明石市障害者に対する配慮を促進し誰もが安心して暮らせる福祉のまちづくり条例
第1章総則(第1条~第7条)
基本理念
1.障害を理由とする差別を解消するにあたっては、障害のある人とない人との権利の平等が最大限尊重されなければならない。
2.共生社会の実現は、障害のない人も含めたすべての人の問題として認識し、相互理解と人格の尊重を基本として行われなければならない。
3.障害を理由とする差別の解消は、差別する側とされる側がお互いを一方的に非難するのではなく、ともに協力し合う事によって実現しなければならない。
4.合理的配慮の提供は、障害のある人もない人も等しく基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられることを基本として行われなければならない。
市の責務~積極的な合理的配慮の提供支援~
1.合理的配慮の提供のあり方について積極的に調査及び研究し、率先して合理的配慮の提供を行う。
2.市民、事業者、及び行政機関等が合理的配慮の提供を行うための支援(=合理的配慮の提供支援)を行う。
3.市民及び事業者の協力を得て、障害に関する理解に関する取組を行う。
4.障害を理由とする差別の解消に関する相談を受け、紛争解決に向けて必要な支援を行う。
市民・事業者の役割
基本理念に対する理解を深め、合理的配慮の提供支援をはじめとする障害を理由とする差別の解消に関する取組の普及及び啓発を市と協力して取り組むよう努める。
合理的配慮の提供に向けた協力体制(作業者注:双方向の矢印)
第2章合理的配慮の提供支援及び障害理解の啓発(第8条・第9条)
合理的配慮の提供支援
市は、市民、事業者及び行政機関等が合理的配慮の提供を容易に行うことができるよう、合理的配慮の提供支援に関する施策を実施。
合理的配慮の提供に伴う経済的な負担の一部を公的に助成
たとえば…
・点字メニューなどコミュニケーションツールの作成にかかる費用
・折りたたみ式スロープや筆談ボードなど物品の購入にかかる費用
・手すりやスロープの工事施工にかかる費用
※要綱で実施
障害理解の啓発
○障害と障害者に対する市民の理解を深めるため、障害理解に対する研修などの必要な取組を行う。
・高齢者大学での研修
・小学校手話教室(手話言語コミュニケーション条例)
・市民フォーラムの開催
○障害のある者とない者との相互理解を深めるため、交流の機会を提供するなどの必要な取り組みを行う。
・タウンミーティングを開催し当事者の声を聴く
不当な差別的取扱い
正当な理由なしに、障害又は障害に関連する事由を理由として、障害者を排除し、その権利の行使を制限し、その権利を行使する際に条件をつけ、その他障害者に対する不利益的な取り扱いをすること。
合理的配慮の提供
1)その障害のある人が困っていそうだな、と思われるとき
2)障害のない人と同じ権利を行使できるようにするため
3)ご本人の意思を尊重しながら
4)性別、年齢、障害の状況に応じて、必要かつ適切な措置を講じる。
※その実施が、措置を行う者にとって、社会通念上相当な範囲を超えた過重な負担とならない程度で。
差別=「不当な差別的取扱」+「合理的配慮の提供をしないこと」
何人も、障害を理由とする差別をしてはならない(第10条)。
差別を解消するために…
第3章障害を理由とする差別の解消(第10条~第15条)
第2節 障害を理由とする差別の解消に関する施策
相談助言
・相談者、家族等関係者、事業者は、市等へ障害を理由とする差別に関する相談ができる。
・内容に応じて相談員が解決に向けた助言、調整を行う。
あっせん申立
・相談、助言で解決しない場合は、障害者、その関係者からの申立によってあっせん手続きに入る。
・あっせん手続きは、第三者委員会(地域あっせん部会)が行う。
勧告公表
・一部の悪質事業者については、明石市行政手続条例の手続等による手続保障を行ったうえで、勧告し、公表することがある。
※勧告公表まで完了しても、障害を理由とする差別が解消されていない場合は、市長は引き続き差別解消に向けた対応をすることができる。
第3節 明石市障害者の差別の解消を支援する地域づくり協議会
障害を理由とする差別に関する地域課題について、明石市を中心とした地域ぐるみで解決できる協議会を立ち上げる。
明石市、障害者、学識経験者、事業者、法律関係者、関係行政機関
【所管事項】
・障害を理由とする差別を解消するために必要な施策について市長に意見を述べること。
・この条例の施行状況の検討と見直し。
・あっせんの審理。
・その他差別解消に必要なこと。