特集 高齢者の交通事故防止について
第3章 終わりに
特集 高齢者の交通事故防止について
第3章 終わりに
第1章及び第2章において,高齢者が関係する交通事故の状況や特徴を分析するとともに,国と地方公共団体,関係機関・団体等が連携して取り組んでいる高齢者に係る交通事故防止対策について紹介した。
65歳以上の交通事故死者数は,過去最多であった平成7年の3,241人と比較すると,令和5年は1,466人と半分以下にまで減少しており,これは国と地方公共団体,関係機関・団体等が連携して高齢者に係る交通事故防止対策に取り組んできた成果によるものと考えられる。
しかしながら,交通事故死者数に占める65歳以上の者の割合は,依然として5割を超える高い水準で推移していることや,今後,高齢化が一層進展することを踏まえれば,高齢者の交通事故防止は喫緊の課題であることに違いはない。
現行の第11次交通安全基本計画においても,高齢者の安全確保は,交通事故の被害を減らすために重点的に対策を講じる対象と位置付けており,この課題を解決するためには,これまでに交通対策本部等で策定した高齢者の交通事故防止対策をより深化させるとともに,第11次交通安全基本計画に盛り込まれた高齢者の交通事故防止に係る各種施策や,交通事故の発生状況等を踏まえた取組を引き続き強力に推進する必要がある。
第11次交通安全基本計画において目標に掲げている令和7年までに交通事故死者数を2,000人以下とし,「世界一安全な道路交通」を実現するため,引き続き,国と地方公共団体,関係機関・団体等が連携して,高齢者の交通事故防止に向けた取組を推進していく。