はじめに

「栄典制度の在り方に関する懇談会」(以下「懇談会」という。)は、政府における栄典制度の在り方の検討に資するため、平成12年10月、内閣総理大臣によって開催されることとなった。

栄典制度の在り方は国民的に大変重要な課題であり、21世紀を迎え栄典制度を社会経済の変化に対応したものとするよう政府として検討するに当たり、広く国民各界各層の意見をよく聴取し十分に議論を尽くす必要性があることから、この度有識者からなる懇談会が開催されることとなったところである。
我が国の栄典は、日本国憲法に定められた国事行為として天皇陛下から授与されるものであり、明治以来120年余の歴史と伝統を有し、既に広く国民の間に定着している。受章者からは自らの功績が評価されたことで大変喜ばれ、また、高い志を持って国家・社会・公共のために活躍している人々の大きな励みとなっており、さらに、日本に対して功績のある外国人への叙勲や国賓の来日等に際して行われる儀礼叙勲など国際的な友好親善の役割も担っている。
一方で、12世紀を迎え、我が国を取り巻く時代の変化は激しく、今後とも栄典制度が国家・社会・公共のために活躍する人々の励みとなり、社会の活力を創出するものであり続けるためには、栄典制度を社会経済の変化に対応したものとしていくことが求められている。
懇談会は、平成12年10月の第1回会合以来各界関係者からのヒアリングを含め5回の会合を開き議論を重ねてきたが、この度、これまでの議論を基に「論点の整理」を行うとともに、これを公表して広く意見を求めることとした。その上で寄せられた意見を参考に更に議論を深め、この秋には懇談会としての意見を取りまとめ内閣総理大臣に提出することを予定している。
本「論点の整理」は論点毎に現状と当懇談会における議論を整理したものである。懇談会としては、本「論点の整理」に対し、建設的な御意見が各方面から多数いただけることを期待している。

なお、栄典制度の在り方については与党においても見直しの検討が進められており、平成12年4月には自民党内閣部会のプロジェクトチームにおいて「栄典制度の改革について」(資料5を参照)のとりまとめが行われ、これを受けてさらに与党三党による栄典制度に関するプロジェクトチームにおいて協議が行われている。与党プロジェクトチームにおいては、同年12月に「申し合わせ」(資料6を参照)が行われ、政府に対して今後の議論に反映されるよう要請が行われたところである。これらの与党における議論についても当懇談会の場において紹介され、当懇談会における議論の参考とされたところである。

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