IV.障害者を捉える設問に関する調査 IV-4-3

4.調査の結果

3)グループインタビュー

 調査対象とした3つの設問ごとに、以下のような声が聞かれた。

(1)ワシントングループの設問

 ●個々の設問については、わかりにくいという意見もあった。

  • 「眼鏡を使用しても」、「補聴器を使用しても」とあるが、もともと使用していない場合には該当しないと思う可能性がある。また、「コンタクトレンズを使用している場合はどうなのか」というような、表現の問題に対する指摘もあった。
  • 一部の設問は、複数の行動例(例:「思い出したり集中したり」)が挙げられているが、それぞれの行動で苦労の程度が異なる場合は判断しづらい。

 ●「苦労」という表現は、気になるという意見が多かった(「苦労」は主観的であることから。例えば客観的に同じ負担でも、人によって「苦労」と感じるか・感じないかは違う、ということが意見があった)。むしろ、「不便」、「不自由」等の表現の方が良いという意見があった。

(2)欧州統計局の設問

 ●設問が淡白であり、二択の設問形式で何がわかるのだろうか(障害が捉えられるのだろうか)という意見もあった。

 ●以下はわかりづらい問題として意見があった。

  • 健康状態の問における「ふつう」は、どのような水準なのかが判断しづらい。「ふつう」は健康な状態なのではないか。
  • “慢性的な健康問題”には何が含まれるのかはわかりにくい。疾患と健康問題の違いがわかりにくい。

(3)WHODAS2.0

 ●量的に多いという意見が多かったものの、表形式なので答えにくくはなかったという意見、個々の設問は具体的で答えやすいという意見があった。

 ●精神的な障害を尋ねる設問が他と比較して多いのでは、という意見もあった。

 ●よく読むとわかりにくい設問としては、以下があがっていた。

  • 「家庭で要求される作業」とは家事なのか、他のことを意味しているのか。
  • 「地域活動」はもともと行っておらず、判断できない。また、例示としての宗教活動などは唐突な気がする。
  • 「毎日の仕事」とは、稼ぐ仕事なのか、家事でも良いのか。  他

(4)その他

 ●手帳等の所持に関する設問は、気にしない(特段、その設問があるから回答に不快に思ったり、回答をやめたいとは思わない)という意見があった。

 ●その一方で、記述したくないという意見もあった。

 ●記述を求める場合は、調査タイトル、冒頭文、調査趣旨等において、活用方法が明確になるようにしてほしいとの意見もあった。

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