示しください。以上。
次に会員の佐藤からの口述です。
ここ数年、特に第11次交通安全基本計画の期間内の交通死者数が横ばいとなっています。新車買い替え率は約5%程度で、義務化されている予防安全システムが全車に搭載されるまでに20年かかると言われています。ある程度の搭載率により効果も見られると言われますが、少なくともこの4年間の交通死者数、交通被害者発生件数、負傷者数ともに明確に横ばいであるのが現実にあります。前年比との比較や、さらに低く示された目標とする年間の24時間以内交通死者数が必要とは思いますが、私には異常と思われるこの現状を検証し、国民に周知させるべきではないでしょうか。
現在進行中の自動車自動走行に向ける産官学での取組について、社会受容性に向けた動きに懸念を持っています。
普及率が大きいと言えないまでも、搭載車がある程度公道を現在走行しているにも関わらず、実態は中間案11ページのグラフで示された通りとなっています。メーカー側からは被害軽減ブレーキの搭載により大きく追突被害が回避できる旨の発言があるようですが、グラフの結果とは乖離しているとしか感じられません。これは搭載されていない車で起きている被害なのでしょうか。それとも一部のシステムを過信した者がさらに無理な運転をして起きていることなのでしょうか。それぞれの予防安全システム効果を否定するものではありません。システムにより、これまで通り安全運転に努めるドライバーに対し、なお検知できないミスや予見できない事案をシステムが予防回避するならまだしも、導入によってドライバー側の負担回避がなされ、さらにシステム複合の自動走行なる状態では、運転に全く関与しないまま、現状通りの速度等の移動を可能とし、責任さえ回避されるような車社会は交通被害者遺族としてどうしても納得できません。
最後に私、児島より、自動車、自転車走行ルール周知の徹底について、実体験をもとに要望させていただきます。
私には小学校6年生と2年生のこどもがおります。私自身が兄を交通事故で亡くしている経験から、こどもたちには口酸っぱく交通ルールを教えてきたため、2人とも横断歩道ではしっかり左右を確認して手を挙げて渡っていますし、自転車に乗るときは必ずヘルメットを着用し、左側走行を心掛けています。ルールを教えるに当たって、何度も繰り返し伝えていることの一つは、「交通ルールはお互いが守らないと意味がない」ということです。例え、こどもたちがルールをしっかり守っていたとしても、相手が守っていなければ事故に遭う可能性は十分にある。歩行者、自転車、車、道路を使用する全員がルールを守ってやっと安全が得られるのだと伝えてきました。
こどもたちが幼い頃、3人乗りの電動自転車の前と後ろにこどもたちを乗せて毎日走行していましたが、どれだけ自分自身が慎重に走っていたとしても、30センチほどの車間距離しか空けずにすぐ横を飛ばしていく車も多く、恐怖でした。状態の悪いガタガタ道や、どうしても車道を通らなければいけない細い道路を走る場合は、ここで万が一体勢を崩して接触でもすれば、こどもたちがどうなるか分からないと日々命の危険を感じていましたし、今もこどもたちと自転車で一緒に走行しているときは常に気を張っている状態です。
そんな中、来年4月から自転車への交通反則通告制度が導入されると聞いたときに真っ先に思ったのは、私自身、自転車の運転ルールをきちんと知らないということでした。歩行者としてのルールはシンプルなので理解しているつもりですし、車は運転免許制度があるので、交通ルールをある程度学んだ人が運転をしている。でも、自転車のルールをしっかり学ぶ機会は私自身今までなかったし、あったとしても警察官が幼稚園や小学校に来て1、2時間程度教えてくれる交通学習のようなものだけでした。私は自転車で右折するときには手信号を使っていますが、私以外に手信号を使っているのを見たのは今まで2回だけです。来年から青切符の対象となる違反は、私自身はやっていけないことだと認識はしていましたが、そう認識していない人がこれまでたくさんいたことも事実です。ヘルメットにしても、かぶるだけで万が一のときには命を守ってくれる重要なアイテムなのにかぶっていない方が大半です。
今回は青切符導入で自転車のルールに関して関心が高まっているいい機会です。自転車販売店や教育機関との連携と自転車の走行ルールを、自転車に乗る全ての人に周知させる方法をぜひ御検討ください。
