ステップ4 民間事業者の募集、評価・選定、公表

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本ステップで地方公共団体が実施すること

1. 募集資料の作成、公表

次の募集資料を作成し、公表します。

  • 入札説明書(募集要項)
  • 要求水準書
  • 落札者決定基準
  • 様式集
  • 契約書案
  • その他必要な資料

2. 応募者からの質問への回答

公表した募集資料に関する質問の機会を設定し、回答します。この回答に対する質問もあるかもしれませんので、質問の機会については複数回設定することが有効です。

3. 提案書の受付

募集資料に従い提出される提案書を受け付けます。

4. 審査委員会の運営

審査委員会を設置して審査を実施する場合、各種の準備を行うとともに、委員会を運営します。

5. 審査結果の公表

地方公共団体が事業者を決定した場合、速やかに公表します。

Q4-1:民間事業者の募集開始後、施設や現地の見学会は開催していますか。

Answer

「先行事例の紹介」で得られた、施設や現地の見学会の開催に関する情報を示します。

事業名 見学会の開催の有無
多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業(東京都)
四日市市立小中学校施設整備事業
新総合福祉・ボランティア・NPO会館(仮称)等整備事業(岡山県)
横浜市下水道局改良土プラント増設・運営事業
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業
とがやま温泉施設整備事業(八鹿町) ×
山陽町新型ケアハウス整備事業
八雲村学校給食センター施設整備事業 ×
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市)
PFIによる県営住宅鈴川団地移転建替等事業(山形県) ×
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業 ×
市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業
桑名市図書館等複合公共施設特定事業 ×
鯖江駅周辺駐車場整備事業 ×
八尾市立病院維持管理・運営事業 ×
寒川浄水場排水処理施設更新等事業(神奈川県)
指宿地域交流施設整備等事業 ×
福岡市臨海工場余熱利用施設整備事業 ×
橿原市近鉄八木駅前南地下駐車場等施設整備事業 ×

Q4-2:入札説明書や募集要項等に関する質問回答は何回行っていますか。

Answer

「先行事例の紹介」で得られた、入札説明書募集要項等に対する質問回答の開催に関する情報を示します。

事業名 Q&A回数
多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業(東京都) 2回
四日市市立小中学校施設整備事業 4回
新総合福祉・ボランティア・NPO会館(仮称)等整備事業(岡山県) 1回
横浜市下水道局改良土プラント増設・運営事業 1回
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業 2回
とがやま温泉施設整備事業(八鹿町) 1回
山陽町新型ケアハウス整備事業 1回
八雲村学校給食センター施設整備事業 1回
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業 2回
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市) 2回
PFIによる県営住宅鈴川団地移転建替等事業(山形県) 2回
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業 2回
市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業 1回
桑名市図書館等複合公共施設特定事業 1回
鯖江駅周辺駐車場整備事業 1回
八尾市立病院維持管理・運営事業 4回
寒川浄水場排水処理施設更新等事業(神奈川県) 1回
指宿地域交流施設整備等事業 1回
福岡市臨海工場余熱利用施設整備事業 3回
橿原市近鉄八木駅前南地下駐車場等施設整備事業 1回

Q4-3:入札説明書や募集要項等に関して、民間事業者から直接意見を聴いている事例はありますか。

Answer

「先行事例の紹介」における「寒川浄水場排水処理施設更新等事業」では、公表した入札説明書等について、民間事業者から直接意見を聴いています。その結果を次のとおり公表しています。

寒川浄水場排水処理施設更新等特定事業事業者ヒアリング結果の公表について

県企業庁では、寒川浄水場排水処理施設更新等事業実施方針別紙3「寒川浄水場排水処理施設更新等事業に係る事業者ヒアリングに関する要綱」に基づき事業者ヒアリングを実施いたしましたので、同要綱5の規定によりその概要を公表します。

