障害者基本計画の推進状況 ~平成16年度~ 教育・育成

[目次]  [前へ]  [次へ]
分野別施策 関係省庁 推進状況

4 教育・育成

   

(1) 一貫した相談支援体制の整備

82 障害のある子どもの発達段階に応じて、関係機関が適切な役割分担の下に、一人一人のニーズに対応して適切な支援を行う計画(個別の支援計画)を策定して効果的な支援を行う。 文部科学省
  • 平成15年度特別支援教育教育課程等研究協議会において、「個別の教育支援計画」の策定方法等を検討するための研究協議を実施。(平成15年度まで)
  • 全国の盲・聾・養護学校において個別の教育支援計画の作成に資するよう「盲・聾・養護学校における個別の教育支援計画に関する調査研究事業」を実施し、平成17年3月には『盲・聾・養護学校における「個別の教育支援計画」について(報告書)』を取りまとめ、全ての都道府県教育委員会・盲・聾・養護学校等に配布。(平成16年度)
  • 平成16年度から「特別支援教育推進体制モデル事業」を通じて「個別の教育支援計画の策定」を促進。
83 乳幼児期における家庭の役割の重要性を踏まえた早期対応、学校卒業後の自立や社会参加に向けた適切な支援の必要性にかんがみ、これまで進められてきた教育・療育施策を活用しつつ、障害のある子どもやそれを支える保護者に対する乳幼児期から学校卒業後まで一貫した効果的な相談支援体制の構築を図る。 文部科学省
  • 教育、福祉、医療、労働等の関係機関が連携し、障害のある子どもやその保護者に対する一貫した効果的な相談支援体制の整備を図るため、「障害のある子どものための教育相談体系化推進事業」を実施。(平成13年度~平成15年度)
  • 地域において一貫した効果的な相談支援体制を構築するために「地域における相談支援体制の整備のためのガイドライン」を策定中。
厚生労働省
  • 在宅の障害児、知的障害者及びその保護者に対して身近なところでの相談・指導及び在宅サービスの利用の援助等の提供を統括的に実施する障害児(者)地域療育等支援事業を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    箇所数 536か所 578か所
  • 自閉症等の特有な発達障害を有する障害児等に対応するための自閉症・発達障害支援センターを設置。
      (平成15年度) (平成16年度)
    箇所数 19か所 20か所
  • 平成17年3月から「子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に関する検討会」を開催し、子どもの心の診療に携わることのできる小児科や精神科などの専門の医師の養成方法等についての検討を実施。
84 思春期の児童生徒についても、必要な支援を行う。 文部科学省
  • 平成15年度特別支援教育教育課程等研究協議会において、「個別の教育支援計画」の策定方法等を検討するための研究協議を実施。(平成15年度まで)
  • 全国の盲・聾・養護学校において個別の教育支援計画の作成に資するよう「盲・聾・養護学校における個別の教育支援計画に関する調査研究事業」を実施し、平成17年3月には『盲・聾・養護学校における「個別の教育支援計画」について(報告書)』を取りまとめ、全ての都道府県教育委員会・盲・聾・養護学校等に配布。(平成16年度)
厚生労働省
  • 思春期児童の心のケアの専門家の養成のため、思春期精神保健対策研修事業を平成13年度から継続して実施。
  • 平成13年度から平成15年度まで実施した「思春期精神保健ケースマネージメントモデル事業」についての報告書・事例集を取りまとめた。
85 精神疾患について、関係機関が連携して早期発見のための相談支援体制を確立するとともに、学校等における正しい知識の普及を図る。 文部科学省
  • 教育、福祉、医療、労働等の関係機関が連携し、障害のある子どもやその保護者に対する一貫した効果的な相談支援体制の整備を図るため、「障害のある子どものための教育相談体系化推進事業」を実施。(平成13年度から平成15年度まで)
  • 地域において一貫した効果的な相談支援体制を構築するために「地域における相談支援体制の整備のためのガイドライン」を策定中。
厚生労働省
  • 関係機関が協力して解決を目指すために、平成13年度から平成15年度まで実施した「思春期精神保健ケースマネジメントモデル事業」についての報告書・事例集を取りまとめた。

