OISTの取組
OISTは、その設立目的に則り、世界最高水準の教育研究を行うことにより、沖縄の振興や自立的発展に貢献すべく大学発スタートアップ創出の支援を始めとした取組を推進しています。
主な成果
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(写真:Frank Vinken fur die Max-Planck-Gesellschaft)
〇 スバンテ・ペーボ教授がノーベル生理学・医学賞(2022年)受賞
発掘された古代の人骨からDNAを抽出・解析する方法を確立(古ゲノム学)、ネアンデルタール人と現代人(ホモ・サピエンス)のDNAを比較した結果、両者で種の交わりがあることや、現代人がネアンデルタール人の遺伝情報を受け継いでいることを発見しました(受賞理由「絶滅したヒト科のゲノムと人類の進化に関する発見」)。
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〇 ネイチャー・インデックス2019で国内トップ・世界第9位にランクイン
重要な科学論文の割合を示す国際ランキングにおいて、OISTは日本国内の大学においてトップ、世界の大学においても第9位の評価を獲得しました。
沖縄の特性や資源をいかした研究
OISTでは、沖縄の特性や資源を活かした研究を数多く実施しています。最近のトピックス
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〇 OISTサンゴプロジェクト
OISTが確立した環境DNA技術によるサンゴ礁のモニタリングと、
最新のゲノム解析技術を駆使した調査研究を通じて、サンゴ礁の保全に取り組みます。
今後、養殖サンゴ礁の育成やモニタリング調査が行われる予定です。
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〇 世界初のイカの養殖システム
ジョナサン・ミラー教授率いる物理生物学ユニットの研究チームが、
商業化の可能性を秘めたツツイカの養殖システムを初めて開発しました。
ツツイカは、攻撃的な行動を取り、流れに敏感であるほか、餌の好みや
ライフサイクルが複雑であることなどが原因で、これまでに
適切な手法で養殖に成功した例がありませんでした。
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〇 新種米「ちゅらおとめ」
OISTが地元・恩納村と共同開発した、沖縄の亜熱帯気候でも高い収穫量が
得られる難消化性の新種米です。
血糖値の上昇抑制効果や生活習慣病を予防する効果等が期待されています。
県内で商標名の一般公募を実施し、広く愛される県産品に
ふさわしい名前として「ちゅらおとめ」が採用されました。
今後、 OIST産、沖縄県産の食材としての活用に期待が寄せられています。
スタートアップ支援
世界最高水準の教育研究を展開しながら、OISTは、その成果が沖縄に還元されるよう技術開発、産学連携、イノベーター支援やスタートアップ創出の取組を推進しており、その一環として、教員や研究設備、ネットワーク等を基盤とした支援によるOIST発スタートアップの創出・育成に取り組んでいます。
平成31(2019)年4月、OISTのインキュベータ施設が供用を開始し、OISTによるスタートアップ創出支援が本格化しました。ベンチャーキャピタルとの連携やスタートアップ支援プログラムも充実させ、大学発のスタートアップ創出数が累計45社(令和5年8月時点)に達するなど、短期間で着実な成果を生み出しています。
スタートアップ支援をはじめとするOISTの産学連携プログラムについてはOISTホームページをご覧ください。
OIST発スタートアップの例
・ EFポリマー株式会社OISTの支援により沖縄に設立され、オフィスをインキュベータ施設に構えています。
干ばつによる水不足に見舞われる地域の農家への渇水対策・土壌改良のために、果物の皮や搾りかすをアップ サイクルして作られた超吸収性ポリマーを開発しました。
環境省「環境スタートアップ大臣賞」(令和3年度)を受賞。また、内閣府「沖縄型スタートアップ拠点化推進事業 (研究開発型スタートアップ支援事業)」(令和5年度)として採択されました。