沖縄科学技術大学院大学(OIST)

 OISTは、沖縄において世界最高水準の教育研究を行うことを目的とし、平成24年に開学した法定の大学院大学です。沖縄を拠点とする国際的に卓越した科学技術に関する教育研究の推進を図り、もって
  1) 沖縄の振興と自立的発展
  2) 世界の科学技術の発展
 へ寄与することを目的としています。

大学院大学の位置を示す沖縄本島の図とキャンパス外観

特色

  • 5年一貫制の博士課程のみからなる大学院大学。平成24年9月開学
  • 基礎科学※を基盤とした、先端的・学際的研究を推進 ※物理学、数学・計算科学、化学、神経科学、分子・細胞・発生生物学、海洋科学、環境・生態学、工学・応用科学の8分野。
  • 分野の壁がない組織体制(単一の研究科、PI制、ラボローテーション制等)
  • 英語が公用語の国際的環境、教授陣・研究員・博士課程学生らの半数以上が外国人
  • ハイトラストファンディング制度によって研究の時間と予算を確保し、挑戦的研究を可能に
  • 最先端の研究施設及び機器、コアファシリティを利用可能   等
  • ダニエル・ザイフマン
    臨時学長兼理事長

取組・成果

 OISTは、その設立目的に則り、世界最高水準の教育研究を行うことにより、沖縄の振興と自立的発展、世界の科学技術の発展に貢献すべく、大学発スタートアップ創出の支援など様々な取組を推進しています。

<教育研究>

(1) 取組

〇 ハイトラストファンディング
 世界トップレベルの研究機関の一部で採用されている制度で、優秀な研究者をトラスト(信頼)して資源を提供し、集中して研究に挑戦させる資金提供モデルです。
 OISTで採用された全ての教授陣は、「ハイトラストファンディング」と「時間」が与えられるため、インパクトのあるターゲット(ハイインパクト)を見据えたチャレンジングな目標を設定し、短期間の評価を気にせず野心的で長期的な研究に専念できます。

〇 コアファシリティ(共用先端研究基盤施設)
 最先端の研究機器および高度な専門知識と技術を持つ専任スタッフを備えた研究支援組織です。大学院生を含む全ての研究者は、専門セクション(イメージング、機器分析、エンジニアリング、シーケンシング、実験動物、科学計算、海洋と陸の環境科学)の機器や技術支援を自在に活用して研究を強力に推進することができます。

(2) 成果

〇 Nature Index正規化ランキング2019
 重要な科学論文の割合を示す国際ランキングにおいて、OISTは日本国内の大学においてトップ、世界の大学においても第9位の評価を獲得しました。

詳細はOISTホームページをご覧ください。

Nature Index正規化ランキング2019の表

〇 データに基づく学術面でのインパクト
 ・Top1%論文比率(2020-2024)では、OISTが日本国内の大学においてトップに位置しています。

Top1%論文比率(2021-2025)のグラフ
(※)研究業績分析ツール「InCites」を用いて作成。(令和7年11月時点)

・Top10%論文比率では、小規模な研究機関であるにもかかわらず、国内トップ大学と比較して突出した成果を挙げています。

Top10%論文比率の散布図
(※)CWTS Liden Rankingのデータに基づきOISTにおいて作成。
縦軸に「Top10%論文比率」、横軸は「総論文数」をとり、2025年の実績を国内大学と比較。

〇 スバンテ・ペーボ教授がノーベル生理学・医学賞(令和4(2022)年)受賞
 発掘された古代の人骨からDNAを抽出・解析する方法を確立(古ゲノム学)、ネアンデルタール人と現代人(ホモ・サピエンス)のDNAを比較した結果、両者で種の交わりがあることや、現代人がネアンデルタール人の遺伝情報を受け継いでいることを発見しました(受賞理由「絶滅したヒト科のゲノムと人類の進化に関する発見」)。

詳細はOISTホームページをご覧ください。

スバンテ・ペーボ教授
出典:沖縄科学技術大学院大学

〇 世界的な研究事例
・従来困難であった「暗い励起子」の変化過程の直接観測に世界で初めて成功

 フェムト秒分光方ユニットの研究チームは、原子レベルに薄い材料において、これまで捉えることが難しかった「暗い励起子(れいきし)※」の変化の過程を世界で初めて直接観測しました。科学誌『Nature Communications』に掲載(令和7年7月)されたこの成果は、古典情報技術と量子情報技術の両分野における新たなブレークスルーにつながる重要な一歩となります。
※半導体内で形成される准粒子である「励起子」の中でも、光を放出できない性質を持つものを指しています。光との相互作用が本質的に少ないため、量子特性の劣化が起こりにくく、情報伝達媒体として大きな可能性を秘めています。

