イベントレポート
クロストーク  SIPによるモノづくり

クロストークの様子

左から吉田典之氏(ファシリテーター)、「革新的燃焼技術」杉山雅則PD、「次世代パワーエレクトロニクス」大森達夫PD、「革新的構造材料」岸輝雄PD、「革新的設計生産技術」佐々木直哉PD


吉田典之読売新聞論説委員をファシリテーターに、「モノづくり」に関連の深い課題を担当する4名のPDが、それぞれの担当課題の概要と取り組み状況について語り合った。

「革新的燃焼技術」課題を担当する杉山雅則PDは、自動車用内燃機関の最大熱効率50%に向けた実証実験で実現可能性がより明確に見えたこと、また4つの研究拠点を設けて産学の研究者が集い研究成果が生まれ始めていることなどを報告した。

「次世代パワーエレクトロニクス」担当の大森達夫PDは省エネルギーに向けた次世代パワーエレクトロニクス実現に向けて、ウェハ、デバイス、回路、モジュールのトータルなインテグレーションについて、各レイヤーの専門家の取組状況を紹介した。

「革新的構造材料」担当の岸輝雄PDは、航空機への応用を前提とした耐熱構造材料の3テーマを紹介し、マテリアルズインテグレーションにより開発期間短縮を図る挑戦について説明した。

「革新的設計生産技術」担当の佐々木直哉PDは、プロトタイプモデルから設計・製造を考える「超上流デライト設計手法」の実例や、革新的製造技術として3Dプリンタによる複雑な構造のセラミクックス製品の例を示しつつ、産学官連携による各テーマの研究の進展状況と研究成果の融合への期待を示した。

また、各課題の取り組みに共通した産学官連携の難しさと克服策、SIP終了後にも連携を継続できる拠点化などの仕組みづくりにも議論が及び、グローバル競争の中で日本のモノづくりがSIPをきっかけに勢いを増すことへの期待と意気込みが表明された。