障害者基本計画の推進状況 ~平成16年度~ 情報・コミュニケーション

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分野別施策 関係省庁 推進状況

7 情報・コミュニケーション

   

(1)情報バリアフリー化の推進

177 障害者のリテラシー(情報活用能力)の向上のため、研修・講習会の開催、障害者のITの利用を支援する支援技術者の養成・育成を推進するための施策を促進するとともに、障害者のIT利用を総合的に支援する拠点の整備を推進する。 総務省
  • 障害者等に最適な利用環境を実現したIT生きがい・ふれあい支援センター施設を整備する地方公共団体等に対する補助を実施し、平成15年度までに8事業を補助。(平成15年度まで)
  • 平成16年5月から「障害者のIT利活用支援の在り方に関する研究会」を開催し、障害のある人がICTを利活用するのにあたり身近な地域で信頼できる十分な支援が得られるよう、地域における障害のある人のICT利活用支援体制のモデルの確立について検討中。(平成16年度~)
厚生労働省
  • 障害者社会参加総合推進事業において、障害者の情報通信技術の利用機会や活用能力の格差是正を図るための総合的なサービス拠点として障害者ITサポートセンターを設置・運営する事業を18都道府県・政令都市(平成16年度)で実施。(平成15年度~)
経済産業省
  • 「障害者等向け情報システム開発事業」の一環として、高齢者・障害者のパソコン等の利用を促進するため、それを支える中間支援者(サポーター)の養成を目的として開発した「支援技術利用促進プログラム」の普及を図り、より多くの良質なサポーター育成を実施。(平成14年度まで)
  • 「電子情報支援技術利用促進プログラム」の普及と障害者のIT利用を支援する技術者の養成に向けた調査研究事業を実施。(平成14年度まで)
178 障害者が容易に情報を発信し、情報にアクセスできるよう、使いやすい情報通信機器、システム等の開発・普及等を促進するとともに、ISO/IECガイド71(高齢者・障害者のニーズへの配慮ガイドライン)に基づき、障害者にとって使いやすいように配慮した情報通信機器設計の指針等をJIS(日本工業規格)化する。 総務省
  • 独立行政法人情報通信研究機構(旧認可法人通信・放送機構)を通じ、高齢者・障害者の利便の増進に資する通信・放送サービスの開発等を行うための通信・放送技術の研究開発を行う者に対し開発に必要な経費の助成を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    応募数 40件 23件
    助成件数 9件 12件
  • 独立行政法人情報通信研究機構(旧認可法人通信・放送機構)を通じ、身体障害者の利便の増進に資する通信
    • 放送役務の提供又は開発を行う者に対し、その実施に必要な経費の助成を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    応募数 17件 27件
    助成件数 6件 8件
  • 「ネットワーク・ロボット技術に関する調査研究会」報告書(平成14年12月~平成15年7月)において提言された、高齢化・医療介護等の社会問題への対応等の貢献が期待されるネットワークロボットの早期実現に向けた実現方策に基づき、平成16年度から5ヶ年計画で国による研究開発を開始。
  • 電気通信機器のアクセシビリティについてJIS化を進めるとともに、国際標準化に向けた取り組みを実施。(平成16年度~)
経済産業省
  • 「JISX8341-1高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第1部:共通指針」、「JISX8341-2同第2部:情報処理装置」及び、「JISX8341-3同第3部:ウェブコンテンツ」のJISを制定。
179 各省庁、地方公共団体は公共調達において、障害者に配慮した情報通信機器、システムの調達に努力する。
180 行政情報について、ホームページ等のバリアフリー化を推進する。
各府省
  • 平成15年7月に「各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議」が決定した「電子政府構築計画」において、電子政府構築の原則として、ユニバーサルデザイン(だれもが使いやすい設計)の確保を掲げ、障害者、高齢者の使いやすさにも十分配慮されたシステムの導入に努めることを明記。
警察庁
  • 国家公安委員会及び警察庁ホームページに、高齢者や□に障害のある利用者に配慮し、「音声読み上げ・文字拡大」機能を追加した。(平成16年度整備)
防衛庁
  • PDF形式のコンテンツのテキスト形式への移行、画像情報へのテキスト文の貼り付け等、できる限り障害者用プラウザに対応するよう配慮。また、平成17年3月、高齢者・障害者等配慮設計指針(JIS X 8341-3)に沿った見直しを防衛施設庁において実施し、内部部局においても見直しを検討中。
総務省
  • 高齢者・障害者を含めた誰もが情報通信を容易に利用できるよう、ホームページの問題点を点検・修正するシステムを平成15年5月公表し、全地方公共団体等に配布。
  • 音声読み上げへの対応や、画像・動画について代替となるテキストを置くなどし、目や耳の不自由な方にも内容を理解していただけるよう努めている。
  • 平成16年11月から「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」を開催し、地方公共団体等のホームページや電子申請サービス等のアクセシビリティ確保のための評価方法・評価体制のモデル等について検討中。(平成16年度~)
外務省
  • 平成15年3月より、広報動画を配信開始する等、聴覚障害者にも配慮した外務省ホームページを作成。
  • 英語版外務省ホームページについて、平成15年度末に、弱視の方もトップページに掲載している資料のタイトルや説明書きが読めるようにするためにフォントを大きくできる機能を設置。また、バリアフリー化も含めた外務省ホームページコンサルタント業務委託を実施。
文部科学省
  • 文部科学省ホームページは、平成16年3月に大幅なリニューアルを行い、視覚障害を持つ方でも使いやすいデザインを導入している。各ページの制作にあたっては、実際に音声読み上げブラウザを使用し、意味の通じない記号や略語は避けるなど、耳で聞いても分かりやすいページ作りを進めるようにしている。また、カラーバリアフリーにも配慮し、色の区別がつきづらい方でも問題なく閲覧できるカラーでページを作るよう注意している。さらに、PDFファイルのみでの掲載は可能な限り避ける様にし、htmlファイルで作成が可能なものについては、原則htmlファイルでの公開を行うよう努めている。
厚生労働省
  • 厚生労働省ホームページについて、高齢者や視覚障害者が容易に利用できるよう、平成16年3月1日から「音声読み上げ/文字拡大サービス」の提供を実施。さらに、平成17年2月21日から視覚障害者向けに「点字ファイルダウンロードサービス」の提供を実施。
経済産業省
  • 障害のある利用者を含むすべての利用者が提供情報やサービスに平等にアクセスできるよう、提供情報やサービスの様々な形式への変換等が適切に行えるよう配慮することを定めた「経済産業省ウェブサイトスタイルガイドライン」を平成15年10月に策定。(平成15年度まで)
国土交通省
  • 国土交通省ホームページに、高齢者や弱視障害者等を対象に、「音声読み上げ・文字拡大」機能を追加。

