第2章 令和7年度高齢社会対策の実施の状況(第2節 トピックス)

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第2節 分野別の施策の実施の状況(トピックス)

トピックス1 静岡市認知症ケア推進センターかけこまち七間町 ~認知症のこと、気軽に話してみませんか~

令和6年に施行された認知症基本法に基づき、国・地方公共団体等により様々な認知症施策が推進されているが、相談対応、情報提供、VR体験機器などを活用した普及啓発等を一体的に実施する常設の拠点として開設された、静岡県静岡市の「静岡市認知症ケア推進センター“かけこまち七間町”」を紹介する。

事業の目的・概要

静岡県静岡市(人口665,330人、高齢化率31.5%(令和8年3月31日現在))は、政令指定都市の中でも、高齢化率が高く、「健康長寿・誰もが活躍のまちづくり計画」を策定し、その柱の一つとして、「認知症総合支援プロジェクト」を推進している。静岡市認知症ケア推進センター“かけこまち七間町”」(以下「かけこまち七間町」という。)は「認知症に悩む市民の方々とそのご家族が、『ここへ来れば何かよいことがある、今後の支えになる』と思える場所にしたい」との思いから、認知症本人やその家族の支援を行うとともに、広く全世代を対象とした認知症予防や認知症への理解促進を行うため、令和2年10月に開設された認知症施策の常設の拠点である。

具体的な取組内容

「かけこまち七間町」は、七間町通りという全世代のアクセスの良い市の中心部に位置し、明るくオープンな雰囲気の下、土日も開館していることから、「特別な施設」ではなく、「困ったときにすぐに相談できる」「買物のついでに立ち寄れる」など市民にとって心理的にも地理的にも利用しやすい場所であることが特徴的である。 なお、“かけこまち”とは、誰もが気軽に立ち寄れるという「かけつけ集まる」の意味と、静岡市中心街の親しみを込めた呼称「おまち」を合わせたものである。

かけこまち七間町

かけこまち七間町

「かけこまち七間町」の役割は、①認知症の本人・家族への支援と②認知症の理解促進のための普及啓発であり、介護・福祉の専門職が常駐し、相談対応、情報提供、普及啓発等を一体的に実施する点を特徴としている。

具体的には、①認知症の本人・家族への支援として、福祉・介護の専門職が認知症についての個別の相談に応じるほか、必要に応じて地域包括支援センターやケアマネジャーとの情報共有等、関係機関と連携しており、認知症の方を介護する家庭への訪問支援も行っている。

また、②認知症の理解促進のための普及啓発として、脳の健康度チェックをゲーム感覚で行うタブレット「のうKNOW」や認知症の方の立場をVRで体験できる機器「VR認知症」を常設しており、自身の脳の健康度の状態を客観的に把握することで、実際に受診につながるケースが見られたり、認知症のVR体験(例:距離感がつかめなくなる「視空間失認」の症状の体験、認知症と診断された本人を取り巻く家族の体験)を通じて、認知症の症状や当事者の視点や立場について理解を深めるための機会を提供している。その他、普及啓発の取組として、認知症の理解や予防につながる講座やイベントを開催しているほか、最近では、若年層への周知・広報に力を入れており、小学生向けのイベント、高校生の職業プログラム、大学生向けのVR体験会も実施している。

脳の健康度チェック「のうKNOW」

脳の健康度チェック「のうKNOW」

認知症のVR体験機器「VR認知症」

認知症のVR体験機器「VR認知症」

今後の展開

令和2年の開設当初は、コロナ禍であったことや「認知症」というネガティブなイメージのあるものがテーマであったことの影響から利用者数は月平均100人強と伸び悩んでいたが、立地する商店街との連携、直接「認知症」をテーマとしないイベントの積極的な実施など、施設の魅力発信を行い、現在の利用者数は月平均1,000人弱と、利用者数が大きく増加しており、認知度は向上してきている。

今後は、認知症を取り巻く環境の変化を踏まえ、認知症の予防に加え、認知機能の簡易チェックの機会提供や「静岡市もの忘れ検診」の受診者に対して本拠点のパンフレットを渡すなどの医療機関との連携強化を進めるなど認知症の早期発見を強く推進するとともに、認知症支援についてのコンシェルジェとして、認知症のことで困らないための相談支援を強化することとしている。また、認知症関連情報の普及啓発のプラットフォームとして、認知症のVR体験機器を常設する優位性を生かして、若年層を対象としたイベントを開催するなど、認知症についての無関心層に認知症についてじっくり考える機会を提供することを目指している。あわせて、認知症の方やそのご家族が、イベントや相談会を通して、地域の方々に「認知症の予防」や「正しい理解」を広く発信できる拠点となるよう取り組んでいくこととしている。

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