1 国際調査
1.7 スロベニアにおける合理的配慮・環境整備と障害者権利委員会審査状況
1.7.2 スロベニアの包括的な最初の報告の国連審査状況
(1)審査プロセスの現状
1)障害者権利条約の批准
スロベニアは、2008年に障害者権利条約、及び障害者権利条約の選択議定書を批准した。
2)障害者権利条約に基づく報告
スロベニアの包括的な最初の報告は、2014年8月5日に提出された。包括的な最初の報告書は、MDDSZとスロベニア共和国社会保障研究所が共同で作成している。
国連障害者権利委員会では、2017年9月に開催された第8回事前作業部会で検討された事前質問事項が2017年9月29日に提示された。これに対する政府回答は、2017年11月15日に提出され、この内容を踏まえて、2018年3月に開催された第19会期においてスロベニアの包括的な最初の報告の検討が行われた。
3)市民社会からの情報
スロベニアの審査に際して提出された市民社会からの情報は、独立した仕組みからの報告、パラレルレポートを含め、6件提出されている。障害者権利条約に基づく報告について、市民社会からの報告書提出状況を図表7-2に示す。
これらのうち、事前質問事項を検討するため2017年9月に開催された第8回事前作業部会より前に提出された報告は、2件である。
1つ目は、European Union Agency for Fundamental Rights (FRA)という、基本的人権の擁護に取り組む組織による単独報告である。第5、7~9、13、14~17、27、29、32条に関連して、総合的な観点から法や制度に関する課題を指摘している。
2つ目は、スロベニア障害者評議会によるもので、障害者の権利擁護に取り組む22の団体による合同報告である。第1~14、16、18~21、23~33条に関して、障害種別に関しても網羅的に、具体的な課題を指摘しつつ、事前質問事項に向けた質問提案をしている。
一方、スロベニアの包括的な最初の報告の検討が行われた第19会期(2018年2月)の直前に提出された報告は、4件である。
1つ目は、European Network on Independent Living (ENIL)、Mental Health Europe (MHE)、Autism Europe (AE)という3つの団体による合同報告である。条項を指定せず、脱施設化を加速させ、すべての障害者の自立した生活を促進せよという主張が述べられている。
2つ目のShadow report of the group of non-governemental organisations from Sloveniaは、Society for awareness raising and protection - center of antidiscrimination (OVCA)、Digital Society Forum、YHD - Association for theory and culture of handicapという3つの団体による合同報告である。人権擁護、障害者の自立、デジタルサービス・製品のアクセシビリティに取り組む団体による異色のコラボレーションであり、第1~7、9、12、18、19、24、27、32、33条について、総合的な観点から指摘をしている。障害者権利条約に関する政府の誤認識や誤訳、定義の問題に触れているものが多い。
3つ目のスロベニア人権オンブズマンは、国別人権機関である人擁護団体による単独報告である。第5、7、9、12、14、19、24、26、33条に関し、寄せられている相談を基に課題の指摘をしている。
4つ目のスロベニア障害者評議会によるものは、提出された日付が明示されていない。しかし、2017年9月に提出された事前質問事項を踏まえて提出されたものと思われ、課題に関する追加的な説明や指摘がなされている。(スロベニア障害者評議会からは報告が2つ提出されている。)
レポート提出団体名 | 公表日 |
---|---|
European Union Agency for Fundamental Rights (FRA)-Submission on Slovenia-LOIs | 17-Feb-17 |
National Council of Disabled Persons Organizations | 31-Jul-17 |
Submission from European Network on Independent Living (ENIL), Mental Health Europe (MHE) and Autism Europe (AE) | 1-Dec-17 |
Shadow report of the group of non-governemental organisations from Slovenia | 31-Jan-18 |