(2) 社会参加を支援する情報通信システムの開発・普及

181 選挙における障害者の投票を容易にする手段として、電子投票の導入を推進する。 総務省
  • 総務省としては、電子投票機器導入経費の1/2を補助するとともに、実績を取りまとめた冊子を作成する等を行うことによって導入を検討している団体に情報提供を実施。
      (平成15年度末) (平成16年度末)
    導入地方公共団体数 全国9市町村 全国10市町村
    助成件数 6件 8件
182 障害者のITの利用を促進するため、情報通信機器の取得を支援する施策を推進する。 厚生労働省
  • 障害者社会参加総合推進事業において、情報機器を使用するにあたり、必要となる周辺機器及びソフト等の購入に要する費用の一部を助成する「障害者情報バリアフリー化支援事業」を59都道府県・指定都市(平成16年度)で実施。
183 SOHO(在宅や小規模な事務所での勤務)、テレワーク(情報通信を利用した在宅勤務等)などITの活用による障害者の就業のための取組を推進する。 総務省
  • テレワーク・SOHO普及促進のため、導入・運用に関する課題解決のための調査研究やシンポジウム等による普及啓発活動を総合的に実施。

(3) 情報提供の充実

184 聴覚障害者情報提供施設について、全都道府県での整備を促進する。 厚生労働省
  • 全都道府県設置に向けて聴覚障害者情報提供施設協議会総会等を通じて各県に周知。(平成16年4月1日現在30カ所)
185 放送事業者の協力も得て、字幕番組、解説番組、手話番組など障害者に配慮した情報提供の一層の拡充のための施策を推進する。 総務省
  • 「身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律」(平成5年法律第54号)に基づき、独立行政法人情報通信研究機構(旧認可法人通信・放送機構)を通じて字幕番組、解説番組、手話番組の制作に対する助成を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    字幕番組助成件数 6,919本 12,943本
    手話番組助成件数 1,748本 2,120本
  • 独立行政法人情報通信研究機構(旧認可法人通信・放送機構)において、視聴覚障害者向け放送ソフト制作技術の研究開発を実施し、平成15年度に、ほぼ全ての録画番組を対象として、音声が全て文字化された原稿がない場合でも短時間で自動的に字幕を付与できるシステムを開発。平成16年度においては、本研究開発成果の実用化に向けて取り組みを実施。
186 点字図書、字幕付きビデオなど視聴覚障害者への情報提供サービスの充実を図るとともに、公共サービスにおいては、点字、録音物等による広報の促進を図る。 警察庁
  • 平成16年2月、財団法人警察協会が作成した字幕及び副音声付きストーカー対策DVD「なくせ!ストーカー!」を警察庁ホームページからもアクセスできるようにし、障害をもつ人の防犯対策を推進。
法務省
  • 広報ビデオ「被害者とともに」等の字幕版を、移動教室プログラム等において上映するほか、要望に応じて学校等に貸し出すなど積極的に活用しており、耳の不自由な人も利用できるよう措置。また、法務省の人権擁護機関では、各種人権課題に関する啓発広報ビデオを作成する際に、字幕付ビデオも併せて作成。
文部科学省
  • 文部科学省ホームページは、平成16年3月に大幅なリニューアルを行い、視覚障害を持つ方でも使いやすいデザインを導入している。各ページの制作にあたっては、実際に音声読み上げブラウザを使用し、意味の通じない記号や略語は避けるなど、耳で聞いても分かりやすいページ作りを進めるようにしている。また、カラーバリアフリーにも配慮し、色の区別がつきづらい方でも問題なく閲覧できるカラーでページを作るよう注意している。さらに、PDFファイルのみでの掲載は可能な限り避ける様にし、htmlファイルで作成が可能なものについては、原則htmlファイルでの公開を行うよう努めている。
