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障害者施策トップ意識啓発 > 20年度心の輪を広げる体験作文・障害者週間のポスター作品

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出会い、ふれあい、心の輪 心の輪を広げる体験作文・障害者週間のポスター作品集
〜平成20年度入賞作品〜

■はじめに■

 政府では、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」の実現を目指して、「障害者基本計画」に基づき、障害者施策の推進を図るとともに、昨年9月に署名された障害者の権利に関する条約の早期批准に向けた検討を進めているところです。
 「共生社会」の実現のためには、政府による取組のみならず国民一人一人の理解と協力が不可欠となります。特に、将来の我が国を担う、若い人たちの理解は大変重要であります。
 若い人たちが自らの体験等を基に、障害のある人や高齢者等に関わる諸問題について自ら考え、それを文章あるいはポスターとして表現することは、「共生社会」への理解を深め、その実現を図っていく上で大変良い機会となるものと考えます。
 内閣府では、毎年、各都道府県・指定都市との共催で「心の輪を広げる障害者理解促進事業」として、障害や障害のある人に関わる「体験作文」と「障害者週間のポスター」の募集を実施しています。本年度も、多数の小中学生の方々などから応募をいただきました。それぞれに自らの体験や考えを踏まえた優れた作文であり、また、人々に訴える力のある優れたポスターです。その中から、審査委員会(黒井千次委員長)で各部門ごとに最優秀賞、優秀賞及び佳作を選定していただきました。
 この作品集「出会い、ふれあい、心の輪」は、これらの作品を収録したものです。この作品集が、学校、職場、地域社会などで広く活用され、障害や障害のある人への理解につながるとともに、我が国社会における「共生社会」の実現に資することとなれば幸いです。

  平成20年12月

内閣府特命担当大臣 野田 聖子

 



◆審査講評

 「心の輪を広げる体験作文」は、その年ごとに少しずつ違った表情を見せて現れる。
 今年の特徴は、これまで比較的年齢の高い応募者が多かった高校生、一般市民部門に、20代、30代の人々が充実した作文を寄せている点である。
 その最優秀賞に選ばれた野口理絵さんの「ありのままに受け止め、受け入れてくれた子どもたち」は、重度の運動障害者である野口さんが指導員ボランティアとして児童クラブに赴き、1年9ヶ月にわたって子供達と触れ合った折の体験を綴った文章である。障害者に初めて接した子供達の反応に始まり、関係の次第に深まっていく過程が四つの段階にわけて記述される、知的でユニークな作文である。子供達の優しさが義務感めいたものから次第に遠慮のないものへと変り、更には「おふざけ」が度を越すこともありながら、やがて自然な優しさの見られる「ベストな関係」に至るまでの進行が、自分の身を通して捉えられている。その過程は、時間が長くかかるか短いかを別にすればすべての子供に共通していたという指摘は、この分析のもつ普遍性を示すものであると思われる。共生社会を考えていく上で、障害者と子どもの関係には特別の意味があるのかもしれぬ、と気づかされる作品であった。それでいて決して冷やかな観賞ではなく、子ども達との心の通い合いが温かく描かれていることによって、文章に一層の説得力が加わっている。他にもこの部門の作文には、精神障害者の職場での体験を綴る切実な文章も見られた。
 中学生部門の最優秀賞には馬場園怜央さんの「たくさんの出会い」が選ばれた。発達障害があると知らされた作者が教師や級友達に支えられ、次第に積極的に学校生活にとけこんでいく様子が描かれる。周囲の理解や様々の支援がなければこのような前向きの強い姿勢は生まれなかったのかもしれぬ、と感じさせられる作文である。
 小学生部門では長濱愛香さんの「あなたのひと声で笑顔の輪が広がります」が最優秀賞に決った。6年生らしいしっかりした文章で自分の考えを明快に表現している。ただ頭で理解するのではなく、学校での障害体験をめぐる学習や、デイサービスセンター訪問のボランティア活動などを通して、障害者、高齢者と触れ合う実践の場をつくることの大切さ、「大丈夫ですか?」と声をかける勇気をもつ必要などが訴えられている。
 小・中学生の作文からは、主として学校生活を土台にした共生社会への歩みの気配が窺われ、高校生、一般部門の文章からは、社会的なより広い場で共生社会がどのようにして実現し得るかを探る息づかいが伝わってくるように思われた。

審査委員長 黒井 千次

 

