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荒天時の走錨等に起因する事故の防止について
平成30年9月に,台風21号による強風の影響で走錨したタンカーが関西国際空港連絡橋へ衝突した事故を受け,「荒天時の走錨等に起因する事故の再発防止に係る有識者会議」を開催,同会議の提言を踏まえ,平成31年4月,全国の海上空港などの臨海部の施設を選定し,台風接近時等にこれらの施設周辺海域で錨泊制限や監視の強化等を実施することとした。
また,令和元年9月9日,台風15号が東京湾を直撃した際,走錨した貨物船が南本牧はま道路へ衝突するなど複数の事故が発生したことから,特に勢力の大きな台風が湾全体を直撃する際は,台風の影響の少ない湾外への避難を推奨することとしたほか,同会議における新たな提言を踏まえ,令和2年においては,時間的余裕をもって湾外等へ避難できるよう,港外避難勧告の発令時期の前倒し等の運用の改善,走錨事故を防止するためのガイドラインの作成・周知,走錨事故防止対策を行う臨海部の施設の追加,海上交通センターからの錨泊船舶の情報提供等を実施した。
さらに,近年の台風等の異常気象が頻発・激甚化する状況を踏まえ,対策を強化すべく,令和2年6月11日,走錨等に起因する事故の再発防止等に係る更なる安全対策のあり方ついて交通政策審議会に諮問し,令和3年1月28日,
・船舶の湾外避難,湾内の錨泊制限等の勧告・命令制度
・海上空港等の臨海部の施設周辺海域等における走錨等に起因する事故の防止のための情報提供,危険回避措置の勧告制度
などの法制度の創設が必要との答申を得たことから,湾外避難勧告等の法制化を目指すなど,引き続き,走錨等に起因する事故対策を推進していく。