1 実施状況
事業者ヒアリング(以下「ヒアリング」という。)については、9事業者から参加希望があり、平成14年11月~12月に次表のとおり実施しました。実施方法は、事前に提出された提案・意見について事業者側からの説明を受け、これに対し県企業庁側の考え方等を述べ、その後意見交換するという方法としました。

事業者ヒアリング実施日表

2 公表にあたって
今回のヒアリングについては、参加の有無によって、入札時における応募者間の優劣が発生するようなことがないよう、公平性に十分に留意し、原則公開という立場で臨みました。したがって、ヒアリングの席上で未公表の資料等の開示や、新たな見解の開陳は行っておりません。ただし、公表することで事業者の権利、競争上の地位、正当な利益を害することを防ぐため、ヒアリング参加者独自のノウハウについては、当該参加者からの申入れがあった場合及び県企業庁が当該参加者独自のノウハウと判断し、当該参加者に確認した上で保護が必要と判断したものに関しては、公表の対象としていません。
公表資料における県企業庁の発言は、ヒアリング実施時点での考え方によっています。したがって、今回のヒアリング結果等を踏まえて県企業庁において対応を検討したものについては入札説明書公表時に改めて公表します。(ただし、主要意見に関する検討の方向性については、次項でお示ししています。)
なお、それぞれのヒアリング結果の概要中の事業者名の記載については、株式会社を省略した略称としています。
3 主要意見に関する検討の方向性
事業者ヒアリングにおいて複数の事業者から頂いた御意見、意見招請や意見交換会でも頂いていた御意見等の主要意見については、現在、次のような方向性で検討を進めています。なお、以下の内容は、あくまでも現時点での検討の方向性であり、入札公告時の公表内容とは一致しない場合もあり得ることを申し添えます。
  1. サービス購入料を一体不可分とし、維持管理・運営期間中のペナルティ(減額)が初期投資相当部分(割賦部分)に及ぶ仕組みについては、(a)資金調達を困難にする、(b)税務・会計上の不都合が生じる可能性がある等の理由から見直しを求める御意見を数多く頂きました。
    • [検討の方向性]
      事業者にとって参加のしやすい仕組みとするため、維持管理・運営期間中のペナルティ(減額)が初期投資相当部分(割賦部分)に及ぶ可能性がある仕組みは維持しつつも、(a)排水処理に伴うペナルティポイントを調整する、(b)不法投棄を除く再生利用業務については、ペナルティの仕組みから切り離す、など見直しを検討しています。
  2. 新設施設の瑕疵担保責任の存続期間を一律10年としていることについては、(a)設定期間が長過ぎるため結果的にコストの上昇を招く、(b)民間契約の実態に馴染まない等の理由から、特に設備に関する瑕疵担保期間の見直しを求める御意見を数多く頂きました。
    • [検討の方向性]
      建物に関する瑕疵担保責任の存続期間は10年間のままとし、設備に関する瑕疵担保責任の存続期間を1 年間とする方向での見直しを検討しています。
  3. 維持管理・運営期間中の不可抗力により増加費用や損害が発生した場合、当該増加費用等の100分の1を事業者負担としていることや不可抗力を原因として運営開始が遅延したことにより増加費用等が生じた場合、本件引渡日(平成18年4月1日)から3ヶ月以内に事業者に生じた増加費用等を事業者の負担としていることについては、事業者が負担すべき金額が青天井となる等の理由から見直しを求める御意見を数多く頂きました。
    • [検討の方向性]
      維持管理・運営期間中の不可抗力による増加費用等や不可抗力を原因とする運営開始遅延に伴う増加費用等については、原則として県企業庁の負担とする方向での見直しを検討しています。
  4. 案時から本件引渡日までの金利変動リスク及び物価変動リスクを事業者負担としていることについては、事業者リスクに馴染まないということで、見直しを求める御意見を数多く頂きました。
    • [検討の方向性]
      提案時から本件引渡日までの金利変動リスク及び物価変動リスクは県企業庁負担とする方向での見直しを検討しています。
  5. 脱水ケーキの再生利用に関しては、市場リスクが大きいことから、事業者のリスク負担を軽減し、事業の継続性を確保すべきという趣旨の御意見を数多く頂きました。
    • [検討の方向性]
      (1)現在、提示している仕組みでは、脱水ケーキの最終処分場への埋め立ては一切認めていませんが、市場変動等やむを得ない事情がある場合には、関係者協議会で協議の上、県企業庁の承諾が得られた場合に限り、緊急避難としての最終処分場への埋め立てを可能とする方向での見直しを検討しています。
      (2)脱水ケーキの再生利用の市場動向を考慮し、再生利用業務費の提案単価の固定期間を10年間から5年間に短縮する方向での見直しを検討しています。

