2. 調査結果の概要
(8) 不安、関心、満足度
(8) 不安、関心、満足度
ア 悩みやストレスの有無(Q56)
「現在、日常生活で悩みやストレスがあるか」についてみると、「大いにある」の割合は韓国で22.5%と高いが、他の4か国ではいずれも1割未満と低い(2.6%~7.7%)。
「まったくない」の割合が高い順にみると、スウェーデン(71.2%)、ドイツ(65.2%)、アメリカ(50.5%)、日本(39.6%)、韓国(29.5%)となっている。スウェーデン、ドイツ、アメリカでは、「まったくない」の割合が最も高いが、日本及び韓国のアジア2か国では、「少しはある」(日本52.7%、韓国48.1%)の割合が最も高くなっている。
(表64) | (%) |
日本 | アメリカ | 韓国 | ドイツ | スウェーデン | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第1回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第5回 | |
1 大いにある | - | - | - | - | 7.7 | - | - | - | - | 5.0 | - | - | - | 22.5 | - | - | 4.4 | 2.6 |
2 少しはある | - | - | - | - | 52.7 | - | - | - | - | 43.0 | - | - | - | 48.1 | - | - | 30.4 | 26.2 |
3 まったくない | - | - | - | - | 39.6 | - | - | - | - | 50.5 | - | - | - | 29.5 | - | - | 65.2 | 71.2 |
イ 悩みやストレスの内容(Q57)
「日常生活で悩みやストレスがある高齢者の、悩みやストレスの内容」についてみると、いずれの国でも割合が高いのは、「自分の健康や病気について」及び「子どもや孫の将来について」である。また、韓国では、「生活費について」の割合が他の4か国に比べて高い。
国別にみると、日本では、上位から順に、「自分の健康や病気について」(48.8%)、「子どもや孫の将来について」(27.0%)、「同居している家族の健康や病気について」(22.6%)となっている。
アメリカでは、「自分の病気や健康について」(42.8%)、「同居している家族の健康や病気について」(31.0%)、「子どもや孫の将来について」(30.6%)となっている。
韓国では、「自分の健康や病気について」(56.0%)、「生活費について」(41.7%)、「子どもや孫の将来について」(30.6%)となっている。
ドイツでは、「自分の健康や病気について」(48.9%)、「子どもや孫の将来について」(31.0%)、「同居している家族の健康や病気について」(21.4%)となっている。
スウェーデンでは、「子どもや孫の将来について」(45.8%)、「自分の健康や病気について」(38.5%)、「同居している家族の健康や病気について」(30.6%)となっている。
(表65) | (日常生活で悩みやストレスがある方に)○付数字は順位(複数回答) (%) |
日本 | アメリカ | 韓国 | ドイツ | スウェーデン | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第1回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第5回 | |
1 家族との人間関係について | - | - | - | - | 18.9 | - | - | - | - | 24.9 | - | - | - | 23.1 | - | - | 12.4 | 6.9 |
2 友人・知人との人間関係について | - | - | - | - | 9.0 | - | - | - | - | 6.7 | - | - | - | 2.4 | - | - | 3.6 | 3.8 |
3 話し相手がいないこと | - | - | - | - | 3.9 | - | - | - | - | 6.2 | - | - | - | 2.7 | - | - | 4.7 | 4.9 |
4 生活費について | - | - | - | - | 19.0 | - | - | - | - | 25.8 | - | - | - | (2)41.7 | - | - | 16.8 | 16.3 |
5 自分の介護について | - | - | - | - | 13.9 | - | - | - | - | 21.8 | - | - | - | 15.9 | - | - | 16.2 | 16.3 |
6 自分の健康や病気について | - | - | - | - | (1)48.8 | - | - | - | - | (1)42.8 | - | - | - | (1)56.0 | - | - | (1)48.9 | (2)38.5 |
7 同居している家族の健康や病気について | - | - | - | - | (3)22.6 | - | - | - | - | (2)31.0 | - | - | - | 23.7 | - | - | (3)21.4 | (3)30.6 |
8 家族や親族に対する介護について | - | - | - | - | 8.2 | - | - | - | - | 13.5 | - | - | - | 6.5 | - | - | 5.8 | 9.4 |
9 遺産相続について | - | - | - | - | 3.6 | - | - | - | - | 3.1 | - | - | - | 0.4 | - | - | 4.4 | 9.7 |
10 子どもや孫の将来について | - | - | - | - | (2)27.0 | - | - | - | - | (3)30.6 | - | - | - | (3)30.6 | - | - | (2)31.0 | (1)45.8 |
11 その他 | - | - | - | - | 6.3 | - | - | - | - | 11.2 | - | - | - | 2.5 | - | - | 12.4. | 11.5 |
ウ 高齢者に対する重要な政策や支援(Q58)
