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第13回総合科学技術会議議事要旨

 


(開催要領)

1.開催日時:2001年12月25日(火)14:00〜14:55

2.場所:総理官邸大客間

3.出席議員

 議長 小泉 純一郎 内閣総理大臣
 議員 福田 康夫 内閣官房長官
尾身 幸次 科学技術政策担当大臣
片山 虎之助 総務大臣
塩川 正十郎 財務大臣
遠山 敦子 文部科学大臣
平沼 赳夫 経済産業大臣
吉川 弘之 日本学術会議会長
石井 紫郎  
井村 裕夫  
黒田 玲子  
桑原 洋  
白川 英樹  
前田 勝之助  
(臨時)    
 議員 坂口 力  厚生労働大臣 (代理 南野 知惠子 厚生労働副大臣)
武部 勤 農林水産大臣
川口 順子 環境大臣 (代理 風間 昶 環境副大臣)
中谷 元 防衛庁長官



(議事次第)

1.開会

2.議事

(1)平成14年度予算案及び平成13年度補正予算について
(2)科学技術システム改革について
(3)ITER計画について
(4)最近の科学技術の動向について(月例科学技術報告)
(5)その他

3.閉会



(配付資料)

資料1−1 平成14年度科学技術関係予算(速報値)(PDF)
資料1−2 平成13年度科学技術関係補正予算(PDF)
資料1−3 平成14年度予算案及び平成13年度補正予算案における重点分野等に係る主な施策の位置付け(PDF)
資料1−4 平成14年度予算の実施に関するフォローアップについて(PDF)
資料2−1 研究者の流動性向上に関する基本的指針(意見)(案)(PDF)
資料2−2 研究者の流動性向上について(PDF)
資料3 研究機関等における知的財産権等研究成果の取扱いについて(意見)(案)(PDF)
資料4 競争的資金の制度改革について(意見)(案)(PDF)
資料5−1 ITER計画に対する考え方(PDF)
資料5−2 核融合とは何か
資料6 最近の科学技術の動向について(月例科学技術報告)(PDF)
資料7 第12回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)



(会議概要)

1.議事概要

(1)平成14年度予算案及び平成13年度補正予算について

 平成14年度予算案(速報値)及び平成13年度補正予算について、資料1−1(PDF)資料1−2(PDF)資料1−3(PDF)に基づき、井村議員から説明。あわせて、平成14年度予算の実施に関するフォローアップについて、資料1−4(PDF)に基づき説明。
今後、資料1−4(PDF)に基づき、尾身議員と有識者議員を中心にフォローアップを進めることとした。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(白川議員)
 教育研究基盤校費の重要性について一言申し上げる。ここ10年間で大学生は毎年6%増加しているにもかかわらず、14年度予算案は、前年度予算とほぼ同額となっている。科学技術の最も基礎となる研究費・教育費が全く伸びなかったことは残念。15年度以降、十分考慮した対応が必要。

(遠山議員)
 白川議員のご指摘の趣旨は理解。一方、競争的資金が大幅に伸びる中で、教育研究基盤校費について前年度と同額を確保できたことは、関係議員のご支援によるものと大変感謝している。



(2)科学技術システム改革について

 前田議員から、「研究者の流動性向上に関する基本的指針」「研究機関等における知的財産権等研究成果の取扱い」「競争的資金の制度改革」について、資料2−1(PDF)資料2−2(PDF)資料3(PDF)資料4(PDF)に基づき、説明。
 「研究者の流動性向上に関する基本的指針(意見)」(資料2−1)(PDF)「研究機関等における知的財産権等研究成果の取扱いについて(意見)」(資料3)(PDF)「競争的資金の制度改革について(意見)」(資料4)(PDF)については、原案どおり決定し、総合科学技術会議から内閣総理大臣及び関係大臣に対して意見具申。
 また、本日の意見等も踏まえ、今後、総合科学技術会議において、知的財産に関する国家戦略の方向付けについて検討を進めていくこととした。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(桑原議員)
 知的所有権については、優れた知的所有権を国益に沿うべくいかに有効活用するか、ということが重要。この点については、これまで我が国は認識が甘かった。今後、深い議論をしていく必要がある。

