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第5章 住みよい環境の基盤づくり

第1節 障害のある人の住みよいまちづくりと安全・安心のための施策

1.移動等の円滑化の一層の促進

バリアフリー法改正法案の閣議決定・国会提出

①高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)(以下「バリアフリー法」という。)に基づく措置が「共生社会の実現」、「社会的障壁の除去」に資するよう行われるべき旨の基本理念の規定の創設、②公共交通事業者等によるハード対策及びソフト対策の一体的な取組を推進するための計画制度の創設、③バリアフリーのまちづくりに向けた地域における取組を強化するため市町村が移動等円滑化促進方針を定めるなどの新たな仕組みの創設、④更なる利用しやすさの確保を図るため、一般貸切旅客自動車運送事業者等の本法の適用を受ける事業者への追加、駅等に加えて道路や建築物等を含む幅広いバリアフリー情報の提供の推進、高齢者、障害のある人等が参画し施策内容の評価等を行う会議の設置等を内容とする、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を平成30(2018)年2月に閣議決定し、第196回国会に提出した。

2.ユニバーサルデザインの考え方を踏まえたバリアフリー施策の推進

「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方を踏まえた、バリアフリー法に基づき、施設等(旅客施設、車両等、道路、路外駐車場、都市公園、建築物等)の新設等の際の「移動等円滑化基準」への適合義務、既存の施設等に対する適合努力義務を定めるとともに、「移動等円滑化の促進に関する基本方針」において、平成32(2020)年度末までの整備目標を定めている。交通政策基本法(平成25年法律第92号)に基づく交通政策基本計画(平成27年2月閣議決定)においても、バリアフリーをより一層身近なものにすることを目標の1つとして掲げており、これらを踏まえながらバリアフリー化の推進を図っている。

(1)公共交通施設や建築物等のバリアフリー化の推進

バリアフリー法では、公共交通機関・建築物・道路・路外駐車場・都市公園について、バリアフリー化基準に適合するように求め、生活空間におけるバリアフリー化を進めることとしている。なお、公共交通機関には、鉄軌道、バス、福祉タクシー、旅客船、航空機が含まれ、これらの車両等を新たに導入する際には、基準に適合させることとしている。

(2)地域における重点的・一体的なバリアフリー化の推進

市町村は、移動等の円滑化を図ることが必要な一定の地区を重点整備地区とし、移動等の円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本構想を作成することができる。

基本構想の作成にあたっては、利用者の視点を反映するよう、以下の制度を設けている。

ア 協議会制度

イ 基本構想作成提案制度

(3)バリアフリー化を推進する上での国及び国民の責務

ア 国民の理解促進

バリアフリー法では、バリアフリー化の促進に関する国民の理解を深め、バリアフリー化の実施に関する国民の協力を求めるよう努めることを国の責務として定めるとともに、高齢者や障害のある人などの自立した日常生活や社会生活を確保することの重要性についての理解を深めることが、国民の責務として定められている。

イ 「スパイラルアップ」の導入等

具体的な施策や措置の内容について、施策に関係する当事者の参加の下、検証し、新たな施策や措置を講じる「スパイラルアップ」を、バリアフリー法では、国の果たすべき責務として位置づけている。

3.住宅のバリアフリー化の推進

(1)設計、設備の面で障害のある人に配慮した住宅の供給

ア 公共賃貸住宅のバリアフリー化の推進

新設される全ての公営住宅、都市再生機構賃貸住宅、改良住宅及び公社賃貸住宅について、原則として障害のある人の心身の特性に応じた設備等の設置に配慮し、バリアフリーを標準仕様としている。

イ 障害のある人等の利用に配慮した住宅ストックの形成の推進

「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」により、身体機能が低下した場合にも住み続けられるような住宅の設計上の配慮事項を示している。

(2)住宅リフォーム

障害のある人等が居住する住宅について、一定のバリアフリー改修工事を行った場合に、所得税額や固定資産税額を軽減する特例措置を設けている。また、長期優良住宅化リフォーム推進事業において、住宅の長期優良化に資するリフォームと併せて行うバリアフリーリフォームについても支援を行っている。

4.建築物のバリアフリー化の推進

(1)官庁施設のバリアフリー化

官庁施設の整備においては、バリアフリー法に基づく建築物移動等円滑化誘導基準に規定された整備水準の確保などを推進している。

(2)人にやさしい建築物の整備

バリアフリー法においては、出入口、通路、トイレ等に関する基準(建築物移動等円滑化基準)を定め、不特定多数の者が利用し、又は主として障害のある人等が利用する建築物(特別特定建築物)で一定の規模以上のものに対して基準適合を義務付けるとともに、多数の者が利用する建築物(特定建築物)に対しては基準適合の努力義務を課している。さらに、同法に基づく条例による地域の実情を踏まえた取組の促進により、バリアフリー化を推進している。