そして、今後、青切符導入の影響で車道を走る自転車も増えることと思います。先日も中学3年生の子が車道走行中にバスと接触して亡くなったばかりですが、来年4月以降にこのような事故が増加するのではないかと懸念しています。同時に車道に増えた自転車の影響で今まで通りスムーズに運転できなくなる道が増え、車による無理な追い越し等が増加する可能性もあります。自動車免許取得の際や免許更新の際だけでなく、こちらも全ドライバーに自転車との付き合い方、車間距離の取り方など今一度周知をさせてください。以上です。御清聴ありがとうございました。 - 司会(松江補佐)
ありがとうございました。続きまして、長谷様、よろしくお願いいたします。 - 長谷様(命と安全を守る歩車分離信号普及全国連絡会)
命と安全を守る歩車分離信号普及全国連絡会の長谷と申します。こちらが黒崎と申します。今日はこのような貴重なお時間をいただき、大変ありがとうございます。
早速ですが、私達の発言をお話させていただきます。お手元に資料があると思いますが、この長谷、黒崎は交通事故の遺族で、双方とも左折巻き込みでこどもを奪われております。そのような関係から、この会は、歩車分離信号の推進をこの基本計画9次の頃からお話させていただいています。
なぜ、そのようなことを言うのかというと、交差点の構造上、こどもたちが横断をしていると、右折車、左折車がやってきます。左折車は歩行者の背後から、そして右折車は歩行者がいないと思って飛び込んできます。このようなものを注意しましょうと言っても、いつまでたってもこどもたちの命を守ることはできないんです。そのことを感じ取って、自分のこどもが33年前に亡くなったときから、この運動を行ってます。
23年前から歩車分離信号を増やしてきましたが、いまだその普及率は5%です。これでは、まだまだこどもたちを守ることはできません。そのようなことから、この資料を作らせていただきました。第9次の計画から話しておりますけれども、一番最初のものは私たちのことを書いてあります。
2ページ目、これは小中学生の通学路の安全と歩車分離信号の必要性です。その中でどのようにこどもたちを守るかといったら、これは注意喚起だけでなく、人間はどうしてもヒューマンエラーを起こす。右折する車、左折する車が入ってくるときにヒューマンエラーを起こす、それで横断者が守れない以上、その穴埋めをしてあげなきゃいけない。その穴を埋めるという考え方、それを図にしたものです。この基本的な考え方はイギリスの方がやっております。これまでは高度成長の波で、どんどん効率がいい方へと考えてきましたけども、今の時代になって少子高齢化、1人でもこども、若い人たちの命を失うわけにいかないんですよ。だからこれは真剣に考えてもらいたいと。
次のページはですね、特に左折事故では自転車の事故が多い。なぜだろうということを真剣に考えていくと、いろいろと考えられるんじゃないかと。下の図を見ると歩行者よりも自転車の方が断然多いんですね。自転車は70~80%で毎年同じ。これはどういうことなのかといったら、やっぱりそこには何か問題があるんだろう。傾向があるんだろうというふうに考えなきゃいけない。というわけで御説明しているとどうしても時間が掛かってしまうんで、少し見ていただければなと思います。そして、この歩車分離信号についてはですね、今年9月に群馬県の高崎市で1つの信号が歩車分離に変わりました。その歩車分離信号は7年前に、こちらの黒崎さんのお子さんが亡くなったところなんですけれども、ずっと私たちもすごい言い続けて、ようやく変わりました。その時の見てきた印象というものを私のレポートで他のところに投稿する予定だったんですけど、こちらに巻末資料としてつけております。
それから、基本計画ではドライブレコーダーの記載がずいぶん少ないなと思ってます。今、ドライブレコーダーは業務用の運航会社とかそういうところには義務があるようですが、一般車両には義務はありません。でも、あの効果が高いのは一般国民が皆知るところです。 それを様々な効果があるものをきちっと活用しなければもったいないんじゃないかということをここに書いてあります。
それから重大事故に直結する悪質ドライバーを本気で排除したい。ここに書いてある「累進課金」、実は私の造語なんですけども、「累進課金」というのは、交通違反を繰り返したら同じ罰金額じゃない。2回目ほど高くなるというような発想で考えていくといいんじゃないかなと。私たちドライバーはお金取られるのが一番嫌なんだといった発想で新しくそういったことも入れていただけるといいのかなと思ってます。
続きまして、4つ目、子育て世代や未成年の自転車の安全確保ということで、黒崎の方から説明をさせていただきます。 - 黒崎様(命と安全を守る歩車分離信号普及全国連絡会)
黒崎です。子育て世代や未成年の自転車の安全確保について、我が国では歩行者や自転車、車による移動が暮らしの基盤となってきました。