(2) 専門機関の機能の充実と多様化

86 近年の障害の重度・重複化や多様化の状況を踏まえ、教育・療育機関の機能の充実を図り、地域や障害のある子どもの多様なニーズにこたえる地域の教育・療育のセンターとしての役割を担うための体制整備を図る。 文部科学省
  • 中央教育審議会において、障害のある子どもの多様な教育的ニーズにこたえるため、障害の重度・重複化や多様化の状況を踏まえ、地域の障害のある子どもの教育のセンター的な役割を果たす障害種を超えた学校制度や小・中学校における制度的見直し等について審議をすすめ、平成16年12月に中間報告を公表。さらに、答申に向け審議中。
  • 教育、福祉、医療、労働等の関係機関が連携し、障害のある子どもやその保護者に対する一貫した効果的な相談支援体制の整備を図るため、「障害のある子どものための教育相談体系化推進事業」を実施。(平成13年度から平成15年度まで)
  • 地域において一貫した効果的な相談支援体制を構築するために「地域における相談支援体制の整備のためのガイドライン」を策定中。
  • 平成16年1月、各教育委員会や学校において支援体制を整備する際に活用されることを目的として、「小・中学校におけるLD・ADHD、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」を作成し、全ての教育委員会・小・中学校等に配付。
厚生労働省
  • 在宅の障害児、知的障害者及びその保護者に対して身近なところでの相談・指導及び在宅サービスの利用の援助等の提供を統括的に実施する障害児(者)地域療育等支援事業を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    箇所数 536か所 578か所
87 盲・聾・養護学校については、その在籍する児童生徒等への教育や指導に加えて、地域の保護者等への相談支援や小・中学校等における障害のある児童生徒等への計画的な教育的支援等を行う地域の障害のある子どもの教育のセンター的な役割も果たす学校へ転換を図る。 文部科学省
  • 中央教育審議会において、盲・聾・養護学校が、地域の保護者等への相談支援や小・中学校等における障害のある児童生徒等への計画的な教育的支援等を行う地域の障害のある子どもの教育のセンター的な役割も果たす学校への転換について審議をすすめ、平成16年12月に中間報告を公表。さらに、答申に向け審議中。
  • 教育、福祉、医療、労働等の関係機関が連携し、障害のある子どもやその保護者に対する一貫した効果的な相談支援体制の整備を図るため、「障害のある子どものための教育相談体系化推進事業」を実施。(平成13年度から平成15年度まで)
  • 地域において一貫した効果的な相談支援体制を構築するために「地域における相談支援体制の整備のためのガイドライン」を策定中。
88 療育機関については、施設の入所者だけではなく地域で生活する障害のある子どもに関しても有用で専門的な技術を有しており、これらの機関を活用してショートステイ、ホームヘルプサービス等のサービスの充実を図る。 厚生労働省
  • 障害児居宅介護等事業、障害児通園(デイサービス)事業及び障害児短期入所事業の実施。

