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羽田空港航空機衝突事故について

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事故概要

令和6年1月2日、日本航空JAL516便(新千歳発羽田行き)が海上保安庁所属JA722A(被災地への支援物資輸送準備中)と羽田空港のC滑走路で衝突し、日本航空機側乗員・乗客379名のうち17名が負傷等、海上保安庁機側乗員6名のうち5名が亡くなるという痛ましい事故が発生した。

事故現場位置図

中間取りまとめで提言された対策の進捗状況

令和6年1月2日に羽田空港で発生した航空機衝突事故を踏まえ、滑走路上における航空機等の衝突防止のための、更なる安全・安心対策をハード・ソフト両面から検討するため、有識者及び関係団体から構成される「羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会」を設置した。6年1月19日の第1回以降、合計7回にわたり、滑走路上における航空機等の衝突防止に関わる諸対策について、幅広く精力的に議論を重ね、6年6月24日に中間取りまとめが公表された。また、6年12月26日に、第8回羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会を開催し、中間取りまとめで提言された滑走路誤進入に係る注意喚起システムの強化、管制業務の実施体制の強化等の対策について、進捗状況の報告を行った。引き続き、空の安全・安心確保に向けて、中間取りまとめで提言された対策について、関係者一丸となって、着実に取り組んでいく。

羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会中間取りまとめで提言された対策の進捗状況一覧(令和6年12月時点)
対策事項 進捗状況
1.管制交信に係るヒューマンエラーの防止
(1)管制交信に係るヒューマンエラー防止のため、自家用含む全てのパイロットに対して、パイロット間のコミュニケーション等(CRM:Crew Resource Management)に係る初期・定期訓練を義務化 制度的措置について検討中
(2)パイロットに対して外部監視、管制指示の復唱等の基本動作を改めて徹底 令和6年7月24日 基本動作の徹底について周知済み
(3)離陸順序に関する情報提供(No.1、No.2等)について、情報提供を行う際の留意事項を管制官とパイロットに周知徹底の上、停止を解除 令和6年8月8日 情報提供再開済み
(4)管制交信に関する管制官とパイロット等の意見交換、教材を用いた研修・訓練等を実施 令和6年度~ 羽田(12/20)、福岡(2/5)から開催し、その他空港等は順次開催予定
2.滑走路誤進入に係る注意喚起システムの強化
(1)管制官に対する注意喚起システム(滑走路占有監視支援機能)のアラート機能を強化 【第1ステップ】令和6年10月31日 注意喚起音追加(常時レーダー監視員の配置解除)
【第1ステップ】注意喚起表示に注意喚起音を追加
【第2ステップ】切迫した事態に発動する警報表示・警報音を追加 【第2ステップ】令和6年度中
システム改修関連作業着手済み
(警報表示・警報音追加)
(令和6年度補正予算)
空港ごとに詳細調整等を行った上で運用開始予定
(令和7年度中)

(2)管制指示と独立して機能する滑走路状態表示灯(RWSL:RunWay Status Lights)を主要空港の対象滑走路に導入
※ 主要空港:新千歳、成田、羽田、中部、伊丹、関西、福岡、那覇空港
令和6年10月1日 工事着手(羽田C滑走路の一部)
令和6年度~
その他の空港・滑走路についても順次着手予定
(令和6年度補正予算・令和7年度予算)
令和9年度末~
供用開始予定(羽田C 滑走路の一部)
その他の空港・滑走路についても順次供用開始予定
(3)滑走路進入車両に対して位置情報等送信機の搭載を義務化
令和6年度~
航空局で送信機調達に着手し、主要空港の関係車両へ順次搭載予定
(令和6年度補正予算)
令和7年度末
義務化予定(制度的措置について検討中)
3.管制業務の実施体制の強化
(1)管制官の人的体制の強化・拡充 令和6年8月1日 監視体制強化として14名を配置済み(羽田(6名)、成田(2名)、関西(2名)、福岡(2名)、那覇(2名))
令和6年12月1日 航空保安大学校における採用枠を拡大(28名→40名)
令和7年度 「離着陸調整担当」を新設予定(令和7年度定員)
(2)管制官の疲労を業務の困難性や複雑性に応じて把握・管理する運用を導入 令和6~8年度 調査・システム構築予定(令和7年度予算)
令和8年度中 運用開始予定
(3)管制官の職場環境を改善、ストレスケア体制を拡充 各空港等で順次実施予定
4.滑走路の安全に係る推進体制の強化
(1)国において総合的な滑走路安全行動計画(Runway Safety Action Plan)を策定 制度的措置について検討中
(2)主要空港において滑走路安全チーム(Runway Safety Team)を設置 令和6年9月 主要空港においてRST を設置済み
制度的措置について検討中
(3)グラハン事業者を含め滑走路の安全に係る監督体制を強化 制度的措置について検討中
(4)国際的な連携の強化(ICAO等) 国際会議(ICAO等)の場で、羽田事故に関する情報提供や滑走路上の安全確保に係る知見共有を実施中
諸外国の滑走路上の安全確保に係る対応について情報収集を実施中
5.技術革新の推進
管制側・機体側におけるデジタル技術等の更なる活用に向けた調査・研究 調査・研究の推進に向けて、産学官で連携し検討中
 :対応済み事項
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