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駅ホームにおける転落事故防止対策
~「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」中間とりまとめ(平成28年12月)の概要~
駅ホームからの転落事故が依然として発生している状況を踏まえ,ホームドア整備などのハード面及び駅係員のアテンドなどのソフト面を含む総合的な転落等の防止対策を行い,同種事故の再発を防止するとともに,駅ホームの安全性向上を図る。
■ハード対策
ホームドア整備を加速化し,平成32年度末までに800駅を整備するとの現行目標※について,できる限り前倒しを図る
【ホームドア整備】
◯利用者数10万人以上の駅
ア)車両の扉位置が一定など整備条件を満たしている場合,原則として平成32年度までに整備
イ)整備条件を満たしていない場合,以下の通り。
(i) 新しいタイプのホームドアによる場合,概ね5年を目途に整備又は整備着手
(ii) 車両更新による場合,更新後速やかに整備
(iii) 上記でも対応できない場合,駅員等による誘導案内の実施等ソフト対策を重点的に実施
◯利用者数10万人未満の駅
- 視覚障害者の利用状況や整備要望,駅の状況等を勘案して整備
【新しいタイプのホームドアの普及促進】
» 従来型の導入課題(扉位置の不一致等)を解消する新しいタイプのホームドア(昇降ロープ式など)を利用者への声に配慮しつつ,積極的に普及促進。
» 鉄道事業者は『新型ホームドア導入検討の手引き』を活用し,導入を進める。
» コスト低減等による一層の普及促進をテーマに国土交通省に「新型ホームドアに関する技術WG」を開催。
【内方線付き点状ブロックの整備促進】
» 利用者数1万人以上の駅について,平成30年度までに整備。
» 利用者数3千人以上の未整備駅について,可能な限り速やかに整備。
【頭端駅における固定柵の設置拡大】
» 利用者数1万人以上の頭端駅の列車の止まらない箇所への固定柵,原則として平成32年度までに整備。
■ソフト対策
【駅員等による誘導案内の強化と接遇能力の向上】
» 誘導案内の申し出があった視覚障害者に対し,駅員等が乗車及び降車の誘導案内を実施。
» 駅係員等が介助者がいない視覚障害者に気づいた際は,声かけを行い,誘導案内の希望を確認。希望しない場合も,駅の規模等の状況に応じ可能な限り乗車するまで見守る。
» 誘導案内の実施にあたっては,待たせないように努めるとともに,待たせる場合には,その理由と見込み時間を伝えて理解を得られるように努める。
» 危険時に,視覚障害者が明確に気づく声かけや,可能な限り,別のホームに列車が到着した際の勘違いを防ぐ注意喚起を行う。
» 具体的な接遇方法等を身に着けるための資格を取得するとともに,障害者が講師として参画する研修等を積極的に受講し,理解を深める。
【旅客による視覚障害者に対する配慮の促進】
» 視覚障害者に対する具体的な誘導案内を含めた啓発を行い,旅客による声かけの促進を図るとともに,歩きスマホ等の迷惑行為を行わないよう啓発も行う。
【一般国民による視覚障害者への心のバリアフリーの理解促進】
» 「企業における汎用性のある研修プログラム」を踏まえ,国土交通省は交通事業者向け接遇ガイドラインを策定し,接遇能力の向上を図る。
» 「バリアフリー教室」において,盲導犬使用者への介助を体験メニューに追加するなど,内容の充実を図る。
» 国土交通省は,中学生を対象としたバリアフリー教育のための副教材を作成し,教員向けに指導ポイントの周知を図るなどにより,中学校教育での活用を促す。
【駅における盲導犬訓練等への協力】
» 盲導犬となるための訓練を受けている犬や盲導犬貸与希望者に対し,訓練の進捗に応じて柔軟にその機会を提供する。(事前申請の後,訓練日時等の変更は電話等で受け付け等)