the Human Rights Ombudsman of the Republic of Slovenia | 31-Jan-18 |
National Council Of Disabled Persons' Organizations Of Slovenia |
(2)主な論点
ここでは、スロベニア政府、市民社会からの報告、障害者権利委員会がまとめた事前質問事項、並びに、事前質問事項に対するスロベニア政府の回答について、主要条項に関する論点のポイントを示す。
第5条 平等及び無差別
第5条に関しては、2010年に成立した障害者機会均等法に関する指摘が5つのパラレルレポートにおいて指摘された。とりわけ、合理的配慮の否定が差別と定義されていないことや、法の定める内容が形式的なものであり、実効性がないことなどが指摘されていた。
これを受け、事前質問事項においては、「合理的配慮の否定が障害に基づく差別とみなされるかどうか、委員会に報告してください。」「障害者機会均等法の差別の定義に、横断的かつ複合的な差別が含まれているかどうかを委員会に報告してください。」という質問が出された。
これに対するスロベニア政府の回答では、合理的配慮とユニバーサルデザインの定義は障害者機会均等法において定義されていること、障害者機会均等法は、障害に基づいた差別は直接的、あるいは間接的なものを含むと定め、生活のすべての領域における平等を目的としていることが報告された。
これらを踏まえ、第19会期委員会における建設的対話を経て示された最終見解では、以下の事柄が勧告された。
(a)合理的配慮の否定を障害に基づく差別の一形態として認識し、罰則を設けた法律を発効すること。
(b)中央連絡先を強化し、差別事例に対し効果的に対応できるよう、十分な資源と能力を提供すること。
(c)複合的横断的差別の認識を、差別に対する法律、政策、戦略に組み込むこと。
(d)差別が起きた場合の司法の救済を規定し、補償を提供し、罰則を設けること。
第6条 障害のある女子
第6条に関しては、3つのパラレルレポートにおいて指摘が寄せられた。うち、2つはスロベニア障害者評議会によるものである。これら報告では、障害のある女性に対する暴力が存在すること、財政危機による緊縮財政の影響を、障害のある女性が強く受けていることが報告されている。
事前質問事項では、「生活のあらゆる領域の中で障害のある女性が体験する不平等と戦うためにとられている措置について情報提供してください。」「男女共同参画に関する政策において障害者政策を主流化するためにとられている措置について情報提供してください。」「障害のある女性に対しての暴力に関する調査(CRPD/C/SVN/1)の結果と、障害のある女性を性暴力から守るためにとられている措置について述べてください。」という質問が出された。
これに対するスロベニア政府の回答では、男女機会均等のための国家プログラム決議2015-2020が、2015-2020年の期間における特定の生活領域のジェンダー平等を徹底させる政策に対する目標と方法を定め、政府の責任を定義していること。2016年に省庁間作業グループを設立し、暴力の問題を明らかにするための措置を講じたことなどが報告された。
これらを踏まえ、第19会期委員会における建設的対話を経て示された最終見解では、障害のある女性に関する一般的意見第3号や持続可能な開発目標の目標5.1、5.2、5.2を参照し、以下の事柄に取り組むよう勧告された。
(a) 国におけるすべての行動計画や戦略において、障害のある女性の権利を主流化すること、また、障害のある女性の支援、エンパワメントを目標とした監視の措置の、二本立てのアプローチの採用。
(b)障害、中でも精神的、知的障害のある女性及び女児に特化した保護を提供し、利用可能な救済措置について情報提供を徹底することで、ジェンダーに基づく暴力の状況を改善し、加害者に対して効果的な告発と罰則を与えること。
(c)財政によって障害のある女性が受けた影響を是正すること。特に障害のある高齢女性に注意を払い、排除と貧困の根本的な原因に取り組むための措置を採用すること。
(d)障害のある女性の団体設立と機能の向上、資金提供、各機関が障害のある女性を代表する組織と協議することを義務づける法律の採択など、障害のある女性たちを意思決定過程に参加させるための措置を採用すること。
(e)障害のある女性と女児の状況について調査を行い、年齢、地理的な範囲、障害種別、家族の状況、居住形態に分けられた統計的なデータを収集するのに十分な資源の割り当て。
第9条 施設及びサービス等の利用の容易さ
第9条については、5つのパラレルレポートにおいて指摘がなされていた。アクセシブルスロベニア戦略において、アクセシビリティの確保が義務付けられている対象が公的機関のみであることや、罰則規定がないために実行力がないことなどが指摘されていた。
