ムーンショット目標7 2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現

ターゲット

【日常生活の中で自然と予防ができる社会の実現】

  • 2040年までに、免疫システムや睡眠の制御等により健康を維持し疾患の発症・重症化を予防するための技術や、日常生活の場面で個人の心身の状態を可視化・予測し、各人に最適な健康維持の行動を自発的に促す技術を開発することで、心身共に健康を維持できる社会基盤を構築する。
  • 2030年までに、全ての生体トレンドを低負荷で把握・管理できる技術を開発する。

【世界中のどこにいても必要な医療にアクセスできるメディカルネットワークの実現】

  • 2040年までに、簡便な検査や治療を家庭等で行うための診断・治療機器や、一部の慢性疾患の診断・治療フリー技術等を開発することで、地域に関わらず、また災害時や緊急時でも平時と同等の医療が提供されるメディカルネットワークを構築する。また、データサイエンスや評価系の構築等により医薬品・医療機器等の開発期間を大幅に短縮し、がんや認知症といった疾患の抜本的な治療法や早期介入手法を開発する。
  • 2030年までに、小型・迅速・高感度な診断・治療機器や、医師の医学的所見・診断能力をさらに引き上げる技術等を開発し、個人の状況にあった質の高い医療・介護を少ない担い手でも適切に提供できる技術基盤を構築する。

【負荷を感じずにQoLの劇的な改善を実現(健康格差をなくすインクルージョン社会の実現)】

  • 2040年までに、負荷を感じないリハビリ等で身体機能を回復させる技術、不調となった生体制御システムを正常化する技術、機能が衰えた臓器を再生・代替する技術等を開発することで、介護に依存せず在宅で自立的な生活を可能とする社会基盤を構築する。
  • 2030年までに、負荷を低減したリハビリ等で身体機能の改善や在宅での自立的生活をサポートする技術、不調となった生体制御システムを改善する技術を開発する。

※目標達成のためには、基礎研究と実用化研究の融合、医学研究と他分野の研究との融合といった分野融合的な研究や最新の知見の採り込みといった研究アプローチが重要。

参考

関連するエリアとビジョン

Area :「急進的イノベーションで少子高齢化時代を切り拓く」

Vision :「100歳まで健康不安なく、人生を楽しめる社会」の実現(Well Agingの実現)

目標設定の背景

  • 平均寿命が延伸し2040年には100歳以上の人口が30万人になると予想される中、健康寿命を延伸し、誰もが何歳になっても健康不安なく人生を楽しみ社会で活躍できる環境が必要。
  • 疾患の大部分を占める生活習慣病と高齢化疾患への対応が課題となっており、生活習慣病への予防、高齢化・病気との共生の取組が必要。
  • 現行の予防医療・健康づくりは、行動変容のハードルが高く、7割を占める無関心層への普及がなかなか進まない。
  • 医療やIoT技術の進歩によって生活習慣病などの疾患の管理が容易になる一方、心身の不調など個人の見えづらい課題が顕在化。
  • また、2040年に向けて、地方部では、人口減少に伴う担い手不足、医療介護施設の撤退が深刻化し、医療・介護へのアクセスが更に困難となることが想定されている。一方、都市部では、人口集中に伴う医療・介護需要が爆発的に増加するため、供給が間に合わない恐れが増大する。南海トラフ地震や首都直下地震は、今後30年以内に発生する確率が70%と予想されている中、災害時の医療アクセスの再構築も急務である。
  • 近年、高齢者の若返りが見られ、就業率が上昇するなど、高齢者像が大きく変化しつつある。他方で、高齢に伴うQOLの低下などにより、ライフステージにおける変化に心身が対応できず、生きがいや社会参画を諦めてしまいかねない。高齢者の社会参画が可能な社会システム構築の必要性が増大している。

ムーンショットが目指す社会

  • 一人ひとりが将来の健康状態を予測しながら、健康な生活に自発的に取り組むことできるとともに、日々の生活のあらゆる導線に、健康に導くような仕掛けが埋め込まれている。
  • 医療・介護者のスキルの多寡にかかわらず、少ない担い手で誰に対しても不安無く質の高い医療・介護を提供できることで、住む場所に関わらず、また災害・緊急時でも、必要十分な医療・介護にアクセスできる。
  • 心身機能が衰え、ライフステージにおける様々な変化に直面しても、技術や社会インフラによりエンパワーされ、不調に陥らず、一人ひとりの「できる」が引き出される。