■心の輪を広げる体験作文入賞作品の紹介■

最優秀賞(各部門1編)
小学生部門
ながはまいとか
(新潟市立早通南小学校6年)
中学生部門
馬場園怜央
(鹿児島市立星峯中学校1年)
高校・一般市民部門
野口理絵
(愛媛県・29歳)
優秀賞(各部門3編)
小学生部門
たいせつにされ、あいされる

岩井桃香
(千葉県・聖徳大学附属小学校1年)

勇気を出せば
景山 歩
(島根県・斐川町立中部小学校6年)
私の友達

太田 南
(群馬県・前橋市立岩神小学校5年)

中学生部門
みんなちがって、みんないい
矢口 周
(北海道教育大学附属函館中学校2年)
心できく
杉山茉芳
(札幌市立真駒内曙中学校2年)
僕のお母さん
納田智仁
(兵庫県小野市立小野中学校1年)
高校・一般市民部門
Sさんの、あの笑顔は忘れない
大累貴司
(宮城県・31歳)
出発、これからの私
石井麻莉子
(千葉県・25歳)
働く喜び
大石道子
(静岡県・33歳)
佳作(各部門5編)
小学生部門
大すきな兄弟からもらう温かい心
鈴木美紀
(仙台市立吉成小学校4年)
目の不自由な人と生活をして
岡田竜馬
(名古屋市立名城小学校5年)
二人の友達から学んだこと
倉本萌々花
(鳥取県・湯梨浜町立羽合小学校5年)
みんな同じ人間
やまざきれん
(岡山県・朝日学園朝日塾小学校2年)
笑顔
中野莉里
(東京都三鷹市立第五小学校5年)
中学生部門
祖父母に伝えたいこと
海老名ゆき乃
(山形県村山市立楯岡中学校3年)
あの子に出会って
伊賀真奈美
(滋賀県大津市立日吉中学校3年)
障害を乗り越えて
小山 潤
(前橋市立東中学校2年)
後悔をばねにして
加藤 綾
(新潟市立白新中学校3年)
おじいちゃんの右手
西寺なつみ
(岐阜県・多治見西高等学校附属中学校1年)
高校・一般市民部門
信頼しているから
烏田 豊
(広島市・30歳)
I 先輩とパソコンボランティアに支えられて
大道進一
(鳥取県・67歳)
先生のぬくもりと私の夢
古河咲子
(佐賀県立牛津高等学校2年)
障害者の音楽 世界へ
阿部弘子
(宮城県・51歳)
私と手話
むらかみれいのすけ
(神奈川県・79歳)

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■ポスター審査講評■

 今回も皆さんの作品との出会いを楽しみに、選考会場に入ると、いつものように何かピーンと張り詰めた空気を感じます。だが、すぐに皆さんの作品が私に語りかけてくれます。それぞれの色使い、画面の構成、視覚伝達への創意工夫、制作中の皆さんの姿が目にうかぶように作品から伝わってきます。
 その中から最終的にポスターとして使用する作品を、一点に絞り込まなければならないのは、審査委員としても、とても緊張します。
 小学生部門の最優秀賞、村上菫さんの作品は人物と盲導犬を画面いっぱいに、のびやかに構成し、あたたかな味のある色調で表現されています。しっかりとふんばっている、盲導犬の表情が愛らしく、魅力的で、審査委員、全員一致で選ばしていただきました。
 中学生部門の最優秀賞、山中香里さんの作品は、青系の色彩を中心にした、さわやかな感じに、玄関マットの発想がユニークでマットの模様が効果的に生かされています。小学生部門の優秀賞、大野元暉君の作品は、伴走者とランナーの足元を表現しなくとも充分に伝わってきます。ポスターとしては、効果的な表現方法だと思います。中学生部門の優秀賞、谷本知砂さんの作品は画面を対角に切り、街角と車内の組合せが立体的な奥行を感じさせます。小学生部門の佳作、坂本怜奈さんの作品は、色彩豊かに可愛らしさと車椅子をもつ手の力強さが画面に生かされています。長濱愛香さんは、簡略化された構図、単純な線で、とても面白い表現方法だと思います。溝口心星君の作品は車椅子に乗る子と介護する子を思いきり右側に寄せ、空間の使い方良く、形も色彩も大胆で、元気よく感じました。高橋京香さんは地元の阿波踊りを素材に、賑やかな、おはやしが聞こえてきそうな楽しい作品です。米澤里紗さんの作品は、群像をカラフルに躍動感にあふれています。
 中学生部門の佳作、柏倉紗耶香さんの作品は、思い切ってトリミングした、足元と車輪、斜めに構成された点字ブロックとの組合せがとても印象的です。青木沙織さんの作品は、何世代の人物が良く表現され、細かなシャツのストライプが効果的です。佐々木香奈さんの独特のムードの作品から、それぞれの形が、とてもほほえましく伝わってきます。池上結子さんは、漫画的な技法を生かしたとてもユーモラスな明るい作品です。上田真帆さんは、しっかりとしたデッサン力、力強い臨場感が作品の中から伝わってきました。

