2 国外調査 2.2.1
2.2 ESGの概要
2.2.1 ESGとは何か
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス(企業統治))を考慮した投資活動や経営・事業活動を指す。ESGは投資活動から始まった概念であり、ESG投資では、一般に企業の財務情報に加えて環境及び社会への配慮、企業統治の向上等の情報を加味し、中長期的なリターンが目指されるなどしていたが、昨今は、企業経営においてもESGに配慮する傾向があり(いわゆるESG経営)、ESGの考え方は、投資に限定されるものではない。
関連するキーワードとしては、持続可能な開発目標(SDGs)が挙げられるだろう。これらを対比的に位置付けるならば、SDGsが目標であることに対し、ESGはそれを達成するための手段としての意味合いが強いともいえる。ESGは、1990年代から広がった企業の社会的責任(CSR)や社会的責任投資(SRI)、2000年以降の責任投資(RI)といった潮流とも関連するものである。