特集 通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策について
第1章 子供(小学生)の交通事故の状況及び飲酒運転に関する交通事故の状況
第2節 飲酒運転による交通事故の状況

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特集 通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策について

第1章 子供(小学生)の交通事故の状況及び飲酒運転に関する交通事故の状況

第2節 飲酒運転による交通事故の状況

飲酒運転による死亡事故・重傷事故件数の推移をみると,死亡事故,重傷事故共に,減少傾向にある。しかし,依然としてこのような悪質・危険な運転による重大な交通事故は後を絶たず,令和3年中の飲酒運転による死亡事故は152件,重傷事故は288件発生している(特集-第22図)。

特集-第22図 飲酒運転による死亡事故・重傷事故件数の推移(平成12年~令和3年)。平成12年~令和3年までの年毎の死亡事故、重傷事故。いずれも減少傾向にある

飲酒運転による死亡事故件数を通行目的別(飲食,通勤等)でみると,飲食が最も高い割合となっており,これは,食事に付随して飲酒してしまうケースが考えられる。一方で,通勤中であったケースが令和3年で12件,業務中が12件と,飲酒を誘引するようなことが考えられないようなケースでも飲酒運転による死亡事故が発生している(特集-第23図)。

特集-第23図 通行目的別飲酒運転による死亡事故件数の推移(平成24年~令和3年)。平成24年~令和3年までの年毎の飲食、訪問、買物、通勤、ドライブ、観光・娯楽、送迎、業務、その他、調査不能。飲食の割合が高い。いずれも減少傾向にある

飲酒運転による重傷事故件数を通行目的別でみた場合においても,飲食が高い割合になっているが,その割合は死亡事故件数の場合より小さい。また,買物が通行目的であったケースも多く,平成24年以降大きく減少していないのも特徴である(特集-第24図)。

特集-第24図 通行目的別飲酒運転による重傷事故件数の推移(平成24年~令和3年)。平成24年~令和3年までの年毎の飲食、訪問、買物、通勤、ドライブ、観光・娯楽、送迎、業務、その他、調査不能。飲食の割合が高い。いずれも減少傾向にある

安全運転管理者等の選任状況別飲酒運転による死亡事故件数(当該当時者の通行目的が,業務又は通勤のもの)の推移をみると,そもそも選任対象外であるケースが一番多くなっているものの,安全運転管理者選任事業所や運行管理者選任事業所の運転手による死亡事故は毎年発生している。また,そもそも安全運転管理者等を選任しなければならない事業所であるのにも関わらず,選任していない事業所の運転手による死亡事故も平成24年以降確認されている(特集-第25図)。

特集-第25図 安全運転管理者等の選任状況別飲酒運転による死亡事故・重傷事故件数の推移(平成24年~令和3年)。死亡事故件数と重傷事故件数の2つのグラフ。平成24年~令和3年までの年毎の安全運転管理者、運行管理者、未選任事業所、選任対象外、調査不能。選任対象外の割合が高い。おおむね減少傾向にある

安全運転管理者等の選任状況別飲酒運転による重傷事故件数についても,ほぼ同様の傾向がみられ,事業で使用する運転手の飲酒運転による事故は,全体でみた場合には少ないのに変わりはないものの,その絶無には至っていないのが現状である(特集-第25図)。

飲酒状況別(酒酔い等)死亡事故件数の推移をみると,呼気1リットル当たりのアルコール濃度について,道路交通法施行令(昭35政270)の基準値0.15ミリグラム以上で,かつ,0.25ミリグラム未満の割合は小さく,一方で,0.25ミリグラム以上の割合が最も多い。

また,死亡事故件数が減少傾向にある中,基準値0.15ミリグラム以上で,かつ,0.25ミリグラム未満や基準値0.15ミリグラム未満の減少割合よりも,0.25ミリグラム以上の減少割合の方が緩やかである(特集-第26図)。

特集-第26図 飲酒状況別死亡事故件数の推移(平成24年~令和3年)。死亡事故件数と重傷事故件数の2つのグラフ。平成24年~令和3年までの年毎の酒酔い、0.25以上、0.15以上0.25未満、0.15未満、検知不能、調査不能。0.25以上の割合が高い。いずれも減少傾向にある

この傾向は飲酒状況別重傷事故件数においても同様の傾向が出ている(特集-第27図)。

特集-第27図 飲酒状況別重傷事故件数の推移(平成24年~令和3年)。死亡事故件数と重傷事故件数の2つのグラフ。平成24年~令和3年までの年毎の酒酔い、0.25以上、0.15以上0.25未満、0.15未満、検知不能、調査不能。0.25以上の割合が高い。おおむね減少傾向にある
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