第1章 高齢化の状況(第3節 1-4)
第3節 国際比較調査に見る日本の高齢者の生活と意識の特徴(4)
4 情報機器の活用について
(1)ふだん、利用している情報通信機器
各国の60歳以上の人に、情報収集や情報伝達のために、ふだん、利用している情報通信機器を尋ねたところ、いずれの国も「テレビ」が最も高い割合となり、日本、アメリカ、スウェーデンの約8割、ドイツの約9割が「テレビ」と回答している。
一方、「携帯電話」、「スマートフォン」、「タブレット」及び「パソコン」と回答した割合についてみると、アメリカでは「パソコン」が62.9%と最も割合が高く、日本、ドイツ、スウェーデンでは「スマートフォン」が最も割合が高く、それぞれ44.5%、65.2%、58.8%となっている(図1-3-8)。
(2)各国の60歳以上の人の8割超が家族などとの連絡のため携帯電話・スマートフォンを利用
各国の60歳以上の人に、情報機器を使って、どのようなことをしているか尋ねたところ、スウェーデンを除く国では、「携帯電話・スマホで家族・友人などと連絡をとる(携帯電話のメールを含む。)」、「インターネットで情報を集めたり、ショッピングをする」の順に高い回答割合となっており、各国の60歳以上の人の8割弱から9割弱が「携帯電話・スマホで家族・友人などと連絡をとる(携帯電話のメールを含む。)」と回答している。
平成27年度調査と比較すると、「携帯電話・スマホで家族・友人などと連絡をとる(携帯電話のメールを含む)」と回答した割合はドイツが63.4%から79.0%へ増加し、日本、アメリカ、スウェーデンは8割弱から9割弱と大きな変化はみられない。また、「パソコンの電子メールで家族・友人などと連絡をとる」と回答した割合は、アメリカ、ドイツが大きく増加した一方、スウェーデンが5割前後、日本が1割台にとどまっている。さらに、「インターネットで情報を集めたり、ショッピングをする」は、各国とも大きく増加し、高い割合の順に、スウェーデン67.9%(55.1%)、アメリカ64.3%(35.1%)、ドイツ56.9%(19.0%)、日本31.7%(16.5%)となっている(図1-3-9)。
(3)情報機器を使わない理由
「情報機器を使わない」と回答した各国の60歳以上の人に、情報機器を使わない理由を尋ねたところ、日本及びスウェーデンは「使い方が分からないので、面倒だから」(日本50.3%、スウェーデン40.5%)、アメリカ及びドイツは「必要性を感じないから」(アメリカ56.7%、ドイツ76.2%)と回答した割合が最も高くなっている。
平成27年度調査と比較すると、日本では、「必要性を感じないから」が70.4%から49.2%と減少する一方、「使い方がわからないので、面倒だから」が26.8%から50.3%へと増加しており、60歳以上の人も情報機器の必要性は感じているものの、使い方がわからないので面倒だという傾向がみられる(図1-3-10)。