(3) 指導力の向上と研究の推進

89 学校外の専門家等の人材の活用、組織として一体的な取組を可能とする支援体制の構築、関係機関との有機的な連携協力体制の構築等により、一人一人の教員及び療育にかかわる専門職員の教育・療育、相談等に対する専門性や指導力の向上を図る。 文部科学省
  • 障害のある児童生徒に対する総合的な教育支援体制の整備を図るため、教育・医療・福祉等の関係機関の連携による支援体制の構築や学校外部の専門家を活用した巡回相談等の実施などを行う「特別支援教育推進体制モデル事業」を47都道府県で実施。
  • 「盲・聾・養護学校の専門性向上推進モデル事業」において、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師等の外部の専門家を活用した指導体制の構築等についての実践研究を10都府県に委嘱して実施。(平成15年度まで)
厚生労働省
  • 障害児通園(デイサービス)事業及び障害児保育を行う保育所等の職員に対し、在宅障害児(者)の療育に関する技術の指導を行う障害児(者)地域療育等支援事業を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    箇所数 536か所 578か所
90 児童生徒等の障害の重度・重複化、多様化等を踏まえ、そのニーズに応じた教育の効果的な実施を確保するため、現在盲・聾・養護学校の学校ごとに特定されている特殊教育に係る免許制度の改善を図る。 文部科学省
  • 中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会の下に「特殊免許の総合化に関するワーキンググループ」を設置し、特殊教育に係る免許制度の改善について検討を進め、平成17年3月にワーキンググループとして、特殊教育免許の総合化についての提言を行った。
  • 免許法認定講習や校内研修プログラムの開発、多様な人材を活用した専門性の高い指導体制の構築等についての実践研究を14都府県に委嘱。(平成15年度まで)
  • 盲・聾・養護学校における特殊教育教諭免許状保有状況調査を実施し、教員の専門性の向上に努めている。
  • 教育職員免許法上の「特殊教育の免許状」として、「盲学校特殊教科(理学療法)教諭の免許状」を創設。(平成16年度~)
91 独立行政法人国立特殊教育総合研究所、大学等において、先導的な指導方法の開発や体制等に関する研究を一層推進するとともに、その成果等を教育現場等に円滑に普及するための情報提供を推進する。 文部科学省
  • 独立行政法人国立特殊教育総合研究所において、プロジェクト研究として、以下を実施。
    • 「盲・聾・養護学校における新学習指導要領のもとでの教育活動に関する実際的研究-自立活動を中心に-」(平成12年度~平成15年度)
    • 「21世紀の特殊教育に対応した教育課程の望ましいあり方に関する基礎的研究」(平成13年度~平成15年度)
    • 「特殊教育諸学校の地域におけるセンター的機能に関する開発的研究」(平成13年度~平成15年度)
    • 「マルチメディアを用いた特殊教育に関する総合的情報システムの研究開発」(平成13年度~平成15年度)
    • 「弱視児の視覚特性を踏まえた拡大教材に関する調査研究-弱視用拡大教材作成に関する開発及び支援について-」(平成14年度~平成15年度)
    • 「養護学校等における自閉症を併せ有する幼児児童生徒の特性に応じた教育的支援に関する研究-知的障害養護学校における教育課程、指導法、環境整備を中心に-」(平成15年度~平成17年度)
    • 「小中学校に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒の指導および支援体制に関する研究」(平成15~平成17年度)
    • 「特別支援教育コーディネーターに関する実践的研究」(平成16年度~平成17年度)
    • 「小・中学校における障害のある子どもへの教育の支援体制に関する研究」(平成16年度~平成18年度)
    • 「『個別の教育支援計画』の策定に関する実際的研究」(平成16年度~平成17年度)
    • 「拡大教科書作成システムの開発とその教育効果の実践的研究」(平成16年度~平成18年度)
  • 独立行政法人国立特殊教育総合研究所における研究成果に係る情報提供については、総合的な情報提供体制の整備に努め、下記のとおり情報提供を推進。
    • 平成16年3月、独立行政法人国立特殊教育総合研究所のWebサイトにポータルサイトを設置し、インターネットを活用し障害のある子どもの教育に関する情報を積極的に配信するとともに、研修事業の講義配信等を開始。
    • 研究成果に基づくガイドブック・手引書、研究紀要、研究成果報告書等を作成し、関係諸機関への配布や、Webサイト上での公開を行うとともに、特殊教育に関する図書資料の収集・整備、データベースの整備を推進。
      (「LD・ADHD・高機能自閉症の子どもの指導ガイド」、「発達障害のある学生支援ガイドブック」を作成。(平成16年度))
    • 国立特殊教育総合研究所セミナーを2回開催し、研究成果の効果的な普及を実施したほか、都道府県等が行う研修等へ研究所員を講師として派遣。