(3)バリアフリー法に伴う助成等

認定特定建築物等のうち一定のものについては、障害のある人等の利用に配慮したエレベーター、幅の広い廊下等の施設整備に対する助成制度(バリアフリー環境整備促進事業)により支援している。

総務省では、地方公共団体が実施する公共施設等のユニバーサルデザイン化のための改修事業等について、平成30(2018)年度より、公共施設等適正管理推進事業債にユニバーサルデザイン化事業を追加し、財政措置を講じることとしている。

(4)表示方法の統一

ア 点字表示

「高齢者・障害者配慮設計指針─点字の表示原則及び点字表示方法─公共施設・設備(JIS T0921)」を平成18(2006)年に制定し、平成21(2009)年には消費生活製品に関して、「高齢者・障害者配慮設計指針─点字の表示原則及び点字表示方法─消費生活製品の操作部(JIS T0923)」を制定した。また、平成28(2016)年度にJIS T0923をJIS T0921に統合し、JIS T0921を「アクセシブルデザイン─標識、設備及び機器への点字の適用方法」へと改正した。

イ 案内用図記号

不特定多数の人々が利用する公共施設や企業内の施設において、文字や言語によらず対象物、概念又は状態に関する情報を提供する図形(案内用図記号)は、視力の低下した高齢者や障害のある人、さらに外国人等でも容易に理解することができ、文字や言語に比べて優れた情報提供手段である。JIS Z8210については、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機に外国人観光客の増加が見込まれることから、外国人観光客などにも、より分かりやすい図記号にするため、平成29(2017)年7月に改正し、国際規格との整合化の観点から7つの図記号について変更するとともに、15種類の図記号及び外見からは障害があることが分かりにくい人が周囲に支援が求めやすくする「ヘルプマーク」の図記号を新たに追加した。

ウ 公共トイレ、触知案内図

視覚障害のある人が、鉄道駅、公園、病院、百貨店などの不特定多数の人が利用する施設・設備等を安全で、かつ、円滑に利用できるようにするため、「高齢者・障害者配慮設計指針─公共トイレにおける便房内操作部の形状、色、配置及び器具の配置(JIS S0026)」、「同指針─触知案内図の情報内容及び形状並びにその表示方法(JIS T0922)」及び「同指針─触覚情報─触知図形の基本設計方法(JIS S0052)」を制定している。

5.公共交通機関、歩行空間等のバリアフリー化の推進

(1)公共交通機関のバリアフリー化

ア 法令等に基づく公共交通機関のバリアフリー化の推進

① バリアフリー法に基づく公共交通機関のバリアフリー化の推進

公共交通機関のバリアフリー化については、バリアフリー法においても、公共交通事業者等に対して、鉄道駅等の旅客施設の新設、大改良及び車両等の新規導入に際しての移動等円滑化基準への適合を義務付けており、平成29(2017)年度末に改正を行った。

既設の旅客施設・車両等についても移動等円滑化基準に適合させるよう努めなければならないこととしている。

② 旅客施設に関するガイドラインの策定

公共交通機関の旅客施設のバリアフリー整備内容等を示した「公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン」(旅客施設編)を平成29年(2017)度末に改訂を行った。

③ 車両等に関するガイドライン等の整備

公共交通機関の車両等のバリアフリー整備内容等を示した「公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン」(車両等編)を平成29(2017)年度末に改訂を行った。

イ 施設整備及び車両整備に対する支援

① 鉄道駅等旅客ターミナルにおけるエレベーター等の施設の整備に対する助成及び融資

都市鉄道整備事業及び地域公共交通確保維持改善事業などにおいて、バリアフリー化に要する経費の一部補助を実施している。また、地方公営企業の交通事業のうち、地下鉄事業のバリアフリー化を含む建設改良事業に対する財政融資及び地方公共団体金融機構の融資制度が設けられている。

② 障害のある人にやさしい車両の整備についての助成及び融資

ノンステップバス、リフト付きバス、福祉タクシー、低床式路面電車(LRV)等の導入に対して、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業などに経費の一部補助を行っている。

③ 地域公共交通確保維持改善事業及び共有建造における国内旅客船のバリアフリー化の推進

地域公共交通確保維持改善事業において、高度バリアフリー化船の建造及び船舶のバリアフリー化のための改造に要する経費の一部補助を実施している。

(2)歩行空間等のバリアフリー化

ア 福祉のまちづくりの推進

幅の広い歩道の整備や建築物の出入口の段差の解消、鉄道駅舎のエレベーターの設置やホームドア等の転落防止設備の導入、音響式信号機等の整備等による障害のある人の円滑な移動の確保、公園整備等による憩いと交流の場の確保等、福祉の観点も踏まえた総合的なまちづくりが各地で進められている。このほか、福祉のまちづくりへの取組を支援するため、以下のような施策を実施している。