子育て世代、幼児、未成年から高齢者までの歩行者や自転車が同じ歩道内で混在し、左右どちら側の通行の義務もなく、クルマの脅威から命を守ってきた歴史があります。分離信号においても、歩行者用信号で渡る自転車は徐行で通行できるという現実があります。こうした原則を踏まえた理解と運用の視点を広く啓発されてほしいと思います。
道路交通法学習の推進、交通弱者を守る立場のドライバー法令順守がなされませんと命を守れません。交通警察官が使用する「普及版道路交通法」。この教材を活用することで、法理解の整合性が生まれて、そして、ジェンダー平等の視点も含めた啓発ができると思います。
2つ目、車道のクルマにとっても、大切な基本地図の作成について、自転車通行可の歩道や歩道を色分けた基本地図を整備することで、地理総合の授業で活用ができますし、小中学校はそこに色分けや認識が確認できます。地理院地図への反映も技術的に可能ではないでしょうか。
補足してほしい重要な視点として、自転車にも即、命に関わるリコール情報が存在します。車と同様に整備が必要です。私学は教育委員会の管轄外であるため、通学路の安全プログラムなど施策の対象から漏れないように、例えば通行する複数の小学校区に対策の声が届くような包括的な対策が求められます。群馬県の過去15年の統計を御覧ください。0歳から小学生の12学年よりも中高生6学年の被害が多く、死亡・重傷被害が発生していることは、基本計画を立てる上でとても重要です。重傷の中に30日死亡が含まれていることからも、自転車通学生の対策強化について補足していただければと思います。
最後に、次の日曜日は世界道路交通被害者の日です。何万人もの犠牲者を追悼慰霊して、既に苦しんでいる何百万人もの人々とそれからさらに追加になってしまった何百人の人々に思いをはせて、交通事故のトラウマ的な波に毎日対応する献身的な救急隊員、警察・医療専門家に敬意を示しまして、当会の発表を締めくくりたいと思います。御清聴ありがとうございました。 - 司会(松江補佐)
ありがとうございました。続きまして、竹島様、よろしくお願いします。 - 竹島様(NPO法人交通事故後遺障害者家族の会)
初めまして。 NPO法人交通事故後遺障害者家族の会理事の竹島です。
この度は、公聴会にお招きいただきまして誠にありがとうございました。本日は交通犯罪による重度障害者の実際も含め、交通安全基本計画中間案への意見をお伝えいたしたく存じます。
私の弟が当事者になりますが、15年前、バイク乗車中、交差点で青信号を発進した際、信号無視の自家用車に衝突され、意識不明が続く重傷を負いました。幸い命は取り留めたものの、左上下肢麻痺、高次脳機能障害者となり、家族のもとに帰ってきました。当時は今ほどネットやSNSなどの情報を得ることができず、家族皆がどうしたら良いのか何も分からない中、弊会の勉強会に参加しました。代表理事の北原が「孤立しない」、「家族同士の情報交換の大切さ」、「中流を取り戻す」、「これは被害者になって困窮生活を送らないことを意味します」と声を大にして講演する姿に圧倒され、交通事故被害者家族は私たち家族だけではないと即入会し、現在まで役員として運営や活動に関わってまいりました。
それでは、3番、第12次交通安全基本計画中間案について申し上げます。①被害者等支援の充実と推進。自賠責保険、後遺障害等級認定、その後の自賠責保険金支払いにおいて、交通事故被害者本人の判断能力を巡り、損害保険料算出機構、自賠責損害調査センターより、成年後見制度の利用を求められることがあります。被害者は判断能力があるにも関わらず、適切な経済的支援を受けられず、困難な生活を強いられております。突然の交通事故による被害者救済のために、自賠責保険金は迅速かつ適正に支払われるよう要望します。
ここで成年後見制度について申し上げます。若年層の多い交通犯罪被害者にとっては大変使い勝手の悪い制度ですので、長年私たちは勉強会を開催し、改正を願ってまいりました。交通犯罪の状況にもよりますが、被害者は自賠責保険金や民事裁判の賠償金により高額な現金を受け取ることになります。障害が重篤で判断能力がない、若しくは乏しいと診断された場合、成年後見制度を利用せざるを得ない状況に置かれます。専門職後見人がつくと、その仕事内容に関係なく、亡くなるまで高額な報酬を支払い続けなければなりません。
弊会会員の一例です。被後見人は息子です。20代の受傷、在宅介護、専門職後見人がついてから20年以上にわたり毎年50万円以上報酬を支払い続けています。本人の通帳は、専門職後見人が管理しているため、母親は具体的な報酬額、預金残高を把握していません。母親は息子の専門職後見について、どんな仕事をしているのか分からない。「彼(後見人)にも生活があるんでしょう。息子の賠償金がなくなったら、障害者年金から報酬を取るのかしら」と納得できない思いで息子の将来を案じています。
