IV.障害者を捉える設問に関する調査 IV-4-1 (7)

4.調査の結果

1)インターネット調査

(7)国民生活基礎調査の設問とのクロス集計

 本調査研究における問11「日常生活における手助けや見守りの必要性」は国民生活基礎調査(2019年)の世帯票における問9と同一の設問であり、同じく本調査研究の問12「健康上の問題における日常生活への影響」は国民生活基礎調査(2019年)の健康票における問5と同一の設問である。これらの設問において、ワシントングループの設問、欧州統計局の設問、公的障害者制度の利用状況とのクロス集計を実施した。

<1>日常生活における手助けや見守りの必要性

 「日常生活における手助けや見守りの必要性」に関しては、「必要としている」者の割合は「公的障害者制度利用あり」が相対的に多く、ワシントングループの設問と欧州統計局の設問はほぼ同様の結果となった。
 ワシントングループの設問は16.0%、欧州統計局の設問は15.4%に対し、公的障害者制度利用ありは29.7%となった。
 なお、平成28年度の国民生活基礎調査では、見守りを必要とする者の出現率が5.1%(123,157名のうち6,339名)となっている。

図表 54 「障害のある者」と「障害のない者」の日常生活における手助け・見守りの必要性
(上段:実数、下段:割合)
Q11
日常生活における手助けや見守りの必要性について、お答えください。
1.必要としている 2.必要としていない 合計
合計 773 22,437 23,210
実数 WG障害のある者 428 2,255 2,683
WG障害のない者 345 20,182 20,527
ES障害のある者 618 3,390 4,008
ES障害のない者 155 19,047 19,202
公的障害者制度利用あり 539 1,276 1,815
公的障害者制度利用なし 234 21,161 21,395
合計 3.3% 96.7% 100.0%
割合 WG障害のある者 16.0% 84.0% 100.0%
WG障害のない者 1.7% 98.3% 100.0%
ES障害のある者 15.4% 84.6% 100.0%
ES障害のない者 0.8% 99.2% 100.0%
公的障害者制度利用あり 29.7% 70.3% 100.0%
公的障害者制度利用なし 1.1% 98.9% 100.0%
<2>健康上の問題による日常生活への影響

 「健康上の問題による日常生活への影響」に関しては、影響が「ある」としている者の割合は欧州統計局の設問で「障害のある者」及び「公的障害者制度利用あり」が相対的に多く、ワシントングループの設問で「障害のある者」は相対的には少なくなっている。
 ワシントングループの設問で「障害のある者」は35.0%、欧州統計局の設問で「障害のある者」は63.2%に対し、「公的障害者制度利用あり」は57.1%となった。
 なお、平成28年度の国民生活基礎調査では、健康上の問題による日常生活への影響を必要としている者の割合は14.6%(97,845名のうち14,249名)となっている。

図表 55 「障害のある者」と「障害のない者」の健康上の問題による日常生活への影響
(上段:実数、下段:割合)
Q12
現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか。
1.ある 2.ない 合計
合計 3,190 20,020 23,210
実数 WG障害のある者 939 1,744 2,683
WG障害のない者 2,251 18,276 20,527
ES障害のある者 2,535 1,473 4,008
ES障害のない者 655 18,547 19,202
公的障害者制度利用あり 1,036 779 1,815
公的障害者制度利用なし 2,154 19,241 21,395
合計 13.7% 86.3% 100.0%
割合 WG障害のある者 35.0% 65.0% 100.0%
WG障害のない者 11.0% 89.0% 100.0%
ES障害のある者 63.2% 36.8% 100.0%
ES障害のない者 3.4% 96.6% 100.0%
公的障害者制度利用あり 57.1% 42.9% 100.0%
公的障害者制度利用なし 10.1% 89.9% 100.0%

 (7)での以上の結果を踏まえると、「手助け・見守りの必要性」があると回答した者は「公的障害者制度利用あり」の方が「障害のある者」よりも多かった。しかし、「健康上の問題に基づく影響」があると回答した者は欧州統計局の設問における「障害のある者」及び「公的障害者制度利用あり」の者が多かった。

前のページへ次のページへ