① 公共交通機関の旅客施設等を中心としたまちのバリアフリー化の推進

② 農山漁村における生活環境の整備

③ 普及啓発活動の推進

イ 都市計画等による取組

全国の都市の再生を効率的に推進する観点から、地域の創意工夫を生かした個性あふれるまちづくりを実施するため、都市再生整備計画に基づく事業(都市再生整備計画事業)に対して、社会資本整備総合交付金による支援を行っている。

市街地再開発事業等においては、再開発ビルに一定の社会福祉施設等を導入するものを「福祉空間形成型プロジェクト」と位置付け、通常の助成対象に加え、共用通行部分整備費、駐車場整備費等を助成対象とするとともに、社会福祉施設等と一体的に整備する場合の整備費に関する助成額の割増を実施している。

また、バリアフリー化等に対応した施設建築物を整備する場合に生じる付加的経費について、別枠で補助を行っている。

ウ 歩行空間のバリアフリー化

バリアフリー法に基づき、駅、官公庁施設、病院等を結ぶ道路や駅前広場等において、高齢者や障害のある人を始めとする誰もが安心して通行できるよう、幅の広い歩道の整備や歩道の段差・傾斜・勾配の改善、無電柱化、視覚障害者誘導用ブロックの整備等による歩行空間のバリアフリー化を推進している。さらに、バリアフリー法に基づく基本方針では、重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路に設置されている信号機等については、平成32(2020)年度までに、原則として全ての当該道路において、バリアフリー対応型信号機等の設置等の移動等円滑化を実施することを目標としている。

エ 路外駐車場のバリアフリー化

バリアフリー法に路外駐車場のバリアフリー化が位置づけられ、同法の規定に基づき、「移動等円滑化のために必要な特定路外駐車場の構造及び設備に関する基準を定める省令」(平成18年国土交通省令第112号)を制定し、バリアフリー化を推進している(平成28(2016)年度末現在の特定路外駐車場のバリアフリー化率:約60.5%)。

また、同法の規定に基づく基本方針において、特定路外駐車場のバリアフリー化の目標を定めている。

(3)移動支援

ア 福祉タクシー等の普及促進

障害のある人等の輸送をより便利にするため、地域公共交通確保維持改善事業により福祉タクシー車両の導入等に対して経費の一部補助を行うなど、福祉タクシーの普及促進を図っている。

屋外での移動が困難な障害のある人について、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)に基づく地域生活支援事業において、各市町村が地域の特性や利用者のニーズに応じて、個別支援型、グループ支援型及び車両移送型など柔軟な形態で、ガイドヘルパーの派遣などのサービスを提供する「移動支援事業」を実施している。

イ 移動支援システムの研究開発

経済産業省では、障害のある人等がITを活用して社会・経済に積極的に参画できる環境を整備するため、平成22(2010)年度に「高齢者・障害者配慮設計指針―移動支援のための電子的情報提供機器の情報提供方法(JIS T0901)」として規格化している。

ウ 障害のある人に対する運賃・料金割引

鉄道、バス、タクシー、旅客船、航空等の各公共交通機関では、身体障害者手帳の交付を受けた身体に障害のある人・療育手帳の交付を受けた知的障害のある人及び常時介護を要するこれらの人の介護者に対して運賃・料金の割引を実施している。

精神障害者保健福祉手帳については、写真貼付を行うこととし、本人確認を容易にし、公共施設の入場料や公共交通機関の運賃に対する割引等の支援の協力を得やすくしている。さらに、発達障害のある人及び高次脳機能障害のある人について、平成23(2011)年4月には、手帳の診断書の様式及び判定基準を改正した。

エ 駐車禁止の交通規制からの除外措置

一定の障害のある人に対して駐車禁止除外指定車標章を交付し、駐車禁止の交通規制の対象から除外している。

オ 障害者等用駐車区画の適正利用の確保

国土交通省では、障害者等用駐車区画の適正利用を確保する観点から、多くの地方公共団体において導入されている「パーキングパーミット制度」について、好事例の共有を通じた制度の改善を促進するとともに、制度のメリット等の周知を行う等により未導入の地方公共団体に対する制度の普及促進を図ることとしている。

カ ICTを活用した歩行者移動支援の推進

国土交通省では、多様な主体によるサービス創出に向けたオープンデータ推進等の環境整備を行っており、施設や経路のバリアフリー情報等の移動に必要なデータを多様な主体により継続的に収集する方法について検討している。

