第1章 高齢化の状況(第2節3(3))
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
3 高齢者と健康・福祉
(3)若年期からの健康づくりが重要
65歳以上の高齢者の死因となった疾病をみると、平成18(2006)年において、心疾患、脳血管疾患の2つの疾病で約3割を占めている(前掲図1-2-28)。また、高齢者が介護を要する状況となった理由の4人に1人は脳血管疾患である(前掲図1-2-33)。
また、肥満者の多くが、高血圧症、高脂血症、糖尿病等の生活習慣病を併せ持ち、これらの危険因子が重なるほど、心疾患、脳血管疾患を発症する危険性が明らかとなった。
そういった中で、平成17(2005)年4月、日本内科学会等の8つの学会が、内臓脂肪の蓄積に着目して、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の考え方を取りまとめ、メタボリックシンドロームに着目して、効果的に生活習慣病予防を行うことを提言している。
平成18年の「国民健康・栄養調査」によると、メタボリックシンドロームが強く疑われる者と予備群と考えられる者の合計は、総数で男性45.3%、女性18.6%となっている。年齢階級が高くなるほど増加する傾向がみられるが、特に40歳以降増加する傾向がみられ、40~74歳では男性の50.5%(2人に1人)、女性の19.8%(5人に1人)が、メタボリックシンドロームが強く疑われる者又は予備群と考えられる者である(図1-2-38)。
図1-2-38 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)該当者・予備群の現況
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また、メタボリックシンドロームに関連する生活習慣の状況を年齢階級別にみると、運動習慣のある者の割合は20歳代、30歳代などの若い世代で低く(20歳代男性は25.0%、女性は17.1%、30歳代は男女ともに17.5%)、朝食の欠食率についても若い世代が高い状況にある(20歳代男性は30.6%、女性は22.5%、30歳代男性は22.8%、女性は13.9%)(図1-2-39)。
図1-2-39 年齢階級別にみた生活習慣の状況