7-7:三重県――県が市町をバックアップ

ポイント

  • UD団体等まちづくり関係団体も参加した協議会の事例
  • 担当課長が県下市村を巡回

1.三重県の概況

人口:1,815,865人(平成27年10月1日現在)

障害者手帳所持者数
身体障害者手帳 73,852人 (平成28年4月1日現在)
療育手帳 13,278人 (平成28年4月1日現在)
精神保健福祉手帳 11,180人 (平成28年3月31日現在)

2.三重県における障害者差別解消に関する取組

(1)障害者差別解消法に関する県の取組

三重県における相談対応体制:図のテキスト版
地域協議会で作成した圏域版リーフレット(表紙) 法律の概要、障害者の人口や用語の定義等

  1. 健康福祉部障がい福祉課に相談窓口を設置(平成28年4月)。
  2. 県職員を対象とする「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づく職員の対応に関する要領」を策定(平成27年12月)。
  3. 県職員に対する説明会を開催(所属長向け6回、一般職員向け18回)(平成28年1月~2月)。新規採用者研修や新任所属長研修において説明(平成28年4月以降)。
  4. 広報啓発活動の実施
    • 障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラムの開催(平成27年12月)。
    • 「県政だより」に特集記事の掲載(平成28年1月号)。
    • 「県政チャンネル」で啓発番組の放送(平成28年1月)。
    • 伊勢新聞への啓発広告の掲載(平成28年3月)。
    • 街頭啓発(平成28年3月)。
    • 障害福祉サービス事業者等集団指導時での説明(平成28年7月)。
    • 社会保険集団指導時での医療機関への説明(平成28年7月から平成29年2月まで)。
    • 三重県障がい者差別解消セミナーの開催(平成28年9月)。
    • 出前トークや市町からの要請による説明(随時)。
  5. 三重県障がい者差別解消支援協議会を設置(平成28年8月)し、第1回協議会を開催。平成29年1月に、第2回協議会を開催。

3.三重県障がい者差別解消支援協議会

(1)協議会の位置づけ

障害者差別解消法第17条に基づく協議会

(2)構成員 (29名で構成)

  • 構成員選出の考え方:障がい者の自立と共生、社会参加に関連する分野から選出。
  • その他必要に応じて関係者の出席を要請することができるものとする。
学識経験者 津市立三重短期大学生活科学科教授
法曹 三重県弁護士会弁護士
福祉 三重県社会福祉協議会事務局次長兼福祉研修人材部長
三重県民生委員児童委員協議会常任理事
三重県人権擁護委員連合会会長
障がい者総合相談支援センターそういんセンター長
当事者 公益社団法人三重県障害者団体連合会会長(身体)
社会福祉法人三重県視覚障害者協会会長(身体)
一般社団法人三重県聴覚障害者協会常務理事(身体)
一般財団法人三重県知的障害者育成会監事(知的)
特定非営利活動法人三重県精神保健福祉会理事(精神)
特定非営利活動法人三重難病連会長(難病)
事業者 三重県経営者協会専務理事
日本労働組合総連合会三重県連合会副会長
三重県身体障害者施設協議会会長
三重県知的障害者福祉協会理事
まちづくり NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンター事務局長
医療保健 一般社団法人三重県病院協会事務局長
公益社団法人三重県看護協会常任理事
教育 三重県立特別支援学校校長会会長
特別支援学校PTA連絡協議会副会長
三重労働局職業安定部職業対策課課長
津地方法務局人権擁護課課長
市町 名張市福祉子ども部障害福祉室長
雇用経済部障がい者雇用推進監
環境生活部参事兼人権課長
教育委員会人権教育課長
警察本部警務部警務課企画室長
健康福祉部障がい福祉課長(事務局)

(3)運営方法

年間2回程度開催

(4)役割

  • 複数の機関等によって紛争の防止や解決を図る事案や、関係機関が対応した事案の共有。
  • 障がい者差別に関する相談体制の整備、障がい者差別の解消に資する取組の共有・分析。
  • 構成機関等におけるあっせん・調整等の様々な取組による紛争解決の支援。
  • 障がい者差別の解消に資する取組の周知・発信や障がい特性の理解のための研修・啓発。

(5)事務局

健康福祉部障がい福祉課

4.会議等の実施状況

○第1回

日時:平成28年8月17日(水)13時30分から15時30分まで
議題:
1 三重県障がい者差別解消支援協議会の設立
2 障害者差別解消法に関する県及び県教育委員会の取組
3 同法に基づく市町の取組状況(相談窓口の設置状況、職員対応要領の策定状況、障害者差別解消地域支援協議会の設置状況)
4 県及び県教育委員会に寄せられた主な相談事案への対応状況

○第2回

日時:平成29年1月31日(火)13時30分から15時30分まで
議題:
1 障がい者雇用の促進に関する国や県の取組
2 全国の障害者差別解消支援地域協議会の設置状況
3 市町の障害者差別解消法に基づく取組状況(相談窓口の設置、職員対応要領の作成、障害者差別解消支援地域協議会の設置状況)
4 県や市町の障がい者差別に関する相談(平成28年4月から9月までの相談)への対応状況
5 市町での模範的な障がい者施策

5. 三重県の平成29年度の取組方針

 障害者差別解消法に基づく取組に注力することとし、三重県障がい者地域支援協議会のネットワークを生かしつつ既存の相談窓口を活用して相談事案の対応に当たるとともに、障がい者に対する偏見や差別意識の解消を図るための取組をより一層進めることとする。

1 障がい者差別に関する相談に応じ紛争の防止や解決を図るための体制の充実

  • 相談体制の充実を図る観点から、三重県障害者相談支援センターにも相談窓口を設置します。
  • 相談窓口に寄せられた相談事案について既存の相談窓口と連携を図りながら、適切に対応します。
  • 三重県障がい者差別解消支援協議会のネットワークを活用し、合理的配慮に関する好事例や啓発活動等についての情報共有を行います。

2 市町への体制整備に向けた働きかけの実施

  • すべての市町において、相談窓口の開設、障害者差別地域支援協議会の設置、職員対応要領の策定と周知がなされるように働きかけを行います。

3 障がいを理由とする差別の解消に向けた啓発活動

  • 相模原市で発生した事件等も考慮して、障がい者差別解消や障がいに対する偏見を解消するためのフォーラム等を開催します。
  • 出前トーク等の機会を活用して、障害者差別解消法の趣旨や内容の説明を行います。

4 三重県手話言語条例の施行を契機とした合理的配慮の提供の推進

  • 手話の普及は、聴覚障がい者に対する合理的配慮の一例であることから、その普及を図る中で、同時に、手話を使用する聴覚障がい者のみならず、手話を使用しない聴覚障がい者への合理的配慮、さらには聴覚障がい者以外の障がい者への合理的配慮についての啓発を進めます。

5 スポーツを通じた障がい者に対する理解促進

  • 平成33年の全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、障がい者スポーツの普及を図る中で、ボランティアの養成や選手の応援等を通じて、県民の間における障がい者に対する理解の促進を図ります。

6 障がい者に対する虐待への対応

  • 研修の実施、専門家チームや事例集の活用により、障がい者の虐待防止や虐待への対応力の向上を図ります。

前のページへ次のページへ