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韓国の地下鉄火災を踏まえた我が国の対応
平成15年度交通安全白書概要
韓国の地下鉄火災を踏まえた我が国の対応
平成15年2月18日(火)午前9時53分頃、韓国大邱市地下鉄公社の中央路駅において、地下鉄火災が発生した。この火災は、多数の被害者を出す大惨事となった。
国土交通省では、この火災を重く受け止め、事故翌日の平成15年2月19日に地下駅を有する鉄軌道事業者に対し、(1)駅における不審者、不審物に対する注意の徹底、(2)火災対策設備、異常発生時の対応マニュアルの点検、(3)地下鉄道の火災対策設備の整備の充実について指導を行った。
さらに、消防庁と協力して国内の地下駅に対する一斉点検を実施するとともに、平成15年3月1日から実施された「平成15年車両火災予防運動」の機会をとらえ、地下駅を有する鉄軌道事業者の288駅において、地下鉄火災を想定した初期消火、通報及び避難に係る訓練を実施した。
また、国内の全地下駅の火災対策設備について、火災対策基準への適合状況の詳細な調査を実施した。調査の結果、全684駅のうち基準を満たしていない駅が268駅あり、その多くは基準が策定された昭和50年以前に設置された駅であることが分かった。
国土交通省では、こうした地下鉄火災に係る問題への対応として、消防庁とともに、学識経験者、鉄道事業者等で構成する検討会を設置し、我が国の地下鉄道の総合的な火災対策について検討を進めている。
地下鉄火災訓練(大阪府)