第1章 高齢化の状況(第2節 コラム3)

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第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向

コラム3 高齢者の心を癒すアニマルセラピー

高齢者医療や福祉の現場において、動物との触れ合いから生まれる効果を活用する「アニマルセラピー」の取組が広がっている。

ケースI 日本動物病院福祉協会によるCAPP活動

JAHA(公益社団法人日本動物病院福祉協会)では、動物病院を中心として推進するアニマルセラピー(CAPP活動)として、高齢者施設、病院などを訪問し、高齢者に動物の持つ温もりや優しさと触れてもらうボランティア活動を実施している。ボランティアに参加するのは各家庭で家族として幸せに暮らしている動物たちである。CAPP活動は昭和61(1986)年に始まり、これまでに1万回を超える訪問を実施してきた。関わったボランティアは9万人を超え、多くの高齢者の心を癒してきた。

コラム3の写真1

ケースII 「日本レスキュー協会」によるセラピードッグの派遣

特定非営利活動法人「日本レスキュー協会」では、セラピードッグメディカルセンターを設立・運営し、種を問わず犬たちを受け入れ、福祉施設等で高齢者の心と体を癒すセラピードッグとして活躍できるよう、高度な訓練を行っている。セラピードッグの派遣はこれまでに2,000回を超え、地震等で被害を受けた被災者の心を癒すため、被災地への派遣も行っている。

コラム3の写真2

アニマルセラピーは、ペットとの触れ合いを通じて心の癒しにつながるものであるが、動物との触れ合いの効果は個人差もあり、環境や衛生面にも配慮して慎重に行う必要がある。

これらの応用は、様々な分野で試行的に行われている部分があり、今後の研究に期待が寄せられている。

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