障害者権利条約第12条に関連して、国連より障害を理由に法的能力を制限する差別的法制度の見直しを勧告されたことや、国内においても法務省法制審議会民生部会で成年後見制度の見直しが議論されていることに期待を寄せています。改正により、成年後見制度が当事者の必要性に応じた支援となり、共生社会において、障害のある人も尊厳を持って生きることを願ってやみません。
②ナスバ、独立行政法人自動車事故対策機構の周知。自動車事故対策機構は「ナスバ」という名称を使用することで周知される取組をしています。基本計画内でも「ナスバ」という呼称を加えてはいかがでしょうか。また、ナスバを知らない医療従事者や医療ソーシャルワーカーなども多く、ナスバスコアを満たしていても療養センターに転院できず、適切な医療に結びつかない被害者が存在します。病院での周知徹底をお願いしたいです。
③飲酒運転撲滅。被害者家族の懸命な活動により厳罰化への動きが見えますが、警察庁による令和6年の飲酒運転死亡事件は140件と前年より28件増加しています。飲酒運転根絶を「4 車両の安全性確保」内に「飲酒運転根絶のための整備」などとし、アルコールインターロックなど飲酒を感知したらエンジンがかからない装置を全車両に義務付けを推進していただきたいです。ドライブレコーダーが普及していることを考慮すれば、実現可能な対策だと考えます。飲酒運転は防ぐことができる犯罪です。年間100名以上の命が奪われることが無くなるのです。
④交通安全教育。私は交通事故とは報道で知る他人事のニュースでした。 まさか自分の大切な家族が交通犯罪に巻き込まれるとは考えたこともなかったのです。交通犯罪は自分の身にも起こるという認識が必要です。被害者も加害者も生み出さないために、交通犯罪被害者やその家族の実体験、生の声を対面で聞く交通安全教育を学校教育の中に取り入れていただきたいです。
⑤外国人運転者対策。多言語に対応した安全教育の推進及び教習所の普及を求めます。先日、弊会会員の刑事裁判を傍聴した際、被告人は外国人であり、安全対策が急務であることを感じます。国によって飲酒運転やながら運転などの罰則有無の違いもあるので、在住者や短期滞在者及び旅行者への日本の法律遵守のための対策は迅速にお願いしたいです。
また、私自身が自動車を運転している際に、自転車、公道を走行するカート、マイクロカー、電動キックボード、電動自転車などの危険な走行を目にすることが度々あります。利用する際の安全対策も徹底していただきたいです。
⑤地域格差是正。地方在住の会員によると警察、保険会社、医療、生活全般など被害者等支援において地域格差があるそうです。例えば、警察での交通事故証明書作成における対応、法テラスから紹介された弁護士が国選被害者参加弁護士制度を知らない、急性期病院からの転院において入所できる介護施設が限られている、リハビリを行っている施設がない、障害者の通所施設、居場所がないなど。消滅可能性自治体があることは承知しておりますが、全国どこで交通事故に遭っても等しい支援が受けられるよう、地域格差をなくしていただきたいです。
⑥自動運転車、バスタクシーなどの対策。今年8月に自動運転バスの事故により、けが人が出ました。少子高齢化、労働者不足の中、今後も自動運転によるバスやタクシーが普及していくのではないかという懸念があります。弊会会員でもバスに衝突され死亡された御家族がおられます。大型車両事故は甚大な人的被害に繋がることを考慮し、安全対策を推進してほしいです。
⑦災害に備えた道路交通環境の整備。障害者は迅速な避難ができないので、備えは大切です。また、障害者は一般の避難所での集団生活はほぼ無理なのではないでしょうか。障害者のための福祉避難所も各地域の障害者数、認知症者数も含めると、全く足りていないのではないかと不安です。東日本大震災では地域によって障害者死者数は障害を負っていないかたの2倍以上もあったそうです。誰一人残さない災害対策が必要です。
最後に、中間案の前書きなどで、「令和6年中の死者数は2,663人とピークの6分の1まで減少し、5年連続で3,000人を下回った」と記載されております。なぜ、ここに令和6年中重傷者数27,285人が含まれていないのでしょうか。交通事故で重傷を負った被害者が置き去りにされているように感じてやみません。
以上です。御清聴ありがとうございました。 - 司会(松江補佐)
