第1章 高齢化の状況(第2節2(4))
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
2 高齢者の経済状況
(4)世帯主が65歳以上の世帯では、一人当たりの支出水準は全世帯を上回り、貯蓄は全世帯平均の1.4倍
支出についてみると、世帯主の年齢階級別の世帯人員一人当たりの1年間の支出は、世帯主が29歳以下の世帯が最も高く159.2万円で、30~39歳の世帯が104.8万円と底となり、年齢が上がるにつれて増加し、60~69歳、70歳以上ではそれぞれ136.3万円、129.6万円である。世帯主が65歳以上の世帯の支出は全世帯の平均と比較すると、一人当たりの支出水準は全世帯を上回っている(図1-2-2-5)。
また、資産についてみてみると、世帯主の年齢階級別の家計の貯蓄・負債の全般的状況は、世帯主の年齢が高くなるにつれて、1世帯当たりの純貯蓄は増加し、世帯主が60歳以上の世帯では他の年齢層と比べて大きな純貯蓄を有していることが分かる。年齢が高くなればなるほど、貯蓄額と持家率が増加する一方、世帯主が40~49歳の世帯をピークに負債額は減少していく。
なお、世帯主が60歳以上の世帯の貯蓄の15%弱は郵便貯金銀行の定期性預金である(図1-2-2-6)。
貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、世帯主の年齢が65歳以上の世帯(二人以上の世帯)では、4,000万円以上の貯蓄を有する世帯が17.1%であり、全世帯(10.4%)の1.6倍近い水準となっている(図1-2-2-7)。また、負債が貯蓄を超えている世帯の割合は5.7%にとどまり、全世帯(22.6%)に比べて低い割合にある(図1-2-2-8)。