第1章 高齢化の状況(第2節4(2))
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
4 高齢者の就業
(2)高齢者の雇用情勢は平成15~19年にかけて大幅に改善したが、近年は経済情勢の悪化を受け失業率は上昇
全産業の雇用者数の推移をみると、平成21(2009)年時点で、他の年齢層が減少あるいは微増にとどまっている中で、60~64歳の雇用者が408万人、65歳以上の雇用者が305万人と継続して伸びている(図1-2-4-5)。
また、定年到達予定者等の状況をみると平成18(2006)年4月より「高年齢者等雇用の安定等に関する法律」に基づき、事業主に対して段階的な定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等の措置を講じることが義務付けられたこともあり、定年到達予定者のうち、継続雇用予定者の割合は、17(2005)年に比較して、21(2009)年には、48.4%から71.3%となっており、20年よりはやや減少しているものの、依然として高い数値となっている(図1-2-4-6)。
高齢者の雇用情勢をみると、平成15~19年にかけて大幅に改善したが、近年、経済情勢の急速な悪化を受けて悪化し、21(2009)年の高齢者の完全失業率は、全年齢(15歳以上)の完全失業率が前年と比べ、1.1ポイント上昇し、6年ぶりに5%台となり、かつ過去最大の上昇幅となっていることと相まって、上昇傾向である。また、就業率は20年においては60歳代前半で大きく上昇したものの、21年においては、低下に転じた(図1-2-4-7)。