(井村議員)
 国民全体が、知的財産について敬意を払うことが重要。これまでは、こうした文化が必ずしも十分ではなかった。また、人材の育成が不十分。国際化が進む中で、知的財産を専門とする弁護士、弁理士を養成していくことは非常に重要。今後、知的財産権の問題は、外交、行政、法律、司法、企業など、国のあらゆる分野で重要な課題となるので、単に科学技術政策だけではなく、国家政策として知的財産権のあり方を考えていただきたい。
 競争的資金についてだが、小渕総理の時代に「ミレニアム・プロジェクト」を創設したが、研究費がいかに研究者に配分されているのかについては、未だ評価・助言会議で完全に把握できていない。多くの研究者にわたるのはいいが、必ずしも目的に沿って配分されていない恐れがある。これは、研究歴があって見識のある研究者が、責任を持って配分・フォローアップする体制がなかったために起こったことである。今後、こうした体制づくりにご協力いただきたい。

(石井議員)
 現在、法科大学院、ロー・スクールに関する改革の議論が進められているが、法律実務の教育に重点がおかれ、肝心の科学技術、生命倫理といった、今後法律家に不可欠となる素養をどうやって身につけさせるか、についての議論が手薄い。各方面でご努力いただければと思う。

(遠山議員)
 我が国では、知恵はタダという風潮が強いが、知恵は最大の価値を持つもの。近く、すべての研究機関に通用する研究成果の取扱いについて、検討会を開催し、研究成果の帰属先の明確化、研究現場での成果の幅広い利用、産業界での商業的利用を促進するルール等を検討する予定。
 研究者の流動性向上については、さらに流動性を高めることをはじめとして人材養成を強化するため、文部科学省としても、科学技術・学術審議会の下に人材委員会を設置し、幅広い観点から調査検討いただくこととしている。できるだけ早く研究者の流動性の向上を図り、優れた人材の養成・確保に努めてまいりたい。



(3)ITER計画について

 井村議員から、尾身議員と有識者議員でとりまとめた「ITER計画に対する考え方」(資料5−1)(PDF)について説明。あわせて、桑原議員から「核融合とは何か」(資料5−2)(PDF)について説明。
 今後、海外の最新情勢、来年1月の政府間協議の状況等を踏まえ、次回以降の総合科学技術会議で、ITER計画に関する考え方について、最終取りまとめを行うこととした。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(遠山議員)
 初めて基本的な考え方が示され、大変参考になる。ただし、文部科学省は、他の重要分野に影響を及ぼさないよう、責任を持って予算を措置すべきものとあるが、ITER計画に参加・誘致することになった場合には、文部科学省が所要の責任を果たすことはもちろんであるが、重要かつ大規模なプロジェクトであるので、政府全体で国力をあげて取り組むべきものと考えている。今後は、この点も考慮しつつ、欧米等の最新情勢、1月開催予定の政府間協議の状況等も見極めた上で最終判断を行うことが必要。

(白川議員)
 ITER計画の参加・誘致の判断にあたって、第1に、その他の国内核融合研究について考慮すべき。国内核融合研究については、いろいろな方式を競争しながら進めている。トカマクは一番進んでいることをもってITER計画に取り入れられたが、本計画に集中してよいのかの点に懸念がある。資金の関係で全てを競争させるわけにはいかないが、十分に考慮することが必要。
 第2は、英国における早期実現の提案があるものの、本計画は50年〜100年を見据えたものであり、電力としての実用化については、じっくり考えていかなければならない。この間のエネルギー確保については、科学技術上は、現に降り注いでいる太陽光をもっと有効に活用することについて資源を投入すべきである。

(塩川議員)
 ITER計画には希望を持っているが、財政当局では中身がわからない。有識者議員の懇談会にも質問の文書を提出したが、一度、財政当局の事務方と議論をさせていただきたい。私としても、国民との関係は心配しており、国民に周知徹底し、地固めして進んでいくという方法をとっていただきたい。そのためには、有識者議員の皆様の議論を一般に公表していただくと国民の理解を得られやすい。議事録が無理であれば、それに変わるものについて、何らかの形でパブリック・コメントに付していただきたい。
 7000億円という話もあるが、もっと増えるという話もある。科学技術について5年間で24兆円という予算規模は絶対に確保していきたいと思っているが、その中でITERがどの程度を占めるのか、という計画とあわせたデザインを作っていただきたい。
 いずれにしても、今後、我々の意見書をご検討いただいた上で、話し合いを進めさせていただきたい。