(4)ユニバーサルツーリズムの促進とバリアフリー情報の提供

観光庁では、平成24(2012)年3月に閣議決定した「観光立国推進基本計画」に基づき、障害のある人を含む誰もが旅行を楽しむことが出来るユニバーサルツーリズムを促進している。

平成29(2017)年度には、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に基づき、宿泊施設、旅行業者、観光地域それぞれの接遇マニュアルを作成し、その普及方法をとりまとめるとともに、旅行相談窓口及び宿泊施設のバリアフリー情報発信のあり方の検討を行った。

(5)公園、水辺空間等のバリアフリー化

ア 公園整備における配慮

バリアフリー法では、一定の要件を満たした園路及び広場、休憩所、並びに便所等の特定公園施設について、新設等の際の基準への適合義務、既存の施設等に対する適合努力義務を定めている。都市公園のバリアフリー化については、園路の幅の確保や段差・勾配の改善、車いす使用者を始め、多くの人にとって利用可能な駐車場やトイレの設置など、公園施設のバリアフリー化を今後一層推進していくこととしている。

イ 水辺空間の整備における配慮

河川利用上の安全・安心に係る河川管理施設の整備により、良好な水辺空間の形成を推進している。また、海岸保全施設のバリアフリー化を推進している。

ウ 港湾緑地・マリーナ等における配慮

港湾緑地は、計画段階から周辺交通施設との円滑なアクセス向上に配慮するとともに、施設面においてもバリアフリー対応が図られるよう取り組んでいる。また、マリーナ等施設のバリアフリー化を推進している。

エ 森林の施設の整備における配慮

ユニバーサルデザインの考え方を踏まえた森林歩道等の整備を推進している。

6.安全な交通の確保

(1)安全かつ円滑な通行の確保

ア 生活道路対策の推進

生活道路等において、都道府県公安委員会と道路管理者が連携し、信号機の新設・改良、歩道等の整備、車両の速度抑制や通過交通の侵入抑制を図る物理的デバイスの設置等の対策を推進するとともに、最高速度30km/hの区域規制に加え、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせて、区域内における速度の抑制や通過交通の抑制・排除を図る「ゾーン30」等の面的かつ総合的な事故抑止対策を推進している。

イ 利用する視点からの歩行空間の整備

歩行空間の整備に当たっては、「交通安全総点検」の点検結果を新規整備の際に活用するなど計画段階から住民が参加した整備を推進している。

ウ 障害のある人等の利用に配慮した信号機等の設置

音響により信号表示の状況を知らせる音響式信号機、信号表示面に青時間までの待ち時間及び青時間の残り時間を表示する経過時間表示機能付き歩行者用灯器、歩行者等と車両が通行する時間を分離して交通事故を防止する歩車分離式信号等のバリアフリー対応型信号機等の整備を推進している。

エ 障害のある人等が運転しやすい道路交通環境の整備

障害のある人を含む全ての人が安心して運転できるよう、ゆとりある道路構造の確保や視環境の向上、疲労運転の防止等を図ることとし、道の駅等の休憩施設の整備、付加車線(ゆずり車線)の整備、道路照明の増設を行うとともに、高速道路等のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、自動車駐車場等において障害者用トイレや障害者用駐車スペース等の設置を実施しているほか、信号灯器のLED化、道路標識・道路標示の高輝度化、交通情報提供装置の整備、道路情報板、情報ターミナル等の道路情報提供装置やそれを支える光ファイバ網等の情報通信基盤の整備を推進している。

オ 走行音の静かなハイブリッド車等への対策

国土交通省においては、平成22(2010)年1月に「ハイブリッド車等の静音性に関する車両接近通報装置のガイドライン」を定めるとともに、自動車メーカー等の関係者に周知し、本ガイドラインを基に、国連において日本が策定を主導してきた国際基準が平成28(2016)年3月に成立し、同年10月に発効したことに合わせ、ハイブリッド車等に車両接近通報装置を義務付ける法令を公布した。

カ ITSの推進と自動運転の実現に向けた取組

過疎地域等地方における移動手段の確保や、ドライバー不足への対応等が喫緊の課題であることを踏まえ、高齢者、障害者等の安全快適な移動に資するTSPS(信号情報活用運転支援システム)、DSSS(安全運転支援システム)、ETC2.0等のITS(高度道路交通システム)の研究開発及びサービス展開を実施するとともに、高度自動運転システムの開発や、地方、高齢者、障害者等向けの無人自動運転移動サービス実現に取り組む。

① TSPS(信号情報活用運転支援システム)