○注 脱水ケーキ…汚泥や水中汚濁物質等を脱水処理によって水分を除去した後に残った物質

Q4-4:入札参加者の応募費用を軽減したいと考えていますが、どのような方法がありますか。

Answer

「PFI事業に係る民間事業者の選定及び協定締結手続きについて(平成15年3月31日総行行43号、総行行44号)」に示されるように、競争性を損なわないことを前提に、詳細な事業提案を提出する応募者をあらかじめ絞り込む方法が考えられます。これは、一般競争入札における参加資格要件を適切に設定し、2段階選抜を行うことで応募者の負担に関して適切に考慮するものです。

また、提案書の各項目の使用目的について再度確認し、応募者に過度な提案書の作成を求めないことが考えられます。

さらに、提案書作成に要する費用の一部を支給する方法もあります。多くの案件においては、全額を応募者が負担することとしていますが、「先行事例の紹介」における「四日市市立小中学校施設整備事業」では、第一次審査を通過した第二次審査の落選者には提案報奨金として各々200万円を支払っています。これについては、「地方公共団体におけるPFI事業について(平成12年3月29日自治事務次官通知)」において、「一定のコンペ料等を支払うことを妨げるものでない」と記されているところです。

Q4-5:債務負担行為はどのように設定していますか。

Answer

債務負担行為の設定時期については、原則として、総合評価一般競争入札の場合は入札公告まで、公募型プロポーザルの場合は遅くとも仮契約締結までとなります。

設定方法については、事業期間中に支払う総額の限度額を記載することになりますが、先行事例においては次の点について検討を必要としたようです。

(1)PSCか、PFIのLCCなのかどちらを債務負担の限度額として採用するかについては両論あるようです。

(2)ほぼ確実に生じる金額変動等の取扱い
PFI事業では、金利変動(提案時から融資実行まで)、物価変動、需要量変動などのリスクを地方公共団体が負担する場合も多く、これらは、ほぼ確実に顕在化するため、債務負担行為の設定額に含めているようです。また、これらの部分については次のような文言表現を併用することが多いようです。

限度額: ●●●円に金利変動、物価変動、●●の変動に伴う増減額を加算した額

Q4-6:PFI事業で該当する地方公共団体における支出費目は何ですか。

Answer

先行事例では、BOT方式の場合は「使用料・賃借料」と「委託費」、BTO方式の場合は「公有財産購入費」と「委託費」から構成されていることが多くなっています。

事業方式 設計・建設の対価相当分の支出費目 維持管理・運営の対価相当分の支出費目
事業期間中の各年度 事業期間終了時
BTO方式 公有財産購入費 委託費
BOT方式(施設を無償譲渡する場合) 使用料・賃借料 委託費
BOT方式(施設を有償譲渡する場合) 使用料・賃借料 公有財産購入費 委託費

Q4-7:PFI事業の先行事例では、入札保証金を求めていますか。

Answer

「先行事例の紹介」のうち、「多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業」及び「(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業」において条件付免除としている以外には、地方公共団体で定める規則に基づき、入札保証金を求めていません。