審査委員会委員 篠崎三朗

■障害者週間のポスター入賞作品の紹介■

最優秀賞(各部門1点)
小学生部門
中学生部門
村上菫さん(長崎県雲仙市立南串第二小学校5年)の作品
村上 菫
(長崎県雲仙市立南串第二小学校5年)
山中香里さん(栃木県鹿沼市立西中学校3年)の作品
山中香里
(栃木県鹿沼市立西中学校3年)
優秀賞(各部門1点)
小学生部門
中学生部門
大野元暉さん(千葉県市原市立姉崎小学校2年)の作品
大野元暉
(千葉県市原市立姉崎小学校2年)

谷本知砂
(鹿児島県・大口明光学園中学校3年)
佳作(各部門5点)
小学生部門
坂本怜奈さん(神戸市立広陵小学校3年)の作品
坂本怜奈
(神戸市立広陵小学校3年)
ながはまいとかさん(新潟市立早通南小学校6年) の作品
ながはまいとか
(新潟市立早通南小学校6年)
溝口心星さん(鹿児島県・鹿屋市立上小原小学校3年)の作品
溝口心星
(鹿児島県・鹿屋市立上小原小学校3年)
高橋京香さん(徳島県・阿波市立林小学校6年)の作品
高橋京香
(徳島県・阿波市立林小学校6年)
米澤里紗さん(姫路市立的形小学校6年)の作品
米澤里紗
(姫路市立的形小学校6年)
中学生部門
柏倉紗耶香さん(山形県・大江町立大江中学校3年)の作品
柏倉紗耶香
(山形県・大江町立大江中学校3年)
青木沙織さん(神奈川県秦野市立東中学校3年)の作品
青木沙織
(神奈川県秦野市立東中学校3年)
佐々木香奈さん(愛媛県・八幡浜市立松柏中学校2年)の作品
佐々木香奈
(愛媛県・八幡浜市立松柏中学校2年)
池上結子さん(和歌山市立東中学校3年)の作品
池上結子
(和歌山市立東中学校3年)
上田真帆さん(大阪教育大学附属平野中学校3年)の作品
上田真帆
(大阪教育大学附属平野中学校3年)

■編集後記■

 内閣府では、障害者施策における啓発広報の一環として、毎年、都道府県・指定都市との共催で「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」の募集を行っています。今年は、作文では小学生部門1,242編、中学生部門3,167編、高校生・一般部門629編の合計5,038編、また、ポスターでは小学生部門908点、中学生部門1,056点の合計1,964点の応募がありました。作文とポスターの応募者数を合わせると、7,002名となりました。
 これも、各都道府県・指定都市をはじめ、関係機関・関係者の方々に積極的に取り組んでいただき、また、御協力いただいた結果であり、厚く御礼申し上げます。
 応募作品のうち、各都道府県・指定都市から推薦のあった作文及びポスターについて、審査委員会(黒井千次委員長)において審査いただいた結果、全体で最優秀賞5作品、優秀賞11作品、佳作25作品の計41作品を入賞作品として決定いたしました。
 本作品集は、これら41(作文27編、ポスター14点)の作品を掲載したものです。なお、作文中の表現については、作者の意向を尊重するため、原文のとおり掲載することを基本としました。また、推薦のあった作品については、参考資料の中で作者・学校名等を一覧表で掲載しました。
 障害の有無にかかわらず国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現を図るためには、各種施策の進展とともに一人一人の、「心の壁」を取り除いていくことが極めて重要でありますが、本作品集が学校、職場、地域などあらゆるレベルにおいて「心の輪」を広げ、障害者への理解と関心がさらに深められることの一助になることを期待します。

内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付
障害者施策担当


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