(尾身議員)
 ご指摘の財務省の意見書については、すでに検討している。文部科学省からのコメントももらっている。一度、文書で整理して、有識者議員の中でご議論いただき、文書でのパブリック・コメント、財務省との協議等も含め、しっかりと考え方を整理した上で、国民の理解を得られるよう、できるだけオープンの場で進めたい。

(塩川議員)
 原子力船の際にも、PR不足もあって問題を起こしたこともあったので、国民の理解を少しずつかためて進んでいっていただきたい。

(井村議員)
 遠山議員がおっしゃった費用の点については、第二期科学技術基本計画に示された、科学技術関係経費を拡充していくなかで、つまり原子力予算を年間3%程度伸ばす中で、その範囲内で確保することが可能だと認識している。もちろん、現在厳しい財政状況にあるので、私としても科学技術関係経費を拡充する努力を進めて協力していく必要があると考えている。

(尾身議員)
 7000億円は、建設、運転を入れた30年間の総額であるので、第二期科学技術基本計画の5年間の24兆円という枠の中には十分おさまるというのが、有識者議員の見解である。

(石井議員)
 資料6の3頁に、「ITER計画の誘致も考慮に入れて政府間協議に臨むことが適当である。政府間協議にあたっては、参加極間の必要負担や責任のバランスのとれた枠組みの形成に努め、国益を損なうことのないよう最善の努力を尽くすべき」とあるが、この文章は、費用や責任の分担の枠組を決める協議と、同時並行的に進められる誘致を巡る腹のさぐり合い、駆け引きが微妙にからみあうことを念頭に置いて書かれたもの。ITER計画に対する対応は、これからの協議、誘致を巡る駆け引きに大きく依存するという趣旨を書いたものであって、これで直ちに進もうといっているわけではない。政府の努力でこうしたことが間違いなく進んで欲しいという気持ちで書いているもの。

(小泉総理)
 どうして「トカマク」だけではなく、いろいろな方式で研究しているのか。競争意欲があるのか、無駄なのか、両方あると思うが。

(桑原議員)
 プラズマ閉じ込めは非常に難しい。現在、トカマクが一番可能性を持っているが、材料の問題や、熱を取り出す問題等があり、最終的にどの方式が残るかが断定できない状況であるので、いろいろな研究者が、いろいろなことをトライしている段階である。

(尾身議員)
 これまでどのくらいお金を使っているのかも合わせて教えて欲しい。

(桑原議員)
 「JT60」は2300億円、「ヘリカル」は500億円、その他は全貌はつかめていないが、金額的にはあまり大きくない。

(井村議員)
 「レーザー」がその次に多額となるが100億円程度である。現在のところ、トカマクが最も高い性能を持っているが、トカマクはかなり規模が大きいので、実用化に最も適しているかはわからない。したがって、もう少し小型で同じ性能のものを開発することも重要であり、並行して研究を進めていくことが必要。



(4)最近の科学技術の動向について(月例科学技術報告)

 井村議員から、去る11月30日から12月2日まで、英国で開催されたカーネギーグループ会合の概要について、資料6(PDF)に基づき説明。



2.議長(内閣総理大臣)しめくくり発言

 これまで、省庁縦割りではないかという批判があったが、今回、総合科学技術会議が、省庁の垣根を越えて、科学技術政策の全体像を決めた。特に、有識者議員の皆様が、これからの科学技術政策の大きな方向性を打ち出したことには大きな意義がある。これからも、科学技術は、小泉改革の重要な柱であるので、皆様のご指導・ご鞭撻、今後のフォローアップをよろしくお願いしたい。
 科学技術のシステム改革については、大きな行政改革の流れの中で、しっかりと対応していただきたい。競争的資金の制度改革については、特殊法人改革の観点も含め、徹底的な対応をお願いしたい。
 ITER計画については、本日、尾身大臣と有識者議員の皆様から基本的考え方が示されたので、本日の発言の趣旨も踏まえて、次回以降の総合科学技術会議で最終判断をしてまいりたい。
内閣府  科学技術政策・イノベーション担当
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