Q4-8:WTO政府調達協定の対象となるPFI事業においては、どのように民間事業者を募集することになりますか。

Answer

WTO政府調達協定とは、1994年4月15日にマラケシュで作成された政府調達に関する協定書です。

地方公共団体では、都道府県と政令指定都市が対象であり、その他の市町村や一部事務組合、広域連合は対象外です。具体的には、「地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続きの特例を定める政令(平成7年11月1日政令第372号)」の規定に基づき民間事業者の募集を行うことになります。

ただし、都道府県と政令指定都市が実施するPFI事業の全てに適用されるわけではありません。PFIは、設計、建設と維持管理、運営の混合契約と解されますが、予定価格が、その主目的である調達項目ごとの適用基準額に達していれば適用されることになります。例えば、建設工事が主目的の場合は24億3,000万円以上(現行規定・平成18年3月31日まで)であれば適用されますが、WTO政府調達協定上の特定役務以外が主目的である事業は適用されません。

「地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続きの特例を定める政令の交付について(通知)(平成7年11月1日自治行第82号)」及び「地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続きの特例を定める政令の交付について(通知)(平成7年11月1日自治行第83号)」に規定される主な留意点を示します。

  1. 一般競争入札で行う場合、所在地に関する必要な資格を定めることはできません
  2. 原則として、競争入札によるため、随意契約となる公募型プロポーザルは適用できません
  3. 入札公告から入札(提案書受付)まで少なくとも40日間を確保する必要があります
  4. 入札公告における一定事項については英語(またはフランス語かスペイン語)で記載する必要があります
  5. 郵便による入札を禁止できません

なお、「地方公共団体におけるPFI事業について(平成12年3月29日自治画第67号)」第5の4に、「政府調達協定の適用を受けるPFI契約についての留意点」が掲載されていますので参照してください。

Q4-9:総合評価一般競争入札と公募型プロポーザルの適用はどうなっていますか。

Answer

「地方公共団体におけるPFI事業について(平成12年3月29日自治画第67号)」では、民間事業者の選定に当たっては、総合評価一般競争入札によることを原則としています。しかし、先行事例では、公募型プロポーザルの適用もあります。

「先行事例の紹介」で得られた、民間事業者の選定方式に関する情報を示します。

事業名 総合評価一般競争入札 公募型プロポーザル
多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業(東京都)
四日市市立小中学校施設整備事業
新総合福祉・ボランティア・NPO会館(仮称)等整備事業(岡山県)
横浜市下水道局改良土プラント増設・運営事業
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業
とがやま温泉施設整備事業(八鹿町)
山陽町新型ケアハウス整備事業
八雲村学校給食センター施設整備事業
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市)
PFIによる県営住宅鈴川団地移転建替等事業(山形県)
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業
市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業
桑名市図書館等複合公共施設特定事業
鯖江駅周辺駐車場整備事業
八尾市立病院維持管理・運営事業
寒川浄水場排水処理施設更新等事業(神奈川県)
指宿地域交流施設整備等事業
福岡市臨海工場余熱利用施設整備事業
橿原市近鉄八木駅前南地下駐車場等施設整備事業

Q4-10:民間事業者を募集するに当たって、その参加資格はどのように設定していますか。

Answer

民間事業者の参加資格は、当該PFI事業を実施する者として特定の実績等が求められる場合に定めるものです。PFI事業では、競争性を高めるために、応募企業には広く門戸を開放することが望ましいと考えられますが、事業実施に必要となる参加資格の考え方については、従来方式で実施する場合と変わりません。