(4) 社会的及び職業的自立の促進

92 障害のある子どもの社会的・職業的自立を促進するため、教育、福祉、医療、労働等の幅広い観点から適切な支援を行う個別の支援計画の策定など障害のある子ども一人一人のニーズに応じた支援体制を構築する。 文部科学省
  • 平成15年度特別支援教育教育課程等研究協議会において、「個別の教育支援計画」の策定方法等を検討するための研究協議を実施。(平成15年度まで)
  • 高等部入学時から卒業後の社会参加、職業自立を念頭において計画的指導を行うために盲・聾・養護学校が作成する「個別移行支援計画」について、実際に関係機関と連携して策定・実施する実践研究を5都県に委嘱。(平成15年度まで)
  • 全国の盲・聾・養護学校において個別の教育支援計画の作成に資するよう「盲・聾・養護学校における個別の教育支援計画に関する調査研究事業」を実施し、平成17年3月には『盲・聾・養護学校における「個別の教育支援計画」について(報告書)』を取りまとめ、全ての都道府県教育委員会・盲・聾・養護学校等に配布。(平成16年度)
93 後期中等教育及び高等教育への就学を支援するため、各学校や地域における支援の一層の充実を図るとともに、在宅で生活する重症心身障害児(者)に対し、適切な医学的リハビリテーションや療育を提供し、日常生活動作等にかかわる療育を行うほか、保護者等の家庭における療育技術の習得を図るための支援を行う。 文部科学省
  • 平成15年度特別支援教育教育課程等研究協議会において、「個別の教育支援計画」の策定方法等を検討するための研究協議を実施。(平成15年度まで)
  • 全国の盲・聾・養護学校において個別の教育支援計画の作成に資するよう「盲・聾・養護学校における個別の教育支援計画に関する調査研究事業」を実施し、平成17年3月には『盲・聾・養護学校における「個別の教育支援計画」について(報告書)』を取りまとめ、全ての都道府県教育委員会・盲・聾・養護学校等に配布。(平成16年度)
厚生労働省
  • 在宅の重症心身障害児(者)に対し、通園の方法により日常生活動作、機能訓練等必要な療育を行うことにより、運動機能等の発達を促すとともに、併せて保護者等の家庭における療育技術の習得を図る重症心身障害児(者)通園事業を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    箇所数 204か所 243か所
94 地域における学校卒業後の学習機会の充実のため、教育・療育機関は、関係機関と連携して生涯学習を支援する機関としての役割を果たす。 文部科学省
  • 我が国の生涯学習の中核的機関である放送大学において、社会人等の障害者を受け入れ。
      (平成15年度第1学期) (平成16年度第1学期)
    学部生 502人(全学生の0.58%) 435人(全学生の0.50%)
    大学院生 25人(全学生の0.20%) 32人(全学生の0.41%)
  • 放送大学における障害者に対する配慮として、
    • 学生の学習支援施設である学習センターのバリアフリー化(エレベータやスロープの付設、障害者用トイレの付設など)
    • 字幕番組の製作、放送
    • 単位認定試験の受験に際し、試験時間の延長や、音声、点字による出題などを実施。
  • 大学等において、障害者を対象とした公開講座を実施(例:神戸大学「知的障害のある成人を対象とした公開講座大学で自分の世界を広げよう~知的障害をめぐる社会的課題解決に向けた本人と大学の知との協働~」)。

(5) 施設のバリアフリー化の促進

95 教育・療育施設において、障害の有無にかかわらず様々な人々が、適切なサービスを受けられ、また、利用する公共的な施設であるという観点から、施設のバリアフリー化を推進する。 文部科学省
  • 「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律」(通称「ハートビル法改正」)の施行(平成15年4月)に伴い、学校施設が新たにバリアフリー化の努力義務の対象となったことを踏まえ、学校施設におけるバリアフリー化の推進について各都道府県教育委員会等に対して周知。
  • 「学校施設バリアフリー化推進指針」を平成16年3月に策定し、バリアフリー化の一層の推進を図るよう各都道府県教育委員会等に対して周知。
  • 具体的な計画・設計手法等に関する事例を紹介した「学校施設のバリアフリー化等に関する事例集」を平成17年3月に作成し、バリアフリー化の一層の推進を図るよう各都道府県教育委員会等に対して周知。
  • 学校施設のバリアフリー化に係る取組みについて、スロープ、障害者用トイレ、エレベータ等の整備について国庫補助の対象とするなど、設置者のバリアフリー化の推進を支援。
厚生労働省
  • バリアフリーのまちづくり活動事業によって、障害者の利用しやすい施設・整備の促進。
      (平成15年度) (平成16年度)
    整備数 20か所 9か所
96 障害のある児童生徒の学習や生活のための適切な環境を整える観点から、施設に加えて情報機器等学習を支援する機器・設備等の整備を推進する。 文部科学省
  • 盲・聾・養護学校又は小・中学校の特殊学級等において障害に適応した教育を実施する上で必要とする設備を整備するために要する経費の一部を補助。
      (平成15年度) (平成16年度)
    都道府県・市町村数 339か所 265か所
[目次]  [前へ]  [次へ]