詳細はOISTホームページをご覧ください。

研究施設
出典:沖縄科学技術大学院大学

・細胞膜損傷が細胞老化の原因となることを新たに発見
 従来、細胞老化の誘因として細胞分裂、がん遺伝子の活性化等が知られていましたが、OIST膜生物学ユニットの研究チームは、東京大学、名古屋大学、名古屋市立大学の研究者らとの共同研究のもと、細胞膜損傷が細胞老化を促進することを明らかにしました。科学誌『Nature Aging』に掲載(令和6年2月)されたこの発見によって得られた知見は、健康長寿を達成するための新たな戦略の開発に寄与する可能性があります。
 また、同ユニットの研究チームは細胞膜修復に関する研究も行っており、細胞膜修復の仕組みを新たに詳細に明らかにしたという研究成果を公表しました。(令和8年3月)

詳細はOISTホームページをご覧ください。

細胞膜損傷の画像
出典:沖縄科学技術大学院大学

〇 沖縄の特性や資源を活かした研究事例
・世界初のイカの養殖システム

 物理生物学ユニットの研究チームが、これまで有意な成果が得られていなかったツツイカの養殖技術の研究・開発を進め、世界で初めて累代飼育10世代を達成し、商業化可能なほど効率的な方法を開発・実現しました。

詳細はOISTホームページをご覧ください。

ツツイカの画像
出典:中島隆太博士

・台風直下における複数地点での大気・海洋同時観測
 海洋生態物理学ユニット及びNTTの研究チームが、上陸前のカテゴリ5の猛烈な台風直下における複数地点での大気・海洋同時観測に世界で初めて成功。今後は気象研究所とも連携しながら更に観測データを収集・活用し、線状降水帯や台風等の極端気象の発生・発達過程の解明及びそれらのデータの活用による極端気象の予測精度向上につなげ、防災情報が高度化した社会の実現を目指します。

詳細はOISTホームページをご覧ください。

NTT研究チームとOISTの連携を現した図
出典:沖縄科学技術大学院大学

<イノベーション>

(1) 取組

 世界最高水準の教育研究を展開しながら、OISTは、その成果が沖縄の発展にも貢献するよう技術開発、産学連携、イノベーター支援やスタートアップ創出の取組を推進しており、 その一環として、教員や研究設備、ネットワーク等を基盤とした支援によるOIST発スタートアップの創出・育成に取り組んでいます。
 平成31年4月、OISTのインキュベータ施設が供用を開始し、OISTによるスタートアップ創出支援が本格化しました。ベンチャーキャピタルとの連携やスタートアップ支援プログラムも充実させるなど、短期間で着実な成果を生み出しています。

(施策の例)
〇 POC(概念実証:Proof of Concept)プログラム
 学術研究・発明と社会実装との間にあるギャップを埋めるためのプログラムです。OISTの研究成果の検証とリスク低減により事業化を加速し、ライセンス取得、産学連携、スタートアップ創出へとつなげています。

〇 スタートアップ・アクセラレーター・プログラム
 世界中から、社会にインパクトを与える可能性のある革新的なテクノロジーを備えた起業家が沖縄に集まることを目的としたプログラムです。沖縄県からの助成やその他外部資金により運営されています。
 本プログラムに採択されたチームは、沖縄で、資金、メンタリング、パートナーシップに関するでの支援を受けることができます。

(2) 成果

令和7年9月時点:
  OIST発スタートアップ数  35社
  ライセンス契約の累計件数  30件

スタートアップ数とライセンスの契約件数のグラフ

(OISTが支援するスタートアップの例)

・Qubitcore株式会社(POCプログラム)
 OISTの量子情報物理実験ユニットで培われてきた研究成果を継承(ライセンス契約)し、社会実装を担う中核企業としてイオントラップ型量子コンピュータの商用化を目指しています。同ユニットでPIを務める高橋優樹准教授が共同創設者兼CSOとして在籍しています。
 今後、信頼性が高く大規模な計算が可能な「誤り耐性型汎用量子コンピュータ」の実現に不可欠な分散型アーキテクチャの開発と商用化が推進されることで、量子時代における経済、産業、安全保障の飛躍的発展が期待されています。