運転者に信号交差点への到着時における信号灯火等に関する情報を事前に提供することで、ゆとりある運転を促し、急停止・急発進に伴う交通事故の防止等を図っている。

② DSSS(安全運転支援システム)

道路に設置された無線機等から運転者へ周辺の交通状況等を視覚・聴覚情報により提供することで、危険要因に対する注意を促し、ゆとりを持った運転ができる環境を作り出すことにより、交通事故防止を図っている。

③ ETC2.0

ETC2.0は、大量の情報の送受信が可能となることや、インターチェンジの出入り情報だけでなく経路情報の把握が可能となることなど、これまでのETCと比べて格段と進化した機能を有しており、道路利用や道路政策に様々なメリットをもたらし、ITS推進に大きく寄与するシステムである。 全国の高速道路上に設置された路側機を活用し、広域的な渋滞情報の提供や、カーブ先の見えない渋滞といった危険な状況の注意喚起など、交通の円滑化と安全に向けた取組を進めている。

また、路側機から収集される速度や利用経路、急ブレーキのデータなど、多種多様できめ細かいビックデータを活用して、ピンポイント渋滞対策や交通事故対策など、安全な生活道路づくりに取り組んでいる。

(2)歩行者に対する保護意識の高揚等

運転者に対しては、運転者教育、安全運転管理者による指導その他広報啓発活動を推進している。また、障害のある人に対しては、字幕入りビデオの活用や参加・体験・実践型の交通安全教室の開催等により、きめ細かい交通安全教育を推進している。

(3)電動車椅子の型式認定

道路交通法上(昭和35年法律第105号)、一定の基準に該当する原動機を用いる身体障害者用の車椅子を通行させている者は歩行者とされるが、平成29(2017)年度において、その基準に該当する11型式が型式認定された。

(4)運転免許取得希望者への配慮

各都道府県警察の運転免許試験場に、スロープ、エレベーター等を整備することに努めているほか、運転適性相談窓口を設け運転免許取得に関する相談を行っている。

また、身体に障害のある人が、身体の状態に応じた条件を付すことにより、自動車の安全な運転に支障を及ぼすおそれがないと認められるときは、身体に障害のある人のために改造を行った持込み車両等による技能試験を受けることができる等している。

7.防災、防犯対策の推進

(1)防災対策

ア 防災対策の基本的な方針

災害対策基本法の一部改正

政府では平成24(2012)年度に、高齢者や障害者などの多様な主体の参画を促進し、地域防災計画に多様な意見を反映できるよう、地方防災会議の委員として、自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者を追加すること等を盛り込んだ災害対策基本法の一部を改正する法律(平成24年法律第41号)を制定し、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)の改正を行った(第1弾改正)。その後、市町村長に要配慮者のうち災害時の避難行動に特に支援を要する者について名簿を作成することを義務付ける、主として要配慮者を滞在させることが想定される避難所に適合すべき基準を設ける等の事項を含む所要の法改正を実施した(災害対策基本法等の一部を改正する法律(平成25年法律第54号))(第2弾改正)。

イ 要配慮者対策等の推進

平成28年4月14日に発生した熊本地震においては、必ずしも適切な避難所運営が行われなかった側面も指摘された。そのため、平成29(2017)年度においては、より円滑な避難所の運営に資するため、避難所運営ガイドライン等を補完するものとして、「平成28年度避難所における被災者支援に関する事例等報告書」を作成して公表した。

市町村が、要配慮者にも配慮した、避難所、避難路等の整備を計画的、積極的に行えるよう、防災基盤整備事業等により支援し、地方債の元利償還金の一部について交付税措置を行っている。

また、地域防災計画上社会福祉施設など要配慮者等の避難所となる公共施設のうち、耐震改修を進める必要がある施設についても公共施設等耐震化事業等により支援し、地方債の元利償還金の一部について交付税措置を行っている。

ウ 要配慮者利用施設等への対策

要配慮者利用施設における土砂災害対策については、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号。以下「土砂災害防止法」という。)に基づき、市町村地域防災計画において土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設の名称及び所在地を定めるとともに、「土砂災害防止対策基本指針」及び「土砂災害警戒避難ガイドライン」により市町村の警戒避難体制の充実・強化が図れるよう支援を行っている。

さらに、平成28(2016)年8月の台風10号による社会福祉施設の浸水被害を踏まえ、土砂災害防止法が一部改正され、平成29(2017)年6月に施行された。本改正により、市町村地域防災計画に位置づけられた要配慮者利用施設の管理者等に対し、避難確保計画の作成及び避難訓練の実施が義務づけられ、施設利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図っている。