「先行事例の紹介」で得られた、募集時に定める参加資格に関する情報を示します。

四日市市立小中学校施設整備事業(第1次募集要項より抜粋)
1. 応募者の構成
応募者は、単独企業(以下「応募企業」という。)又は複数の企業で構成されるグループ(以下「応募グループ」という。)とする。応募グループは、その構成員(以下「構成員」という。)として施設を設計する企業(以下「設計企業」という。)、施設を建設する企業(以下「建設企業」という。)及び施設の維持管理を行う企業(以下「維持管理企業」という。)を含む企業により構成されるものとする。応募グループで申し込む場合には、参加表明書の提出時に代表企業名を明記し、必ず代表企業が応募手続きを行うものとする。また設計企業、建設企業及び維持管理企業を、それぞれ複数の企業とすることも、同一企業が兼ねることも可能とする。応募者は、応募企業又は応募グループの構成員以外の者で、業務の一部を受託し又は請け負うことを予定している者(以下「協力企業」という。)についても、参加表明書等提出時において協力企業として明記するものとする。なお、市では本事業の実施に際し、応募者・協力企業として四日市市内に本社・本店を置く企業が加わるなど、地元経済発展への配慮に期待している。
2. 応募者の資格要件
イ 応募者の要件
応募企業は、次の(1)、(2)及び(3)に示す要件を1社にて満たすこと。また、応募グループのうち設計企業、建設企業及び維持管理企業は、次の(1)、(2)、(3)の要件をそれぞれ満たすこと。
  • (1)施設を設計する者の要件
    • 市の入札参加資格者名簿に登録されていること。
    • 建築士法第23条の規定に基づく一級建築士事務所登録を行っていること。
    • 小中学校施設の計画・設計の実績を有すること。但し、複数の企業が施設を設計する者となる場合は、構成員に実績を有する者を含むものとする。
  • (2)施設を建設する者の要件
    • 市の入札参加資格者名簿に登録されていること。
    • 建設業法第3条第1項の規定により、建築一式工事につき特定建設業の許可を受けた者であること。
    • 建設業法第27条の23第1項に定める経営事項審査〔審査基準日が平成13年(2001年)10月1日から平成14年(2002年)9月30日までのもの〕(当該審査基準日に受けていない場合は、平成14年(2002年)10月1日以降を審査基準日とする)を受けた者で、審査結果の総合点が750点(四日市市請負工事指名業者格付等級区分Aランク)以上の者であること。但し、複数の企業が施設を建設する者となる場合は、構成員に750点以上の者を含むものとする。
  • (3) 施設を維持管理する者の要件
    • 市の入札参加資格者名簿に登録されていること。
    • 学校校舎、公共施設、オフィスビルなどの維持管理業務の実績があり、関連有資格者を有すること。
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業(入札説明書より抜粋)
2. 入札参加者の参加資格要件
入札参加者は,次の参加資格要件を満たす構成員を含むものとします。
  1. 本事業を円滑に遂行できる,安定的かつ健全な財務能力を有していること。
  2. 本事業を効率的かつ効果的に実施できる経験及びノウハウを有していること。
  3. 建設企業は,以下の要件を満たしていること。
    • 建設業法(昭和24年法律第100号)第3条第1項の規定により,土木一式工事につき特定建設業の許可を受けていること。
    • 建設業法第27条の23第1 項に規定する土木一式工事に関わる経営事項審査(審査基準日が平成11年10月1日から平成12年9月30日までのもの(当該審査基準日に係わる経営事項審査を受けていないものについては平成12年10月1日以降を審査基準日とするもの))で,土木工事の総合評点数値が900点以上のもの。ただし,複数の企業で応募する場合は,当該総合評点数値が900点以上のものを少なくとも1者含むこととする。
    • 3町いずれかにおいて,平成13年度入札参加資格を有している者で,土木工事に登録していること。
