1 国際調査

参考資料10-4 障害者権利条約のための国内行動計画2.0 6. NAP 2.0の対策の障害者権利委員会勧告との関係

 2015年5月13日の60件以上の勧告によって、障害者権利委員会はドイツに対して、彼らの視点から見て障害者権利条約の実行に関してさらなる対応が必要な点について明らかにした。ドイツは、2019年3月24日までに第2次と第3次の報告書を条約委員会に提出し、そこで、勧告の実行状況について説明することが求められた。これらの勧告によって、連邦政府はNAP 2.0の作成の枠内で、個々の勧告をどの程度までNAPの進展に際して考慮することができるかについて分析、検討した。
 最初の段階において、BMASは2016年4月17日に勧告の第36項の実行についての報告を提出した。第36項ではドイツに対し、公共、民間のあらゆる環境において障害のある女性と女児の暴力からの保護を保障する、適切な資金が用意された有効で網羅的な戦略の作成が勧告されている。さらに、搾取、暴力、虐待を防ぐための独立機関を速やかに設立する、あるいは指定し、施設での独立した苦情処理を確保することがドイツに勧告された。
 次の段階では、結果としてNAP 2.0の多くの対策がすでに幾つかの勧告を取り上げている。委員会の勧告を取り上げているNAP 2.0の対策を例として以下に挙げる(括弧内は勧告番号)。

  • BGGと連邦参加法(BTHG)の改正 - BGGとSGB IXでの障害者概念の適正化 (8a)
  • 各省庁でのNAP 2.0と行動計画の作成 (8b)
  • BGGの改正 - 障害者の利益を代表する団体の助成と参画 (10)
  • BGGの改正の枠内での多重不利益からの保護 (14a)
  • BGGの改正に際して、適切な措置が十分に機能しない場合、これを不利益と認識して対応する (14b)
  • 障害者の生活環境についての連邦政府の参加報告書 (16b)
  • 障害者権利条約についての裁判官の研修 (20b)
  • バリアフリー連邦専門局の設立と調停機関の設立 (22a)
  • 刑法典第63条に従った精神病院への入院の権利の改正 (31 und 32)
  • 精神病学上の支援制度での強制処置の回避のための研究プロジェクト (38c)
  • 中間的な性別の人の人権・人格権の強化についての各省間連絡作業部会の設立 (38d)
  • BTHGの枠内での個人に合わせたサービスの用意 (42b)
  • 養子縁組機構の拡充 (44c)
  • 早期教育専門家研修の取組 - WiFF、教員教育品質キャンペーン、プロジェクト「空間と包容」 (46d)
  • 企業内のバリアフリーの取組、特にテーマ「バリアフリー診療所」 (48)
  • BTHGの枠内での一般労働市場での就労可能性の拡大 (50b)
  • 統合手当ての改革 - 収入算入及び資産算入の改正 (52)
  • 欧州著作権法の改正についての審議の建設的支援とドイツ著作権法の調整についての立案の開始 (56)
  • 障害者の参加についての標本調査 (58)
  • 開発協力における包容の実現についてのBMZ戦略 (60a)
  • ドイツ人権研究所の障害者権利条約の監視についての規則も含めた、ドイツ人権研究所の法的地位と業務についての法的根拠の作成 (62c)

第3段階は2017年から始まり、連邦政府はそこで各州と共同で条約委員会のすべての勧告を再度、集中的に分析し、それらを評価することになる。

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