こういった指摘が寄せられたことを受け、事前質問事項では、「アクセシブルスロベニア戦略の成果について最新の情報を提供してください。」「法令遵守と制裁措置の仕組みと、包括的な最初の報告第39項で強調されている困難を乗り越えるための措置について委員会に報告してください。」という質問が示された。
これに対するスロベニア政府の回答は、公共機関が入っている建物のアクセシビリティのためのツール開発と、障害者向けオンラインガイドの作成がアクセシブルスロベニア戦略の成果であること。オンラインガイドは、公共機関が入る建物に対する新たなアクセシビリティ評価を実行するために資金が調達され、従って徐々に充実してきていることなどが報告された。
これらを踏まえ、第19会期委員会における建設的対話を経て示された最終見解では、アクセシビリティに関する一般的意見第2号、及び、持続可能な開発目標の目標11.2、11.7を参照し、以下の事柄に取り組むよう勧告がなされた。
(a)アクセシブルスロベニア戦略と障害者機会均等法の確実な実施。そして、明確なアクセシビリティ基準の採用と罰則を徹底するための措置の採用を勧告する。
(b)公共交通や建物のアクセシビリティの導入、こうした措置への予算増額のための運用措置の策定。
(c)公共調達を通したアクセシビリティの保障と、民間事業者のアクセシビリティ基準の遵守を求める戦略の採用。
(d)特に教育制度における、ウェブサイトとモバイルアプリケーションのアクセシビリティについての欧州指令の完全な実施を徹底すること。
(e)代替的、補助的コミュニケーションと分かりやすい版の普及を促進すること。
第12条 法律の前にひとしく認められる権利
第12条については、3つのパラレルポートで課題が指摘された。結婚する権利、投票権、保護的拘束、後見人制度、強制的医療行為など、障害者の権利が制限されている現状があること。施設内の死亡について十分な検証がなされていないこと。障害のある児童の親が親権を延長する制度があり、本人の法的権利を奪っていることなどが指摘された。
事前質問事項では、「後見人による保護下におかれている人について、彼らがどこで生活しているかも含めてデータを提供してください。」「条約批准後に、法的能力を完全に取り戻した者のデータを提供してください。」「障害者の法的能力の剥奪を撤廃し、代理意思決定を支援付き意思決定に置き換えるためにとられている措置について報告してください。」という質問が示された。
この事前質問事項に対するスロベニア政府の回答は、法的能力の剥奪は、裁判所による審問と、医師による検査を経て、裁判所が裁定する。法改正に伴い、法的能力を剥奪する制度は廃止されつつある。自らの権利や財産を守ることの出来ないケースについてのみ、後見人制度を適用することになる、というというものだった。
これらを踏まえ、第19会期委員会における建設的対話を経て、また、法律の前にひとしく認められる権利関する一般的意見第1号を参照して示された最終見解の内容は、障害を根拠に法的能力の剥奪を認める法律を廃止し、代理意思決定を取り下げ、家族法を改正すること。また、すべての障害者の法的能力を回復させるための手続を確立すること。個人の選好を考慮に入れた支援付き意思決定の仕組みを実施することを勧告するものだった。
第19条 自立した生活及び地域社会への包容
第19条については、4つのパラレルレポートにおいて課題が指摘されていた。住宅のアクセシビリティが低いことが、地域で自立した生活を送る上で妨げとなっていること、地域支援サービスの需要は供給を大きく上回っており、価格が高騰していること、2011年以降、社会保障プログラムへの補助金が減少し続けていることなどが指摘されていた。
こういった指摘を受けて提示された事前質問事項は、「パーソナルアシスタンス及び地域社会における自立生活の計画の策定について最新の情報を提供してください。」「居住型施設で生活する障害者ついて性別、年齢、民族別に分類されたデータと、脱施設化のためのロードマップについて情報を提供し、その進捗状況を報告してください。」というものだった。
事前質問事項に対するスロベニア政府の回答は、次のようなものだった。MDDSZはパーソナルアシスタンスを行う者の賃金として毎月620ユーロを提供している。現在約1,000人の利用者と、353人のパーソナルアシスタンスを行う者がいる。このプログラムを基に作られたパーソナルアシスタンス法は今年採択され、2019年1月1日より効力を発揮する。脱施設化に特化したデータは無い。MDDSZは特別なプロジェクト設立を計画しており、脱施設化の手続を2018年も継続する見込みである。
