8.ニュージーランドの包括的な最初の報告の検討プロセス
8-1 ニュージーランドの障害者権利条約の国内実施体制
ニュージーランドの障害者権利条約の国内実施体制の概要を図表8-1に示す。
ニュージーランド政府では、社会開発省の中に設置された障害問題担当室(ODI)が中央連絡先に指定されている75。障害問題担当室は、政府の障害問題担当大臣を補佐する部署である。障害問題担当大臣は、障害政策に関係する各省庁の大臣で構成する障害問題閣僚委員会の議長を務める。この閣僚委員会が調整のための仕組みに指定されている。
また、ニュージーランド政府は、障害者団体などとの協議の場として、常設の障害者諮問会議を設置している76。この会議は、障害者やその家族、支援者、障害者支援サービスの提供者などによって構成されており、障害問題担当室が事務局を務める。
独立した仕組みには、ニュージーランド人権委員会(NZHRC)とオンブズマン事務所の2組織が指定されており、政府はこれらの組織に資金援助を行っている77。
市民社会では、障害者諮問会議とは別に中核障害者団体として「条約連合」が組織され、国連障害者権利委員会にパラレルレポートを提出した。ニュージーランド政府は、条約連合に対しても資金援助を行っている78。
図表8-1 ニュージーランドの国内実施体制(図表8-1のテキスト版)
出典:各種資料より作成
75 ニュージーランドの包括的な最初の報告(文献29)、paragraph267
76 ニュージーランドの包括的な最初の報告(文献29)、paragraph5
77 ニュージーランドの包括的な最初の報告(文献29)、paragraph270
78 ニュージーランドの包括的な最初の報告(文献29)、paragraph272