図表6-1 ロシアにおける関係主体の全体像
ロシアの中央連絡先は明示されていないが、労働社会保障省の中に置かれている障害者問題専門部署が実質的な中央連絡先となっており、障害者権利条約実施法、緊急時の障害者の保護、障害者向け国家サービス、障害者団体支援策などを所轄している。
調整のための仕組みは3つ挙げられる。まず、労働社会保障省は調整のための仕組みとして政府内の調整を行っている。二つ目は、大統領の下の審議機関として設置されている、障害者に関する大統領委員会で、ロシア連邦内の政府組織、地方自治体、公的機関、科学団体やその他の組織と連携し、相互調整を行っている。三つ目は連邦院議長の下で専門家によって構成されている障害者問題審議会で、ロシア連邦政府機関に対して報告や助言を提供する。
独立した仕組みは、ロシア連邦人権委員会事務局と連邦市民評議会の二つがあり、前者は障害者の権利の促進と保護、障害者権利条約実施状況の監視を担う。後者は政府機関・地方自治体のオープンな監視・監督を行っている。
市民社会には全ロシア障害者協会、全ロシア盲人協会、全ロシアろうあ協会などの障害者団体があり、これらの団体が連邦市民評議会による監視等へ参加する一方で、Group of organizations of Russian Federation(ロシア連邦の組織グループ)を結成してパラレルレポートを提出している。