I 現況の概要 第2編 海上交通
第1章 海難等の動向
第2編 海上交通
第1章 海難等の動向
1 近年の海難等の状況
我が国の周辺海域において,交通安全基本計画の対象となる船舶事故隻数の推移をみると,第2次交通安全基本計画期間(昭和51~55年度)の年平均では3,232隻であったものが,平成29年では1,959隻となっており,約4割減少した。
海難による死者・行方不明者の数は,第2次交通安全基本計画期間の年平均で426人であったものが,平成29年では54人となっており,8割以上の減少となった。
2 平成29年中の海難等及び海難救助の状況
- ①平成29年は,海難船舶1,959隻の中で自力入港した567隻を除いた1,392隻のうち,1,182隻が救助され,救助率(自力入港を除く海難船舶隻数に対する救助された隻数の割合)は85%であった。海上保安庁は,巡視船艇延べ1,992隻,航空機延べ369機及び特殊救難隊員延べ191人を出動させ,海難船舶506隻を救助した。
- ②船舶事故による死者・行方不明者数,船舶からの海中転落による死者・行方不明者数ともに漁船によるものが最も多く,それぞれ全体の50%,55%を占めている。
- ③小型船舶の事故隻数は,1,519隻であり,前年より50隻減少した。これに伴う死者・行方不明者数は32人であり,前年より11人減少した。
- ④プレジャーボート※等の海難船舶986隻の中で自力入港した151隻を除いた835隻のうち741隻が救助され,救助率は89%であった。