水災時における要配慮者利用施設の利用者の円滑かつ迅速な避難を確保するため、平成29年に水防法(昭和24年法律第193号)が改正された。本改正により、市町村地域防災計画に位置づけられた浸水想定区域内の要配慮者利用施設の所有者又は管理者に対し避難確保計画の作成及び訓練の実施が義務づけられ、水災防止体制の強化を図っている。

エ 水害対策

浸水被害に対しては、再度災害の防止を図るためのハード整備を着実に推進するとともに、ハザードマップなどの円滑かつ迅速な避難を支援するソフト対策を一体的に行っている。また、雨量・水位等の河川情報を地方公共団体や地域住民に迅速かつ的確に伝達するため、インターネットや地上デジタル放送等によりリアルタイムで情報提供しており、警報等で危険を知らせている。平成26(2014)年の土砂災害防止法の改正により土砂災害警戒情報が法律上に明記されるとともに、市町村への通知及び一般への周知が都道府県に義務付けられている。

オ 防火安全対策

全国の消防機関等では、障害のある人等が入居する小規模社会福祉施設等においては、適切な避難誘導体制の確保を図るとともに、消防法令違反の重点的な是正の推進など必要な防火安全対策の徹底を図っている。

カ 音声によらない119番通報

消防庁では、スマートフォン等を活用して、音声によらない円滑な通報を行える新たなシステム(Net119緊急通報システム)について、平成29(2017)年3月に標準仕様等をとりまとめ、各消防本部での導入を促進するとともに、厚生労働省と連携して障害のある人への周知・利用促進にも取り組んでいる。

キ 震災における障害のある人たちへの主な支援

東日本大震災及び熊本地震に伴い、被災地、被災者に対して講じられた施策のうち、障害のある人への支援の一環として実施されているものとして、主に次のような施策がある(平成30(2018)年3月現在)。

① 利用負担減免等

(ア)利用者への対応について

  • 被災した障害者等にかかる障害福祉サービス等の利用者負担を市町村が免除した場合、この利用者負担額について、国がその全額を財政支援することとした。

(イ)障害福祉サービスの提供について

  • 被災者等を受け入れたときなどに、一時的に、定員を超える場合を含め人員配置基準や施設設備基準を満たさない場合も報酬の減額等を行わないこととした。 等

(ウ)介護職員等の派遣、避難者の受入等

  • 各事業所等において、介護職員等が不足している場合には、国や県などの調整を受けて、別の事業所等より介護職員等の派遣を行った。 等

(エ)被災地における障害福祉サービス等の再開支援について

  • 震災を受け被災した障害者支援施設等の復旧事業や事業再開に要する経費に関する国庫補助事業を実施し、復旧支援を行った。 等

② 心のケア

東日本大震災における心のケアについては、岩手、宮城、福島の各県に「心のケアセンター」を活動拠点として設置し、平成30(2018)年度から、「心のケアセンター」の連携の強化、福島県外避難者の支援体制の構築、支援者への支援の充実、専門研修・調査研究の推進等の取組の充実・強化に着手している。

また、熊本地震の心のケアについては、精神医療チームの派遣として、厚生労働省が、発災直後からDMHISS(災害精神保健医療情報支援システム)を活用してDPAT(災害派遣精神医療チーム)の情報集約、派遣調整を行い、現地では、精神科医療機関への支援として、被災した精神科医療機関から県内及び県外の医療機関に患者搬送を行った。平成28(2016)年10月に、被災者の精神的健康の保持及び増進を図るため「熊本こころのケアセンター」を設置し、きめ細かな「専門的な心のケア」を実施している。

③ 発達障害

国立障害者リハビリテーションセンターに設置されている発達障害情報・支援センターでは、震災直後から、発達障害のある人に対する円滑な支援を図るため、被災地で対応する方々に向けて、支援の際の留意点等の情報提供を行った。

④ 就学機会確保・就学支援等

文部科学省では、東日本大震災により就学困難となった幼児児童生徒に就学援助等を実施するとともに、各都道府県教育委員会等に対し、被災した幼児児童生徒の学校への受入れを要請している。また、熊本地震に被災した幼児児童生徒に対しても同様の対応を行っている。

⑤ 教師のためのハンドブック

国立特別支援教育総合研究所は、平成23(2011)年度に「震災後の子どもたちを支える教師のためのハンドブック~発達障害のある子どもへの対応を中心に~」を作成し、関係機関に配布するとともに、ホームページに掲載をしている。

⑥ 幼児児童生徒の状況把握等

文部科学省及び厚生労働省では、被災した障害のある幼児児童生徒の状況把握及び支援、教育委員会、学校等が支援を必要とする幼児児童生徒を把握した場合に保護者の意向を確認した上で市町村障害児福祉主管課に連絡するなどの教育と福祉との連携、障害児支援に関する相談窓口等の周知について、各都道府県教育委員会、障害児福祉主管課に対し要請している。