厚生労働省
  • 点字図書や録音図書を製作し、視覚障害者に対して貸出しを実施。日々の新聞ニュースを点字データ等によりインターネット配信。点字を判読できない視覚障害者に対し、録音広報を提供。テレビ番組に手話や字幕を挿入したビデオを製作し、聴覚障害者に対して貸出しを実施。
農林水産省
  • カセットテープ・点字図書・大活字本等による情報提供(平成8年度~)
    月刊テープ雑誌「声の食生活情報」、音声版食品解説「声のア・ラ・カルト」、Q&A「耳知識―食と生活」、「指で読む食生活文庫」、料理手引書等の作成及び点字図書館等への配布。
  • 障害者の食生活に関する調査
  • 買物・外食の際のサポートマニュアルの作成及びサポート体制の推進
  • 障害者が自立した食生活を営むため、平成14年度に作成したユニバーサルデザインガイドブックの配布及び関連サービスなどの情報を提供。
187 字幕付きビデオ作成に係る著作権の運用改善を図る。 文部科学省
  • 社会福祉法人聴力障害者情報文化センターにおける「字幕ビデオライブラリー共同事業」が適切かつ円滑に促進されるよう、必要に応じ助言。

(4) コミュニケーション支援体制の充実

188 コミュニケーション支援を必要とする視聴覚障害者に対する手話通訳者、要約筆記者及び盲ろう通訳者の養成研修を推進するとともに、これらの派遣体制の充実強化を推進する。 厚生労働省
  • 手話奉仕員等の指導を行う手話通訳指導者を養成。
  • 障害者社会参加総合推進事業において、「奉仕員養成・研修等事業」のうち手話奉仕員の養成。
  • 障害者社会参加総合推進事業においては、以下の研修事業を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    手話奉仕員の養成研修を行う事業 41都道府県・指定都市 38都道府県・指定都市
    要約筆記奉仕員の養成・研修を行う事業 59都道府県・指定都市 59都道府県・指定都市
    手話通訳者養成・研修事業 58都道府県・指定都市 58都道府県・指定都市
    盲ろう者通訳・ガイドヘルパー養成・研修事業
    市町村障害者支援事業
    34都道府県・指定都市 36都道府県・指定都市
    奉仕員派遣事業
    手話奉仕員を派遣する事業 30都道府県・指定都市 29都道府県・指定都市
    要約筆記奉仕員を派遣する事業 55都道府県・指定都市 56都道府県・指定都市
  • 以下の市町村障害者社会参加促進事業を実施。
      (平成15年度) (平成16年度)
    奉仕員派遣等事業
    手話奉仕員の派遣事業 305市町村 295市町村
    手話奉仕員の養成事業 409市町村 420市町村
    要約筆記奉仕員の派遣事業 151市町村 177市町村
    要約筆記奉仕員の養成事業 167市町村 181市町村
    手話通訳者派遣事業 119市町村 225市町村
189 各種サービス窓口における手話のできる職員の育成、配置を働きかけるとともに、国民の手話に対する理解と協力を促進する。 警察庁
  • 手話ができる警察官等を配置した「手話交番」を開設するなどし、聴覚障害者からの各種届け出、相談等に適切に対応。平成16年2月、障害者への対応マニュアル「障害をもつ方への接遇要領」を作成し、各都道府県警察に配付し窓口対応職員等への障害をもつ人に関する理解を促進。
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