Qubitcore株式会社のホームページはこちら


  • Qubitcore株式会社のロゴマーク

・EFポリマー株式会社(スタートアップ・アクセラレーター・プログラム)
 令和元年度にスタートアップ・アクセラレーター・プログラムに採択されました。オフィスをインキュベータ施設に構えています。
 干ばつによる水不足に見舞われる地域の農家への渇水対策・土壌改良のために、果物の皮や搾りかすをアップサイクルして作られた超吸収性ポリマーを開発・販売しています。
 環境省「環境スタートアップ大臣賞」(令和3年度)を受賞。また、内閣府「沖縄型スタートアップ拠点化推進事業(研究開発型スタートアップ支援事業)」(令和5年度)、「J-Startup OKINAWA」(令和6年度)、Japan NEXT IMPACT STARTUPS 30」(令和7年度)に採択・選出されました。
 現在は、化粧品や日用品の分野において、増粘剤としてEFポリマーを活用することで、肌に優しい商品の開発にも取り組んでいます。

EFポリマー株式会社のホームページはこちら


  • EFポリマー株式会社のロゴマーク
  • EFポリマーを使用した作物

<アウトリーチ、地域活動等>

(1) 取組

 OISTでは、科学への関心を高めるため、こどもから大人まで対象年齢や教育水準に応じた教育・アウトリーチ活動を実施しています。沖縄県や恩納村と連携してOIST内外での科学イベントを開催するなど、沖縄県内の全ての生徒が義務教育中に一度はOISTを訪れることとなるよう、OISTの認知度向上や次世代の科学技術人材育成に取り組んでいます。

〇 OIST見学プログラム
 自由見学エリアの年中一般開放、一般向けガイド付きキャンパスツアー、小中高生向けのOIST見学プログラムを実施。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校や理系コースを有する学校向けの科学教育プログラム(SEEDプログラム)も設けています。

詳細はOISTのホームページをご確認ください。

一般見学の様子
出典:沖縄科学技術大学院大学

〇 OISTサイエンスフェスタ
 OISTキャンパスにおいて、一般の人々に科学の世界を探求してもらうイベント。OISTの教職員や学生による、体験型科学プログラムや実験デモ、講演や研究施設ツアー等のイベントを実施しています。

詳細はOISTのホームページをご確認ください。

サイエンスフェスタの参加者の様子
出典:沖縄科学技術大学院大学

〇 OISTサイエンススタジオ
 OISTの初のオフキャンパス型サイエンスアウトリーチ施設として、 令和7年10月に読谷村総合情報センター「ゆんラボ・未来館」内に開設されました。

詳細はOISTのホームページをご確認ください。

OISTサイエンススタジオの様子
出典:沖縄科学技術大学院大学

〇 世界最大級のバイオテクノロジー学生研究コンテスト「iGEM」への参加
 OIST、琉球大学、沖縄高専の学生らが合同チームを結成し、令和7年10月にフランスで開催された世界最大級のバイオテクノロジー学生研究コンテスト「iGEM」に沖縄から初参加しました。

詳細はOISTのホームページをご確認ください。

コンテストに参加した学生たち
出典:沖縄科学技術大学院大学

(2) 成果

〇 OIST見学プログラム
 令和7年度実績: 一般見学 47,566名
            学校訪問  5,192名(102校)

〇 OISTサイエンスフェスタ
 令和6年度実績: 1,650名参加

〇 OISTサイエンススタジオ
 令和7年度実績: 92,327名来場
 ※開設(令和7年10月)から半年間での実績。

〇 世界最大級のバイオテクノロジー学生研究コンテスト「iGEM」において金賞受賞
 沖縄のマンゴー農家の脅威となっている害虫「アザミウマ」に対して獲得DNA検出技術を活用した害虫検出システムを開発し、金メダルを獲得しました。