ありがとうございました。続きまして、黒木様、よろしくお願いいたします。 - 黒木様(一般社団法人日本自動車工業会)
皆様こんにちは。日本自動車工業会の黒木と申します。本日は、このような公聴会の場で要望を述べさせていただく機会をいただきましてありがとうございます。
それでは早速ですが、第12次交通安全基本計画中間案に対しまして弊会の要望を述べさせていただきます。今回、我々自工会は交通事故の更なる減少と、より安全な交通社会の実現に向け、特にサポカー普及V2N、V2Xの活用及びインフラ整備が重要と考えており、以下のように8点の要望をさせていただきます。
本日は、まず、これらの要望を読み上げさせていただいた後に特に強調させていただきたい青字の3点につきまして詳細を説明させていただきます。
まず、1点目でございます。サポカーの更なる普及への支援についてです。サポカーにつきましては高齢者を始め、経済的な理由からサポカーへの乗り換えが難しい方が多く、普及が十分に進んでいないという現状がございます。より多くの方がサポカーに乗り換えられるよう補助金や減税措置などの支援策の拡充を検討いただきますようお願いいたします。あわせまして、新たな安全技術を取り入れました次世代サポカー制度の創設についても御検討いただきたく思います。
2点目、こちらは官民連携と横断的体制の構築についてでございます。交通事故削減の期待が寄せられております、先進安全技術の社会実装及び普及につきましては、路車協調技術やモビリティDXとの連携を推進するための省庁間の横断的な連携体制及び官民の緊密な協力が不可欠であると考えております。このため、交通安全基本計画とモビリティDX戦略など、こちらの関係を明確に位置づけていただくなどし、政策間の連携体制を構築していただけるようお願いいたします。
続いて3点目です。こちらは先進安全技術の普及促進に関してです。衝突被害軽減ブレーキやドライバーモニタリングシステムなどの先進安全技術は、近年も多く発生しております脇見運転や居眠り運転による事故防止に大きな効果が期待をされております。これらについて国として購入支援や広報活動の強化及び技術評価制度の拡充など、より実効性のある普及施策を講じていただければと思います。
4点目、こちらは救命体制の強化についてでございます。交通事故時の迅速な救命にはACN、AACNと呼ばれる事故自動緊急通報システムが有効でございますが、こちらは病院や消防等、ステークホルダーへのコスト面での支援も必要であり、普及がなかなか進みにくい状況であると認識しております。政府によるこれらの普及支援に加えまして、コールセンターの増設や、コールセンターと消防救急との連携体制を整備・機能の拡充を図り、事故時の初動体制の迅速に向けた強力な普及支援を検討いただければと思います。
続きまして、5点目は、V2Nと呼ばれますネットワーク技術を活用した歩行者・自転車への対策です。歩行者や自転車の交通事故の約半数は、被害者側の違反というのも一因となっており、これらに対しまして、ネットワークを活用した注意喚起又は警報を行うことが有効な事故防止手段ではないかと考えております。
これらの観点も踏まえまして、路車間通信や車車間通信のV2Xに加えまして、歩行者、自転車、自転車等もネットワークに接続可能となるV2N技術、こちらの活用についても積極的な検討をお願いしたいと思っております。
6点目は、交差点対策と標識の整備についてでございます。交差点での事故削減につきましては、右折可信号の増設が有効であると考えておりますため、引き続き、その増設の実施をお願いいたします。また、カメラによる標識認識技術を活用した事故防止には、逆走防止ですとか、速度規制の標識を車載カメラが正確に認識できる環境というものが非常に重要でございます。そのため、標識の適切な場所への設置及び維持管理の徹底、更にはカメラに認識しやすいデザインの標識の規格化、さらに認識技術の実施をする環境、このような整備をお願いしたいと思います。
7点目、こちらは高齢者の安全運転支援についてでございます。今回の基本計画でも大きな焦点となっております。高齢ドライバーの安全確保に向けては、現在実施いただいております、サポカー限定免許制度や免許更新時の運転技能検査に加えまして、運転力量に応じて、サポカーの積極的な推奨を行うような新たな仕組みの導入など、更なる積極的な支援の検討をお願いしたいと思います。このように高齢者が安心して運転を続けられる社会環境の整備に向けまして、実効性のある政策の推進というものをお願いいたします。