(2)防犯対策

ア 警察へのアクセス

障害のある人が警察へアクセスする際の困難を取り除くため、警察では、スマートフォン等を使用して、画像等の音声以外で緊急通報が行える全国一律の「携帯電話用110番サイトシステム」の整備に向けて検討を進めているほか、全都道府県警察における、FAX及びEメールでの緊急通報の受理(FAX110番及びメール110番)、巡回連絡等を行っている。

イ 犯罪・事故被害の防止

警察では、関係省庁及び関係団体と連携して、住宅等に対する侵入犯罪対策として大きな効果が期待できる防犯性能の高い建物部品の開発・普及を図っている。

ウ 障害者支援施設等における防犯対策の推進

平成28(2016)年7月に神奈川県相模原市の障害者支援施設で発生した殺傷事件を踏まえ、平成28年9月に「社会福祉施設等における防犯に係る安全の確保について(通知)」を発出し、防犯に係る日常の対応や緊急時の対応に関する具体的な点検項目を示し、各施設において必要な取組がなされるように周知した。

第2節 障害のある人の情報アクセシビリティを向上するための施策

1.情報アクセシビリティの向上

(1)総合的な支援

地域生活支援事業においては、IT関連施策の総合サービス拠点となる障害者ITサポートセンターの運営(26都府県:平成28(2016)年度末時点)や、パソコンボランティア養成・派遣等が実施されている。総務省では、平成29(2017)年11月に「IoT新時代の未来づくり検討委員会」を設け、ICTを利活用できるようにするための施策について、検討を行っている。

(2)障害のある人に配慮した機器・システムの研究開発

障害のある人の利用に配慮した情報通信機器・システムの研究開発の推進に当たっては、その公益性・社会的有用性が極めて高いにもかかわらず、収益性の低い分野であることから、国立研究機関等における研究開発体制の整備及び研究開発の推進を図るとともに、民間事業者等が行う研究開発に対する支援を行うことが重要である。平成28(2016)年度より国際標準化団体のISO/IEC JTC1にてスマートフォンやタブレットのアクセシビリティ向上を目的とした議論が開始され、我が国製造メーカーも参加している。

(3)情報アクセシビリティに関する標準化の推進

情報アクセシビリティに関する日本工業規格(JIS)として「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス」(JIS X8341シリーズ)を制定している。平成29(2017)年においては、国際規格との整合性を高めるため「電気通信機器」のJIS規格改正原案作成を進めた。

(4)ホームページ等のバリアフリー化の推進

総務省では、平成27(2015)年度に「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)」を改定し、アクセシビリティ評価ツール(miChecker)を更新した。また、平成29(2017)年度には国及び地方公共団体の公式ホームページのJIS規格対応状況を調査し、結果を公表した。

2.社会参加を支援する情報通信システムの開発・普及

(1)電子投票の実施の促進

我が国における電子投票は、平成14(2002)年2月より、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙において導入することが認められている。

(2)テレワークの推進

政府では、テレワークが様々な働き方を希望する人の就業機会の創出及び地域の活性化等に資するものとして、関係府省が連携し、テレワークの一層の普及拡大に向けた環境整備、普及啓発等を推進することとしている。平成29(2017)年から、関係府省・団体が連携し、2020年東京オリンピックの開会式が予定されている7月24日を「テレワーク・デイ」と位置付け、全国一斉のテレワークを実施している。

3.情報提供の充実

(1)情報提供に係る研究開発の推進

ア 民間による研究開発に対する支援

総務省では、高齢者や障害のある人向けの通信・放送サービスの開発を行うための通信・放送技術の研究開発を行う者に対し、支援を行っているほか、国立研究開発法人情報通信研究機構を通じて、身体に障害のある人のための通信・放送サービスの提供又は開発を行う者に対する助成、情報提供を実施している。

イ 使いやすい電話機の開発

電気通信事業者において、音量調節機能付電話等福祉用電話機器の開発や車椅子用公衆電話ボックスの設置など障害のある人が円滑に電話を利用できるよう種々の措置を講じている。

(2)情報提供体制の整備

ア 情報ネットワークの整備

社会福祉法人日本点字図書館を中心として運営されている視覚障害情報総合ネットワーク「サピエ」により、点字・録音図書情報等の提供を行っている。

平成21(2009)年6月に可決成立した著作権法(昭和45年法律第48号)改正により、障害の種類を限定せずに、視覚や聴覚による表現の認識に障害のある人が広く対象になるとともに、視覚障害のある人については、デジタル録音図書の作成、聴覚障害のある人については、映画や放送番組への字幕・手話の付与など、それぞれの障害のある人が必要とする幅広い方式での複製等が可能となった。なお、当該複製等を行う主体についても、障害者施設に加えて、公共図書館等の施設なども含まれることとなった。