沿革

平成21(2009)年
7月
平成24年秋の開学に向けた準備を進めるために必要な「沖縄科学技術大学院大学学園法案」が衆議院での修正を経て、全会一致で成立。
同月、公布・一部施行(設立準備関係)。
平成22(2010)年
7月
初代学長予定者を、国際的に著名な物理学者で、スタンフォード大学線形加速器センター名誉所長であるジョナサン・ドーファン博士に決定。
平成22(2011)年
3月
文部科学大臣への大学設置等認可申請。
平成22(2011)年
10月
文部科学大臣により大学設置に係る認可。
平成23(2011)年
11月
沖縄科学技術大学院大学学園法(e-Gov) 別ウィンドウで開きますが施行され、学校法人沖縄科学技術大学院大学学園を設立(学園の設立に伴い、設立準備のための独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構は解散)。
平成24(2012)年
9月
沖縄科学技術大学院大学を開学。
平成27(2015)年
6月
第3研究棟の供用開始。
平成29(2017)年
1月
沖縄科学技術大学院大学第二代学長に、ピーター・グルース氏(前マックス・プランク学術振興協会会長)が就任。
平成30(2018)年
2月
沖縄科学技術大学院大学第1回学位記授与式(卒業式)を開催。
平成31(2019)年
4月
インキュベーター施設の供用開始。
令和2(2020)年
4月
第4研究棟の供用開始。
令和4(2022)年
5月
創立10周年式典を開催。
令和4(2022)年
10月
スバンテ・ペーボ教授がノーベル生理学・医学賞受賞。(「絶滅したヒト科ゲノムと人類の進化に関する発見」)
令和5(2023)年
4月
第5研究棟の供用開始。
令和5(2023)年
6月
沖縄科学技術大学院大学第三代学長に、カリン・マルキデス氏(元チャルマース工科大学学長)が就任。
令和7(2025)年
6月
第2・第3インキュベーター施設の供用開始。
令和7(2025)年
9月
Land neXus及びSea neXusの供用開始。

沖縄科学技術大学院大学学園の今後の在り方に関する検討会

 令和6年12月20日に「沖縄科学技術大学院大学学園の今後の在り方に関する検討会」を設置し、沖縄科学技術大学院大学学園法(以下「学園法」という)附則第14条を踏まえた国の財政支援の在り方その他学園法の施行状況について有識者から意見を聴取し、学園法に規定する政策目的達成に向けた検討を行っています。

〇 開催実績等

回数 日時 議題 会議資料 議事要旨
第9回 令和8年
6月26日
1.ヒアリング
2.OISTの今後の展望等について
3.これまでの議論の振り返り等
  • <以下 議事非公開につき資料非公開>
  • 資料3ー1  検討会におけるこれまでの議論の振り返り
  • 資料3-2  OISTの今後の展開
第8回 令和8年
4月24日
1.ヒアリング
2.その他
議事要旨(PDF形式:226KB)PDFを別ウィンドウで開きます
第7回 令和8年
3月13日
1.ヒアリング
2.今後の検討会の進め方について
議事要旨(PDF形式:410KB)PDFを別ウィンドウで開きます
第6回 令和8年
3月5日
1.ヒアリング
第5回 令和7年
12月19日
1.沖縄の振興及び自立的発展への貢献、産学連携について
2.検討会によるヒアリングの目的・視点等について
議事要旨(PDF形式:184KB)PDFを別ウィンドウで開きます
第4回 令和7年
10月2日
1.財務について
議事要旨(PDF形式:189KB)PDFを別ウィンドウで開きます
第3回 令和7年
7月30日
1.施設・研究設備の視察
2.教育研究について
3.施設運用について
4.ヒアリング
議事要旨(PDF形式:228KB)PDFを別ウィンドウで開きます
議事要旨(ヒアリング部分)(PDF形式:160KB)PDFを別ウィンドウで開きます
第2回 令和7年
6月5日
1.OISTの現状と将来構想について
2.組織運営、広報について
議事要旨(PDF形式:239KB)PDFを別ウィンドウで開きます
第1回 令和7年
3月27日
1. 検討会について
2.OISTの概要について
3.今後の検討事項・論点について
議事要旨(PDF形式:152KB)PDFを別ウィンドウで開きます

〇 過去の検討会

国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)ホームページに移動します
沖縄科学技術大学院大学学園の今後の諸課題に関する検討会 別ウィンドウで開きます

その他関係資料等

〇 関係法令

〇 予算

〇 事業計画

  ※過去の事業計画等については、OISTホームページよりご覧いただけます。

〇 研究不正行為への対応等

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