SIPとは

SIPは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより、科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクトである。国民にとって真に重要な社会的課題や、日本経済再生に寄与できるような世界を先導する10の課題に取り組む。各課題を強力にリードする10名のプログラムディレクター(PD)を中心に産学官連携を図り、基礎研究から実用化・事業化、すなわち出口までを見据えて一気通貫で研究開発を推進。経済成長の原動力であり、社会を飛躍的に変える科学技術イノベーションを強力に推し進めていく。
なお、健康医療分野に関しては、健康・医療戦略推進本部の下で推進する。

創設の背景

日本経済再生と持続的経済成長を実現するには、科学技術イノベーションが不可欠である。総合科学技術・イノベーション会議では、内閣総理大臣、科学技術政策担当大臣のリーダーシップの下、我が国全体の科学技術を俯瞰する立場から、総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案および総合調整を進めてきた。こうした中、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」は、総合科学技術・イノベーション会議が自ら司令塔機能を強化する目的で「政府全体の科学技術関係予算の戦略的策定」、「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」とともに打ち出した三本の矢の施策の一つとして位置づけられている。

プログラム概要

SIPの特徴

  • 社会的に不可欠で、日本の経済・産業競争力にとって重要な課題を総合科学技術・イノベーション会議が選定。
  • 府省・分野横断的な取組み。
  • 基礎研究から実用化・事業化までを見据えて一気通貫で研究開発を推進。規制・制度、特区、政府調達なども活用。国際標準化も意識。
  • 企業が研究成果を戦略的に活用しやすい知財システム。

平成26年度予算

  • 内閣府計上の「科学技術イノベーション創造推進費」を平成26年度政府予算案において500億円確保。
    (予算の流れ)内閣府→各省庁へ移し替え→(管理法人→)研究主体

実施体制

総合科学技術・イノベーション会議の下にSIPの着実な推進を図るためのガバニングボードが設置されており、各課題の責任者であるプログラムディレクターはガバニングボードの評価・助言を受けながら課題を推進する。また、プログラムディレクターが議長、内閣府が事務局を務める推進委員会を適宜開催。推進委員会では、関係府省、管理法人、専門家等と研究開発計画の作成や実施に必要な調整などを行う。
  • 課題ごとにPDを選定。
  • PDは関係府省の縦割りを打破し、府省を横断する視点からプログラムを推進。
  • ガバニングボード(構成員:総合科学技術・イノベーション会議有識者議員)が評価・助言を行う。
公募により、産学からトップクラスのリーダーをPD(プログラムディレクター)として選出

これまでの経緯

2013年9月
総合科学技術会議(CSTP)が10の課題候補を決定
2013年12月
10の課題候補ごとに政策参与を決定
2014年2月
公開ワークショップ開催
2014年3月
平成26年度予算成立
2014年5月
総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)において、課題、PD(それまでの政策参与)、平成26年度予算配分を決定
2014年6月
10名の政策参与をPDとして任命
2014年10月
研究開発機関を公募により決定し、各課題の研究開発を本格化
総合科学技術・イノベーション会議において、追加配分額を決定