「高齢者に対する政策や支援で大切だと思うもの」についてみると、いずれの国においても「公的な年金制度の充実」(日本67.8%、アメリカ76.2%、韓国58.6%、ドイツ87.0%、スウェーデン85.6%)の割合が最も高い。このほか、いずれの国においても割合が高いのは、「医療サービスの整備、充実」(50.6%~63.7%)、「介護や福祉サービスの整備、充実」(32.7%~59.9%)である。
韓国では、「働く場所の確保」(47.3%)が他の4か国に比べて高い。
また、ドイツとスウェーデンでは、「事故や犯罪防止の対策」(ドイツ41.5%、スウェーデン44.5%)、「高齢者向けの住宅の整備、充実」(ドイツ38.7%、スウェーデン37.5%)、「高齢者の人権について一般市民への理解」(ドイツ35.5%、スウェーデン31.4%)が他の国に比べて高い。
スウェーデンでは、「高齢者に配慮した街づくり」(43.9%)や「ボランティア活動や学習のための場の確保」(33.3%)も他の国に比べて高く、高齢者が大切だと思う施策や支援が多いことがわかる。
(表66) | ○付数字は順位(複数回答)(%) |
日本 | アメリカ | 韓国 | ドイツ | スウェーデン | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第1回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第5回 | |
1 働く場所の確保 | - | - | - | - | 30.6 | - | - | - | - | 33.3 | - | - | - | (3)47.3 | - | - | 24.5 | 11.8 |
2 公的な年金制度の充実 | - | - | - | - | (1)67.8 | - | - | - | - | (1)76.2 | - | - | - | (1)58.6 | - | - | (1)87.0 | (1)85.6 |
3 老後のための個人的な財産形成の充実 | - | - | - | - | 23.1 | - | - | - | - | 24.5 | - | - | - | 14.3 | - | - | 25.1 | 24.5 |
4 医療サービスの整備、充実 | - | - | - | - | (2)57.3 | - | - | - | - | (2)62.8 | - | - | - | (2)50.6 | - | - | (3)52.6 | (2)63.7 |
5 介護や福祉サービスの整備充実 | - | - | - | - | (3)54.1 | - | - | - | - | 32.7 | - | - | - | (4)45.2 | - | - | (2)55.9 | (3)59.9 |
6 ボランティア活動や学習のための場の確保 | - | - | - | - | 15.7 | - | - | - | - | 9.2 | - | - | - | 14.7 | - | - | 21.1 | 33.3 |
7 高齢者向けの住宅の整備、充実 | - | - | - | - | 23.5 | - | - | - | - | 19.2 | - | - | - | 21.6 | - | - | 38.7 | 37.5 |
8 高齢者に配慮した街づくり | - | - | - | - | 33.2 | - | - | - | - | 12.0 | - | - | - | 27.3 | - | - | 31.2 | 43.9 |
9 事故や犯罪防止の対策 | - | - | - | - | 23.1 | - | - | - | - | 14.0 | - | - | - | 12.3 | - | - | 41.5 | 44.5 |
10 高齢者の人権について一般市民への理解 | - | - | - | - | 18.4 | - | - | - | - | 10.5 | - | - | - | 13.8 | - | - | 35.5 | 31.4 |
11 その他 | - | - | - | - | 2.2 | - | - | - | - | 1.8 | - | - | - | 0.8 | - | - | 1.3 | 1.1 |
エ 生活の総合満足度(Q59)
「現在の生活に満足しているか」についてみると、「満足している」の割合が最も高いのは、アメリカ(70.3%)、スウェーデン(59.5%)であり、「まあ満足している」の割合が最も高いのは、日本(62.9%)、韓国(50.0%)、ドイツ(59.1%)であった。
また、韓国では、「やや不満である」及び「不満である」がそれぞれ29.2%及び8.6%と、他の国に比べて高い割合となっている。
「満足している」と「まあ満足している」を合わせた割合は、韓国(62.2%)を除く4か国では約9割となり、ほとんどの高齢者が満足感を感じている(日本85.2%、アメリカ94.9%、ドイツ92.4%、スウェーデン98.5%)。
前回調査と比較すると、「満足している」はアメリカと韓国で増加しており、日本とドイツは減少している。
(表67) | (%) |
日本 | アメリカ | 韓国 | ドイツ | スウェーデン | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第1回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第5回 | |
1 満足している | - | - | - | 29.8 | 22.3 | - | - | - | 47.8 | 70.3 | - | - | 7.5 | 12.2 | - | 52.2 | 33.3 | 59.5 |
2 まあ満足している | - | - | - | 57.5 | 62.9 | - | - | - | 41.5 | 24.6 | - | - | 54.6 | 50.0 | - | 35.5 | 59.1 | 39.0 |
3 やや不満である | - | - | - | 11.0 | 12.2 | - | - | - | 8.0 | 2.9 | - | - | 29.1 | 29.2 | - | 9.6 | 6.8 | 1.1 |
4 不満である | - | - | - | 1.5 | 2.6 | - | - | - | 1.5 | 0.9 | - | - | 8.9 | 8.6 | - | 1.8 | 0.9 | 0.4 |