最後、8点目は二輪車への交通安全啓発についてでございます。二輪車事故による死亡・重傷の防止には、防具の適切な使用が不可欠であり、特にヘルメットの脱落防止に繋がるあご紐の正しい着用や、死亡・重傷事故において上位の損傷部位である胸部を守るプロテクターの利用促進について、国として引き続き全国的な啓発活動の継続強化をお願いさせていただきたいと思います。
それでは続きまして、この中からサポカーの更なる普及への支援、官民連携と横断的体制の構築及び救命体制の強化、この3点について詳細を御説明させていただきます。
まずは、サポカーの更なる普及への支援についてでございます。こちらの図は、現在、サポカーがなかなか普及しにくい現状というものを図で示しております。当然ながらサポカーなどの新しい安全技術が導入された車ほど事故率、事故致死率というものは低く、安全でございますが、同時に車両価格も上昇をしております。一方でユーザーの収入は、車両価格の上昇と比べると伸び悩んでおりまして、経済的な理由で新車の購入を控える方が数多くいらっしゃるのも現実です。
我々自工会の調査でも、60歳以降で4分の1、75歳以降では半数の方が買い替えないという回答をしていらっしゃいます。このようにですね、特にサポカーに乗っていただきたい高齢の方々が、経済的な理由で新車購入を断念するケースが非常に多く、せっかくのサポカーというものの普及が進んでおりません。このような状況の改善のために補助金や減税措置など、支援策の拡充を検討いただければと思います。
なお、我々自工会では交通安全啓発というものも継続的に実施をしております。その中で、サポカーについては、コンテンツを今年の9月22日にリニューアルし、公開をしております。このように微力ではございますが、少しでも乗り換えていただけるような訴求の活動も行っております。
また、このサポカーのコンテンツについては、愛知県警様におかれまして、このコンテンツを県内全ての免許センター及び警察署で上映をいただくというような御協力もいただいております。このように普及活動というものも非常に大事でございますので、普及啓発についても積極的な取組というものを御検討いただければと思います。
続きまして、官民連携と横断的体制の構築という項目について御説明します。昨今の自動車技術はSDVと呼ばれますように、ソフトウェア中心の進化へと変化をしてきております。その中でサポカー技術のCAN、AACNを実現するコネクテッド技術、こちらはモビリティDXへと繋がる重要な架け橋になるのではないかと考えております。しかし、このプロセスには数多くのステークホルダーの方々に参加をいただく必要がございます。
例えば、AACNにおいては国土交通省様、消防庁様、各救命救急病院様、V2N、SDVは経済産業省様などいらっしゃいます。これ以外にも数多くの方々に関わっていただく必要がございます。このように今後の交通安全対策は、車とそれを支えるインフラとの連携対策、こちらに軸足を移していくことが必須になるのではないかと考えております。したがいまして、このようにサポカーからモビリティDXを連携させ、先進安全技術の更なる進化と社会実装・普及を促進するためには、省庁間の横断的な体制と官民の緊密な連携が不可欠になるのではないかと考えております。その体制を実現するために、サポカーやモビリティDX戦略も含めた全体を包含する体制、又はロードマップの構築など、政策間の連携体制の構築をお願いしたいと思います。
最後に救命体制の強化について御説明いたします。先ほども御説明したように、ACNやAACNの体制を構築するためには、さらに機能拡充を拡張し、後席又は歩行者に対応するシステムとしていくためには多くのステークホルダーへのコスト面での支援や連携体制の構築が不可欠であります。したがいまして、民間だけでは非常に難しい課題だと捉えております。例えば、2018年4月にeコールと呼ばれます、同様のシステムを新型車への搭載を義務付けた欧州では、その前年の2017年10月までに公的なコールセンターであるPSAPと呼ばれるものを設置し、救命体制の強化というものを進めております。このように事故時の初期対応の迅速化というものが今後さらに交通事故を減らしていくためには非常に重要と考えておりますので、日本におかれましても、公的な接続機関の設置を中心とした普及支援というものを強力に進めていただけますようお願いしたいと思います。
冒頭で申し上げた、それぞれの要望につきましても、資料を添付しておりますので御確認いただけますようお願いいたします。最後になりますが、我々自動車業界といたしましても、交通事故の更なる減少と更なる安全な交通社会の実現に向けて真摯に取り組んでまいります。また、今回の中期計画の策定にも積極的に御協力を差し上げたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。以上で我々からの要望の説明を終わらせていただきます。改めまして、本日は貴重な機会をいただきましてありがとうございました。 - 司会(松江補佐)