平成25(2013)年6月に、「盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約」が採択されたことを踏まえ(平成28(2016)年9月に発効)、文化審議会著作権分科会において、本条約締結のための制度整備や視覚障害者等のための情報アクセス機会の充実に向けた制度整備について検討が行われ、平成29(2017)年4月に報告書が取りまとめられた。具体的には、視覚障害者等のための権利制限規定の対象を肢体不自由者に拡大することや、ボランティア団体が障害者向けに音訳サービス等を提供しやすくするための制度の整備等について提言された。

イ 政府広報における情報提供

内閣府では、視覚に障害がある人に対して政府の重要な施策の情報を提供するため、政府広報として音声広報CDを発行している。

ウ 字幕付きビデオ及び点字版パンフレット等の作成

法務省刑事局では、犯罪被害者やその家族、さらに一般の人々に対し、検察庁における犯罪被害者の保護・支援のための制度について分かりやすく説明したDVDを全国の検察庁に配布し、説明のポイントにテロップを利用しているほか、全編に字幕を付すなどしている。

エ 国政選挙における配慮

国政選挙においては、平成15(2003)年の公職選挙法(昭和25年法律第100号)改正により、郵便等投票の対象者が拡大されるとともに、代理記載制度が創設されているほか、点字による「候補者名簿及び名簿届出政党等名簿」の投票所等への備付け、投票用紙に点字で選挙の種類を示す取組、点字版やカセットテープ、コンパクトディスク等の音声版による候補者情報の提供等を行っている。

また、政見放送における取組として、手話通訳や字幕をつけることができることとしている。

(3)字幕放送、解説放送及び手話放送の推進

平成9(1997)年の放送法(昭和25年法律第132号)改正により、字幕番組、解説番組をできる限り多く放送しなければならないとする努力義務規定が設けられた。

平成19(2007)年10月には、「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」を策定し、行政指針に定められた普及目標の実現に向けて、放送事業者の取組を促してきた。同指針の普及目標が、平成29(2017)年度までとされていることから、総務省では、平成30(2018)年度以降の普及目標を定めるため、平成29年9月から「視聴覚障害者等向け放送に関する研究会」を開催し、12月に報告書をとりまとめた。これを踏まえて平成30年2月に「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」を策定した。また、国立研究開発法人情報通信研究機構を通じて字幕番組、解説番組及び手話番組の制作費等の一部助成も行っている。

(4)日本銀行券の券種の識別性向上に向けた取組

財務省は、国立印刷局、日本銀行とともに、現行の日本銀行券がより使いやすいものとなるよう、平成25(2013)年4月26日に「日本銀行券の券種の識別性向上に向けた取組み」を公表した。平成29(2017)年度においても、具体的な3つの取組として、①改良五千円券の発行や、②日本銀行券にカメラをかざすことで音声等により券種をお知らせするスマートフォン用の券種識別アプリ(言う吉くん)の提供、③券種を識別して音声等により通知する専用機器の開発に資する技術情報の提供を行っている。

4.コミュニケーション支援体制の充実

(1)手話や点訳等によるコミュニケーション支援

地域生活支援事業においては、聴覚、言語機能、音声機能、視覚その他の障害のため、意思疎通を図ることに支障がある人に、手話通訳者等の派遣や設置、点訳や音声訳等による支援などを行う意思疎通支援事業や、点訳奉仕員、朗読奉仕員、要約筆記者、手話奉仕員及び手話通訳者等の養成研修が実施されている。平成25(2013)年4月に改正された障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)における地域生活支援事業では、手話通訳者、要約筆記者及び盲ろう者向け通訳・介助員の養成研修を都道府県の必須事業とするとともに、派遣を行う事業についても市町村で実施できない場合などは都道府県が実施する仕組みとし、意思疎通支援の強化を図っている。

厚生労働省においては、平成29(2017)年度より、全国4か所の聴覚障害者情報提供施設等において、聴覚障害のある人が一人で電話をかけられるよう、手話通訳や文字通訳に対応するオペレーターを配置して支援する「電話リレーサービス」を実施している。

(2)コミュニケーション支援用絵記号及びアクセシブルミーティング

日本工業標準調査会(JISC)は、文字や話し言葉によるコミュニケーションの困難な人が、自分の意思や要求を相手に的確に伝え、正しく理解してもらうことを支援するための絵記号に関する規格を「コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則(JIS T0103)」として制定し、障害のある人が会議に参加しやすいように主催者側の配慮事項を「アクセシブルミーティング(JIS S0042)」として規格を制定した。

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