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知床遊覧船事故を受けた対策について
遊覧船事故の発生
令和4年4月23日、北海道知床において、小型旅客船が沈没し、乗員・乗客全員が死者・行方不明者となる、近年類をみない重大事故が発生した。
同日午後1時13分頃、北海道知床半島沖合で、遊覧船「KAZUⅠ」(ウトロ港~知床岬の往復予定)について、「船首部分より浸水し、沈みかかっている」旨、海上保安庁第一管区海上保安本部に連絡があり、4月29日午前11時7分頃、カシュニの滝約1km沖合の海底で「KAZUⅠ」を確認、その後、船体が引き上げられた。


「旅客船の総合的な安全・安心対策」の実施
国土交通省では、二度とこのような事故を起こさないよう、小型船舶を使用する旅客輸送における安全対策を総合的に検討するため、「知床遊覧船事故対策検討委員会」を令和4年4月28日に設置した。
知床遊覧船事故対策検討委員会では、国による規制や監督のあり方等も含め、ハード・ソフトの両面から議論が重ねられ、12月には、事業者の安全管理体制の強化、船員の資質向上、船舶の安全基準や監査・処分の強化等を含む「旅客船の総合的な安全・安心対策」が取りまとめられた。本対策として、抜き打ち監査の実施や通報窓口の設置等の対策を行うとともに、改正海上運送法に基づき、令和6年4月に船員の資質向上に係る制度の導入や、7年4月に改良型救命いかだ等の旅客船への搭載を義務化するなど、各施策を着実に進めている。
さらに、令和5年10月には、「知床遊覧船事故対策検討委員会」を改称し「知床遊覧船事故対策フォローアップ委員会」として開催し、6年10月には2回目の委員会を開催した。同委員会では、「旅客船の総合的な安全・安心対策」の実施状況についてフォローアップを実施したところであり、引き続き、旅客船の総合的な安全・安心対策の確実な実施に万全を期していく。

▶ 過去の検討委員会の開催状況、会議資料等、及び、海上運送法等の改正に関する説明については、海事局ホームページに掲載しております。詳細はこちらをご覧ください。