ありがとうございました。公述人の方からの発表は以上となります。
それでは、赤羽座長及び古笛委員からコメントをいただきたいと思います。まず赤羽座長からよろしくお願いいたします。 - 赤羽座長
公述人の皆さん、ありがとうございました。私の方からは時間の許す範囲で感想等をお話したいと思います。まず私が道路交通に関わりはじめた頃に比べますと、30年以上前だと思いますけども、事故調査体制とか事故データの蓄積とか公開体制はずいぶん進んでいます。例えば生活道路対策では、位置データが収集されるようになり、それを実務の現場の人たちが使いやすいような分析システムが開発されて普及しつつあります。でもおっしゃる通り、その普及の仕方が十分ではない部分がありますから、ぜひ皆さんからも今日のような声を上げていただいて、ますますそういう方向に勢いがつくようにお願いしたいと思います。
それから道路交通の中でも交差点はですね、道路管理者と警察と両方で協力しなければいけない。踏切は多分それに鉄道事業者も協力しなければいけないので、いろいろ複雑なことがあるのだと思いますね。複雑だからこそ、いろんな工夫をしていただいて、事故を減らしていく体制を整備していくことが必要だと、私も認識を新たにしました。
それからKENTOの方が御指摘していただいた、交通事故死者数のここ3年くらいの横ばい状態に関しては、長期予測を検討した委員会でも非常に注意を要する状況だという認識で、統計的にもいろんな技術を使って分析していただきました。でも難しいのは、まだ3年程度しか経ってないということで、これからどうなるかを見極めることがなかなか難しい状況です。しかしながら今年の10月、11月に入ってからは、前年同日比だと6%弱ぐらいの減少速度に戻っていますので、これが続くと今までと同じようなペースで減らせるかなと少し安心しています。が、また注意を要すると考えております。
それから歩車分離信号について、23年前からというお話がありました。私がそういう話を最初に伺ったとき、私としては恥ずかしながら、交通処理の効率が落ちてしまうので渋滞がひどくなるってことを心配しました。渋滞がひどくなって、渋滞が安全性を悪化させるという側面もありますので、うまくバランスを取らなければいけないなと考えていました。しかし実際に歩車分離信号が使われるようになって、私は見方を変えました。分離した方が車の処理効率も上がるし、安全性も上がるということがだんだんと分かってきました。ですから、これは現場の見方を変えてですね、そちらの方向で計画設計していただくということが、これからますます普及していくのではないかと期待しています。
自工会からのお話の中にありましたサポカーは、ご本人からの申し出に基づいてサポカー限定免許が発行されるシステムになっていると思います。他の標準化されている車両安全装置は、効果を評価して、効果が明らかになったら搭載が義務化されるという流れになっていると思いますが、ちょっとサポカーはそれとは違うと思っています。たぶん免許更新時の検査結果に基づいて、限定免許をもっと強く奨めるようなことと組み合わされることが考えられますが、それは検査の精度だとかとの兼ね合いだと思います。その辺りを関係機関と連携していただく方向が一つの選択肢かと思って伺っておりました。
それからACNに関しては、実は救命救急の現場の方から病院で受け入れた患者さんがACN経由で搬送されてきたのかそうではないか現場では分からない状況なのです、という話を伺いました。それがどういうことなのかよく分からなかったのですが、今日のお話で分かったような気がします。つまり病院側にもコスト負担しないと、そのシステムを使えないということだと思います。私は初めて伺いましたので、今日の御提案のような公的な枠組みでもって利用環境を整えていくことの必要性を理解しました。ありがとうございました私からは以上です。 - 司会(松江補佐)
ありがとうございました。続きまして、古笛委員よろしくお願いいたします。 - 古笛委員
専門委員の古笛でございます。私は交通事故を担当する弁護士ということで専門委員に参加させていただいてます。
弁護士としての関与はどうしても事故が起きてからの被害者救済、とくに損害賠償問題が中心になってしまいますが、今日は、交通事故後遺障害者家族の会の竹島理事からいただきましたご意見についてコメントさせていただこうと思います。同会の北原代表とは国土交通省の自賠責保険のあり方懇談会ですとか、金融庁の自賠責保険審議会でも御一緒させていただいたことがあり、その当時からあらゆる問題を御指摘いただいておりました。
