ムーンショット目標3
2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
ターゲット
- 2050年までに、人が違和感を持たない、人と同等以上な身体能力をもち、人生に寄り添って一緒に成長するAIロボットを開発する。
- 2050年までに、自然科学の領域において、自ら思考・行動し、自動的に科学的原理・解法の発見を目指すAIロボットシステムを開発する。
- 2050年までに、人が活動することが難しい環境で、自律的に判断し、自ら活動し成長するAIロボットを開発する。
- 2030年までに、特定の現場(※1)における特定のタスクについて、人による支援のもと、実用上違和感なく状況の変化に対応しながら一連のタスクを完遂でき、民間投資対象となり得る汎用自律人型AIロボットのプロトタイプを開発する。
- 2030年までに、あらゆる状況に対応できる汎用自律人型AIロボットの実現に向けた開発要素の基礎を確立する。
※1 工場、病院・介護施設、家庭、研究室、災害現場など

関連するエリアとビジョン
Area :「急進的イノベーションで少子高齢化時代を切り拓く」、「サイエンスとテクノロジーでフロンティアを開拓する」
Vision :「完全無人化による産業革新」、「サイエンスの自動化(AI)」、「宇宙への定常的進出(宇宙)」
目標設定の背景
- 少子高齢化の進展により、今後、我が国では生産年齢人口が減少するが、これは同様の人口動態をたどる先進国やアジア周辺国においても共通の課題であり、日本は課題先進国としてこの課題の解決に取り組むべき。
- また、人類の活動領域を現在よりも飛躍的に拡大するためには、人に代わって自律的に活動するロボットが必要になる。
- こうした観点から、人のように自律的に判断し行動することができ、さらには、自律的に動くのみならず、学習も人のように自律的に行い、かつ学習を自ら発展させることができるAIロボットの開発が必須である。
- そのためには、ディープラーニングが持つ限界(未知事象への対応が困難、機械学習に要する膨大なコスト・労力等)を打破し、自ら学習し成長するAIの開発、ロボットの消費電力の飛躍的な低減化、及びAIロボットの最適なアーキテクチャの検討が急務である。
ムーンショットが目指す社会
- ゆりかごから墓場まで、人の感性、倫理観を共有し、人と一緒に成長するパートナーAIロボットを開発し、豊かな暮らしを実現する。
- 実験結果のビックデータから新たな仮説を生成し、仮説の検証、実験を自動的に行い、新たな発見を行うAIロボットを開発することによって、これらにより開発された医薬品や、技術等による、豊かな暮らしを実現する。
- 月面、小惑星等に存在する地球外資源の自律的な探索、採掘を実現する。
- 農林水産業、土木工事等における効率化、労働力の確保、労働災害ゼロを実現する。
- 災害時の人命救助から復旧までを自律的に行うAIロボットシステムを構築し、人が快適に暮らせる環境をいつでも迅速に取り戻すことができる社会を実現する。
- AIロボット技術と人の能力拡張技術の調和の取れた活用により、AIロボットが得た情報等を人にフィードバックし、新しい知識の獲得や追体験等を通じた様々なサービスが創出される。
研究開発
プロジェクト一覧
PD:國吉 康夫(東京大学 次世代知能科学研究センター センター長・大学院情報理工学系研究科 教授)
ムーンショット目標3の詳細
ムーンショット目標3の取り組みについては、下記の研究開発法人のページを参照ください。