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来島海峡衝突事故を踏まえた安全対策について

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◯ 愛媛県今治市沖に位置する来島海峡は、沖合に浮かぶ大島との間を隔て四つの狭い水路からなり、ところにより複雑な流向、流速が発生する海域である。

来島海峡の位置関係

◯ 来島海峡航路は、潮流の流向によって通航方式が右側通航から左側通航に変わる世界で唯一の『順中逆西』航法が採用されており、航路の出入口付近において船舶同士の進路の交差が生じ、航路も大きく湾曲していることに加えて潮流も早いことから、全国でも有数の船の難所とされており、古くから海難が度々発生している。

海上保安庁では、同海域での安全対策を強化するため、海上交通安全法の規定により来島海峡航路における安全対策を実施していた。

来島海峡航路における航法(順中逆西)

◯ そのような中、来島海峡航路西側海域において、令和3年及び5年に死者・行方不明者を伴う船舶同士の衝突が相次いで発生したことを受け、海上保安庁では、更なる安全対策を講じることにより同種事故の再発防止の徹底を図っていくことを目的に、学識経験者、海事関係者、漁業関係者、関係官公庁が参加する航行安全対策委員会を開催した。

◯ 同委員会での結論を踏まえ、安芸灘南第四号灯浮標を廃止するとともに、来島海峡航路西口の入出航に係る経路の指定について令和6年7月1日から運用を開始した。

さらに、来島海峡海上交通センターの情報提供可能海域の拡大、位置通報ラインの移設についても取り組んでいくことで、同海域における安全対策を推進していく。

経路の概要
詳細及び周知用リーフレット(日本語、英語、中国語、韓国語)はこちら
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