第19会期委員会における建設的対話を経て示された最終見解では、自立生活と地域社会への包容に関する一般的意見第5号を参照し、以下の事柄に取り組むよう勧告された。
(a) 設定した期限内に、脱施設化に向けた戦略と行動計画を採択し実施すること。
(b) 施設への入所を防止し、地域における自立生活計画策定に対し、資金を提供すること。
(c) 障害者が自立して生活する権利を行使し、地域社会において包容されるために、サービスが利用可能であることを保証するために十分な資源を割り当てること。
(d) 脱施設化を実施するための国家及び地方自治体の能力を強化すること。
第21条 表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会
第21条に関しては、2つのパラレルポートで指摘が寄せられた。指摘されている内容は、手話や点字、分かりやすい版など、多様な形態で情報提供を行うための基準の設定やシステムの開発が進んでいないこと、一部の障害者のみ受信料を免除されていること、行政機関の情報やウェブアクセシビリティが進んでいないこと、などが指摘されている。
事前質問事項では、「障害者のアクセシビリティを保障するためにとられている措置について報告してください」という質問が出された。
これに対するスロベニア政府の回答は、障害者機会均等法に基づき、補助具、乗物の改造、補助犬に関する補助金を含む、障害者の機会均等のための施策が実施されている。その他、様々な法の下で補助具が提供されており、障害者はニーズによって、安全な自立生活を送ることができるようコミュニケーション支援機器に対する補助を受けることができることなどが報告された。
これらを踏まえ、第19会期委員会における建設的対話を経て示された最終見解では、以下の事柄が勧告された。
(a)すべての組織から提供される情報とコミュニケーションのアクセシビリティ、すべてのアクセス可能な手段、方法、形式に関し基準を設けること、並びにその全面的な公的機関における実施、
(b)スロベニア手話の公用語としての認識や通訳などの研修について期限と予算を備えた戦略を実施すること。
第24条 教育
第24条は、4つのパラレルポートでの指摘が寄せられた条項である。特徴的な指摘として、インクルーシブ教育の権利が保障されているにもかかわらず、交通費を理由に施設に入所させられている児童がいること、交通費の補助を受けられる障害者が限られていることなど、教育を受けるための交通費の問題が指摘されていた。また、インクルーシブ教育のための教員研修やカリキュラムの不足、高等教育分野における政策の欠如が指摘されている。
事前質問事項では、「すべての教育レベルにおいて、専門的なインクルーシブ教育を受けている障害のある児童について、障害種別、性別、年齢に分けられたデータを提供してください。」「インクルーシブ教育政策の成果を報告してください。」という質問が出された。
これに対するスロベニア政府の回答は、教育レベルごとに、専門的なインクルーシブ教育を受けている障害のある児童の数の報告に続き、教育科学スポーツ省が「特別なニーズのある児童のためのEU統合政策の実施2014-2020」の下で多くのプロジェクトを実施していることや、それらプロジェクトに関する報告がなされた。
これらを踏まえ、第19会期委員会における建設的対話を経て示された最終見解では、以下について勧告がなされた。これらは、教育に関する一般的意見第4号及び、持続可能な開発目標の目標4.5、4(a)を念頭に置いたものとされている。
(a)すべての障害のある児童がインクルーシブ教育を受ける権利を有することを認識し、分離教育の計画を放棄すること。
(b)インクルーシブ教育の実施へ向けた期限を掲げた戦略と行動計画を採用すること。さらに、インクルーシブ教育の進捗を評価するための監視の仕組みを設立すること。
(c)インクルーシブ教育について研修を受けた教員、カリキュラム上の配慮、教育方法の提供など、インクルーシブな学校の能力を強化すること。
(d)職業訓練学校と高等教育機関を含むすべての高等教育機関にアクセシビリティと合理的配慮を提供し、障害者の生涯教育を保証すること。
(e)障害のある学生に対し、住居から教育施設への通学サービスを保証すること。
(3)各報告内容の対応関係
図表7-3に、主要条項に関する、パラレルレポートと事前質問事項、事前質問事項への政府回答、最終見解の主な論点一覧を示した。
スロベニアの場合、事前質問事項や最終見解でコメントを出された条項を概観してみると、事前質問事項も、最終見解も、ほとんどの条項に対しまんべんなく質問や見解が述べられている。また、指摘事項も小項目に分かれ網羅的に記述され、他国より分量が多い。このような傾向は、担当する国別報告者が、一般的意見や持続可能な開発目標を念頭において作業をした結果であると想定される。
