ムーンショット目標4
2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現

ターゲット

地球環境再生のために、持続可能な資源循環の実現による、地球温暖化問題の解決(Cool Earth)と環境汚染問題の解決(Clean Earth)を目指す。

Cool Earth & Clean Earth

  • 2050年までに、資源循環技術の商業規模のプラントや製品を世界的に普及させる。

Cool Earth

  • 2030年までに、温室効果ガスに対する循環技術を開発し、ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からも有効であることをパイロット規模で確認する。

Clean Earth

  • 2030年までに、環境汚染物質を有益な資源に変換もしくは無害化する技術を開発し、パイロット規模または試作品レベルで有効であることを確認する。

参考

関連するエリアとビジョン

Area :「地球環境を回復させながら都市文明を発展させる」

Vision :「資源の完全循環」、「資源要求の劇的削減」

目標設定の背景

  • 温室効果ガス削減が急務だが、パリ協定で掲げられた2℃目標と各国の約束草案に基づく見通しには、2030年で130億t-CO2ものギャップがあるとの予測がある。従来の排出源対策に加え、ネガティブエミッション技術等の新たな温室効果ガス対策が不可欠となる。
  • プラネタリーバウンダリー(人間社会が発展と繁栄を続けられるための地球の限界値。これを超えると人間が依存する自然資源に対して回復不可能な変化が引き起こされる。)において、窒素等が限界値を超えたハイリスクな状態にあるとの報告がある。
  • 海洋プラスチックごみ問題については、海の生態系に影響を与えており、食物連鎖を通じた人類への影響も懸念される。
  • これらのような、環境中に排出され悪影響を及ぼしている物質については、排出削減の努力に加えて、排出される物質を循環させる方策が必要となる。

参考

ムーンショットが目指す社会

  • 温室効果ガスや環境汚染物質を削減する新たな資源循環の実現により、人間の生産や消費活動を継続しつつ、現在進行している地球温暖化問題と環境汚染問題を解決し、地球環境を再生する。

研究開発

プロジェクト一覧

PD:山地 憲治(地球環境産業技術研究機構 理事長)

(1)温室効果ガスを回収、資源転換、無害化する技術の開発

研究開発プロジェクト PM
大気中からの高効率CO2分離回収・炭素循環技術の開発 児玉 昭雄
金沢大学
電気化学プロセスを主体とする革新的CO2大量資源化システムの開発 杉山 正和
東京大学
C4S*研究開発プロジェクト
* C4S:Calcium Carbonate Circulation System for Construction (建設分野の炭酸カルシウム循環システム)
野口 貴文
東京大学
冷熱を利用した大気中二酸化炭素直接回収の研究開発 則永 行庸
名古屋大学
“ビヨンド・ゼロ”社会実現に向けたCO2循環システムの研究開発 藤川 茂紀
九州大学
パッシブDAC技術の研究開発 山添 誠司
東京都立大学
機能改良による高速CO2固定大型藻類の創出とその利活用技術の開発 植田 充美
京都大学
遺伝子最適化・超遠縁ハイブリッド・微生物共生の統合で生み出す次世代CO2資源化植物の開発 光田 展隆
産業技術総合研究所
炭素超循環社会構築のためのDAC農業の実現 矢野 昌裕
農業・食品産業技術総合研究機構
岩石と場の特性を活用した風化促進技術“A-ERW”の開発 中垣 隆雄
早稲田大学
LCA/TEAの評価基盤構築による風化促進システムの研究開発 森本 慎一郎
産業技術総合研究所
資源循環の最適化による農地由来の温室効果ガスの排出削減 南澤 究
東北大学

(2)窒素化合物を回収、資源転換、無害化する技術の開発

研究開発プロジェクト PM
産業活動由来の希薄な窒素化合物の循環技術創出―プラネタリーバウンダリー問題の解決に向けて 川本 徹
産業技術総合研究所
窒素資源循環社会を実現するための希薄反応性窒素の回収・除去技術開発 脇原 徹
東京大学

(3)生分解のタイミングやスピードをコントロールする海洋生分解性プラスチックの開発

研究開発プロジェクト PM
非可食性バイオマスを原料とした海洋分解可能なマルチロック型バイオポリマーの研究開発 伊藤 耕三
東京大学
生分解開始スイッチ機能を有する海洋分解性プラスチックの研究開発 粕谷 健一
群馬大学

ムーンショット目標4の詳細

ムーンショット目標4の取り組みについては、下記の研究開発法人のページを参照ください。