図表5-1 ポーランドにおける関係主体の全体像
ポーランド政府においては、各省でそれぞれ障害者基本条約の実施責任を分担しているが、その中で労働社会政策省が中央連絡先となっている。同省が設置した障害者権利条約実施チームが、調整のための仕組みとしての役割を負っている。また、障害者のための政府全権委員が政府内に設置されており、労働社会政策省の業務支援を行っている。
独立した仕組みとしては、人権擁護者(HRD)が挙げられる。この機関は均等待遇に関する分析、監視、それに差別案件の調査と報告の役割を担っており、ポーランド国会の上院、下院それぞれに対して権利遵守状況などの報告を行っている。
市民社会や非政府組織、地方公共団体などは国立障害者諮問委員会への参加および共同運営を行っており、この委員会を通して障害者のための政府全権委員に対して助言を行っている。また、市民社会および非政府組織はCRPD実施チームによる会合に参加する形で、政府による施策や意思決定に関与している。代表的な団体としてポーランド盲人協会、障害者フォーラム、運動機能障害者組織などが挙げられる。