また、事前質問事項においても、最終見解においても、パラレルレポートで指摘されている事柄を受けた内容の質問や勧告が出されている。中でも事前質問事項とそれに対する政府回答の後に提出されたスロベニア障害者評議会による2つ目のパラレルレポートの内容は、最終見解に反映されているものが多くあり、政府と障害者権利委員会委員との建設的対話において生じる疑問にたいし、適切な情報を提供する市民社会レポートになっていたと考えられる。
パラレルポートにおける指摘 | 事前質問事項 | 事前質問事項への回答 | 最終見解 | |
---|---|---|---|---|
第5条平等及び無差別 |
|
|
|
(a)合理的配慮の否定を障害に基づく差別の一形態として認識し、罰則を設けた法律を発効すること。 (b)中央連絡先を強化し、差別事例に対し効果的に対応できるよう、十分な資源とキャパシティを提供すること。 (c)複合的横断的差別の認識を、差別に対する法律、政策、戦略に組み込むこと。 (d)差別が起きた場合の法的救済を規定し、補償と罰則を設けること。 |
第6条障害のある女子 |
|
|
|
(a)障害のある女性の権利をすべての行動計画や戦略において主流化すること、また、障害のある女性を支援、エンパワメントするための目標とした監視の措置の、二本立てアプローチの採用。 (b)障害、特に精神的、知的障害のある女性・女児に特化した保護を提供し、利用可能な救済措置について情報提供を徹底することで、ジェンダーに基づく暴力を減らし、加害者に対し罰則を与えること。 (c)緊縮財政によって障害のある女性が受けた影響を是正すること。特に障害のある高齢女性に注意を払い、排除と貧困の根本的な原因に取り組むための措置を採用すること。 (d)障害女性団体設立と機能の向上、資金提供、各機関が障害のある女性を代表する組織と協議することを義務づける法律の採択など、障害のある女性たちを意思決定過程に参加させるための措置を採用すること。 (e)障害のある女性について調査を行い、年齢、地域、障害種別、家庭状況、居住形態ごとの統計的データを収集するための資源の割り当て。 |
第9条施設及びサービス等の利用の容易さ |
|
|
|
(a)「アクセシブルスロベニア戦略」と障害者の機会均等法を、確実に実施すること。明確なアクセシビリティ基準の採用と罰則を徹底するための措置の採用を勧告。 (b)公共交通や建物のアクセシビリティの導入、こうした措置への予算増額のための運用措置の開発。 (c)公共調達を通したアクセシビリティの保証と、民間事業者のアクセシビリティ基準の遵守を求める戦略の採用。 (d)特に教育制度における、ウェブサイトとモバイルアプリケーションのアクセシビリティについての欧州指令の完全な実施を徹底すること。 (e)代替的・補助的コミュニケーションと分かりやすい版の普及を促進すること。 |
第12条法の前にひとしく認められる権利 |
|
|
|
|
第19条自立した生活及び地域社会への包容 |
|
|
|
(a) 設定した期間内に、脱施設化に向けた戦略と行動計画を採択し実施すること。 (b) 施設への入所を防止し、地域における自立生活計画の策定に対し、資金を提供すること。 (c) 障害者が自立して生活する権利を行使し、地域社会において包容されるために、サービスが利用可能であることを保証するために十分な資源を割り当てること。 (d) 脱施設化を実施するための国及び自治体の能力の強化。 |
第21条表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会 |
|
|
|
以下について期間と予算を備えた戦略を導入することを勧告。 (a) すべての組織から提供される情報とコミュニケーションのアクセシビリティ (a) すべての組織から提供される情報とコミュニケーションのアクセシビリティ (b) すべてのアクセス可能な手段、方法、形式に関し基準を設けること、その全面的な公的機関における実施。 (c) スロベニア手話の公用語としての認識や通訳などの研修。 |
第24条教育 |
|
|
|
(a) すべての障害のある児童がインクルーシブ教育を受ける権利を有することを認識し、分離教育の計画を放棄すること。 (b) インクルーシブ教育の実施へ向けた期限を区切った戦略と行動計画の採用。さらに、インクルーシブ教育の進捗を評価するための監視の仕組みの設立。 (c) インクルーシブ教育について研修を受けた教員、カリキュラム上の配慮、教育方法の提供など、インクルーシブな学校の能力強化。 (d) 職業訓練学校と高等教育機関を含むすべての高等教育機関にアクセシビリティと合理的配慮を提供し、障害者の生涯教育を保証すること。 (e) 障害のある学生に対し、住居から教育施設への通学サービスを保証すること。 |