この第12次交通安全基本計画中間案はいろんな立場から交通事故に関わっているメンバーがいろいろ意見を出し合って作ったところです。メンバーには交通事故でご家族を亡くされた御遺族の方や後遺障害が残存した被害者の関係者の方もいらっしゃいますが、竹島理事から御指摘いただいた被害者等支援の充実と推進は本当にその通りでして、まだまだ十分足りていないとの意見を出し合っているところでした。
今日いただいた御意見も、今すぐにできること、今すぐにはできないけれどやらなきゃいけないこと、いろいろありますが、真摯に取り組まなければならない重要な問題ですから持ち帰って皆で検討したいと思っております。特に弁護士として耳が痛かったのは、成年後見制度に対する御意見です。成年後見制度に対しては、使い勝手が悪いとか、日弁連の意見は違うかもしれないんですけれども、専門職が就くと経済的に負担が大きいとか、1回利用したらそれがずっと続いてしまうことでいいのかとか、交通事故被害者の後見に限らず、制度そのものに関して多々問題が指摘され検討がなされているところです。、この基本計画の中で成年後見制度の問題点を全て反映するのは難しいのですが、御指摘いただいた点はまた何らかの形で発信させていただこうと思っています。
それからナスバの件もその通りでして、実際に国土交通省を中心に被害者保護増進等事業に関する検討会が立ち上げられていますが、そこでもナスバの認知度を高めるにはどうすればいいのかという問題に直面しております。交通事故の相談を受けて、真っ先にナスバの利用を勧めなければならない弁護士自体がナスバのことをわかっていない実態にあるので、ナスバの皆さんに弁護士会で御講演いただいたりとか、法律雑誌に掲載していただいたりといった活動もしているところです。ナスバというものがあるんだ、いろいろ使えるものはちゃんと使ってほしいと普及していきたいと思います。ナスバの名称が中間案の中で出てなかったなということで、これはすぐに盛り込めるんじゃないかと思っております。
さらに、飲酒運転の撲滅も本当にその通りでして、飲酒運転の厳罰化などは、実際に事故に遭われた被害者の皆様方の御努力によって大きく、法制度から変わったところなので、またこの動きというものをいろんな形で反映させていただければと思っています。
交通安全教育についても、中間案を作るときにもいろんな形で意見が出ました。小学生への安全教育から始まりましたが、実は小学生どころか保護者の方がしっかりわかってないんじゃないか、免許取得時の教育としても十分ではないなど、それぞれの年代に応じていろんなところで安全教育は必要だなと思っています。
外国人運転対策についても、今回の中間案ではたくさん取り入れたところではありますが漏れがないのか確認していきたいと思います。地域間格差の問題もその通りだと思います。
法テラスの弁護士が被害者参加制度を知らないのは本当に申し訳ないことだと思います。本当にそういう問題はいろんなところで聞くので、私たちでできることはしっかりやっていきたい、広めていきたいと思います。
自動運転、科学技術によって、事故がなくなっていくのであれば、そういういった取組みも進めていくべきだと考えています。
私は交通事故のほんの一端、わずかな場面しか関与していないんですけれども、専門委員のメンバーと検討し合って、たくさん御意見いただいたものを反映させていただき、「交通事故のない社会」を目指したいと思います。交通事故がゼロになれば交通事故をめぐる問題はなくなるのです。それに対して反対する人は誰もいないので、交通事故ゼロをめざして一生懸命取り組んでいきたいと思いますので、今後とも御指導・御意見いただけたらと思います。本当に今日はありがとうございました。 - 司会(松江補佐)
ありがとうございました。本日の公聴会につきましては、後日議事録を内閣府ホームページに掲載させていただく予定です。
また第12次交通安全基本計画(中間案)につきましては、11月20日まで内閣府ホームページでパブリックコメントとして意見募集をしておりますので、そちらも御活用いただければと思います。
なお、本日の公聴会やパブリックコメントなどでいただいた御意見につきましては、専門委員会議に報告させていただくとともに、第12次交通安全基本計画の作成に活用させていただくこととしております。
それでは、これをもちまして、第12次交通安全基本計画(中間案)に対する公聴会を終了させていただきます。
ありがとうございました。