2 国内調査 2.2.2

2.2 調査の構成と概要

2.2.2 取組状況詳細調査

(1) 調査方法

 前述の地方公共団体悉皆調査(以下、「悉皆調査」という。)によって全国の地方公共団体における障害者差別解消への取組状況の概況を把握した後、アンケートの回答内容から注目すべき取組を進めていることがうかがわれる地方公共団体に対し、取組状況の詳細を調査した。
 取組状況詳細調査(以下、「詳細調査」という。)は、まず悉皆調査の回答から選定した対象地方公共団体について障害者差別解消に関する条例の内容、関連資料やウェブサイト等を通読して情報収集し、内容の整理・分析を行った。さらに、先進的な取組を行っていると思われる地方公共団体を対象に、ヒアリング調査と資料調査を行った。

(2) 調査対象

調査対象地方公共団体は、悉皆調査のアンケート回答と条例での規定状況を踏まえ、以下のとおりとした。

  • ヒアリング調査 5地方公共団体 (現地を訪問し、担当者へのヒアリングを実施した。)
    秋田県、静岡県、滋賀県、立川市、茨木市
  • 資料調査 5地方公共団体 (調査項目に関する問い合わせを行い、書面で回答を得た。)
    香川県、大分県、新潟市、所沢市、北九州市

(3) 調査期間

  • 資料調査:令和元年12月~令和2年2月
  • ヒアリング調査:令和2年2月

(4) 調査項目

 詳細調査では、次の項目[1]~[5]について、障害者差別解消の推進に関する地方公共団体の取組の現状、運用実績、効果、課題、考えられる対応方策等の調査分析を行った。

[1] 差別の定義・概念について

 障害者差別の解消に関する条例又は関連する指針、通知等(以下、「条例等」という。)において、いわゆる「間接差別」「関連差別」「複合差別」等(以下、「間接差別等」という。)の用語又は概念を明確に位置付けている地方公共団体における間接差別等の位置付け、間接差別等の該当性の判断等の運用の実態・工夫、事業者等の見解、具体的な効果・影響、今後の課題等

[2] 障害の定義・概念について

 条例等において、障害の社会モデルを導入するなど、独自の障害の定義を設けている地方公共団体における障害の定義の内容、障害の該当性の判断等の運用の実態・工夫、事業者等の見解、具体的な効果・影響、今後の課題等

[3] 事業者への合理的配慮の提供の義務付けについて

 条例等において、事業者に対し合理的配慮の提供を義務付けている地方公共団体における、同条例の対象となる事業者の要件(規模・種別等)、運用の実態・工夫、事業者等の見解、具体的な効果・影響、今後の課題等(事業者が行う合理的配慮の提供に関するものに限る。)

[4] 相談対応等の仕組みと地域協議会の役割について

 障害者差別解消法第17条の規定に基づく障害者差別解消支援地域協議会又はその他の機関(以下、「地域協議会等」という。)を効果的に活用して個別の相談事案への対応を行い、紛争の解決を図っている地方公共団体における都道府県及び市町村の役割分担、地域協議会等の運用の実態・工夫、具体的効果、今後の課題等(個別の相談事案への対応に関するものに限る。)

[5] 啓発・研修活動について

 障害者差別の解消に関する地方公共団体職員をはじめとする地域の関係者、事業者に対する啓発・研修の提供状況とその内容、啓発・研修に用いるテキストやパンフレット、ガイドブック等の資料整備状況、啓発・研修の実施効果、課題等

 2.4に詳細調査の主な結果を示す。

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