特集 「道路交通安全政策の新展開」―第11次交通安全基本計画による対策―
第2章 近年の道路交通事故の状況
第4節 生活道路における交通事故の傾向
特集 「道路交通安全政策の新展開」―第11次交通安全基本計画による対策―
第2章 近年の道路交通事故の状況
第4節 生活道路における交通事故の傾向
生活道路における交通死亡事故件数は,近年,減少傾向にあるものの,生活道路以外の道路における交通死亡事故件数に比べて減少割合が小さい(特集-第36図)。
生活道路における年齢層別状態別死者の割合をみると,15歳以下では歩行中が60%を占める。16歳から24歳の若者世代は自動車,自動二輪車の合計が半数以上を占めるのに対し,歩行中は10%にとどまっている。一方,歩行中の割合は年齢層が上がると増加する傾向にあるが,自動車については,約3割とほぼ横ばいであり,高齢になっても自動車乗車中による交通事故死者の割合は変化しない傾向にある(特集-第37図)。
自宅からの距離別歩行中の交通事故死者・重傷者数をみると,自宅から500メートル以内で交通死亡事故又は重傷事故となる割合が,全年齢では半数近くを占める。一方,未就学児に限定した場合は約6割となり,また,50メートル以内で交通死亡事故又は重傷事故となる割合も約3割と高い水準となっている(特集‐第38図)。
トピック
新型コロナウイルス感染症の感染拡大と交通への影響
新型コロナウイルス感染症の影響をみる上で,令和元年及び2年中の月別自動車走行距離の推移を参照すると,緊急事態宣言が発令された令和2年の4~5月は,元年と比較して自動車走行距離が大きく減少した。
令和2年中の月別にみた交通事故死者数は,新型コロナウイルス感染症が拡大した4月以降,特に7~8月の交通事故死者数が低く抑えられている。7月から8月にかけての新型コロナウイルス感染症拡大の時期と重なる。