    • 平成3年度以降に元請として,廃棄物埋立容量50,000立方メートル以上の一般廃棄物最終処分場の施工実績を有すること。ただし,複数の企業で応募する場合は,当該実績のあるものを少なくとも1者含むこととする。
  4. 運営企業は,一般廃棄物最終処分場または産業廃棄物最終処分場(管理型)の管理実績(埋立管理及び水処理施設管理)を有していること。
山陽町新型ケアハウス整備事業(募集要項より抜粋)
2. 応募者構成員の資格要件
入札参加者は,次の参加資格要件を満たす構成員を含むものとします。
  • (ア)応募者構成員が株式会社の場合には、直前期末の決算(連結決算を行っている場合には、連結決算)において純資産及び税引前利益が次のとおりであること、又は、国内の証券取引所(東京、大阪、名古屋、札幌、福岡)のうちいずれか(東京、大阪及び名古屋証券取引所に上場している場合には、1部又は2部に限る。)に上場していること。
  • (イ)純資産は、直前期末で3億円以上、かつ連結決算の場合には応募者構成員たる法人単体で債務超過していないこと。
  • (ウ)税引前利益は、最近1年間において1億円以上であること。
    注:応募者構成員たる株式会社に親会社(応募者構成員たる株式会社の発行済み株式総数の過半数を所有している者)がある場合、連結財務諸表に関する関係法令に従って適正に財務計算に関する書類が作成されているときに限り、当該親会社における連結決算が上記基準を満たしていることで足りるものとする。
  • (エ)応募者構成員が医療法人その他の非営利法人の場合には、それぞれの法人類型に対応して策定されている会計基準に基づき適正に会計処理が行なわれていること、外部監査を受けていること、若しくは青色申告法人と同等の記帳及び帳簿書類の保存が行なわれていること、及び1億円以上に相当する資産(現金、預金、確実な有価証券又は不動産に限る。)を基本財産として有していること。
八雲村学校給食センター施設整備事業(募集要項より抜粋)
2-2. 応募者の備えるべき参加資格要件
応募者は、本事業を行う能力を有した単独企業、もしくは、これらの能力を有する者を含むグループとし、次の資格要件を備えるものとする。
  • (ア)地方自治法施行令第167条の4の規定に該当しない者
  • (イ)資格確認基準日に八雲村もしくは島根県の指名停止中でない者
  • (ウ)最近1年間の法人税及び法人事業税を滞納していない者
  • (エ)建設業法第3条第1項の規定により、建築一式工事につき特定建設業の許可を受けた者
  • (オ)村との交渉窓口として、島根県内に本・支店・営業所を開設する企業であること
  • (カ)HACCPシステムに関する相当程度の知識を有する企業であること
なお、グループで応募する場合、(ア)、(イ)、及び(ウ)の要件は構成員全員が満たす必要があるが、(エ)、(オ)及び(カ)の要件は構成員の一部が満たすことで足りる。また、一応募者の構成員は他の応募者の構成員となることはできないものとする。また、応募者の構成員の変更は基本的には認めない。やむを得ない事情が生じた場合は村の承認を得るものとする。
本事業に関して特定目的会社の設立により事業を行うことを予定している場合は、その旨を様式第2号に記載し、グループの代表企業は必ず当該特定目的会社への出資を行うこととし、かつ、代表企業を含め落札者が50%を超える出資をすることとする。
市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業(募集要項より抜粋)
ア 応募者の構成等
プロポーザルに参加する民間事業者(以下「応募者」という。)の構成等は次のとおりとする。
  • (ア) 市は市川市立第七中学校校舎建設等事業を、本事業と市川市ケアハウス整備等PFI事業の2つに区切り、複数の公共施設等を合築で効率的に施設整備することとした。応募者は2つのPFI事業の応募者グループで構成するコンソーシアムを組成して応募する。応募者は同一コンソーシアム内の構成員となることはできるが、他のコンソーシアムの構成員になることはできない。
  • (イ) 中学校校舎・給食室・公会堂・保育所の施設整備・譲渡・維持管理事業(保育所の運営業務を除く。)を実施する本事業の応募者は、建物等を設計する者及び建物等を建設する者を含む、単独企業もしくは複数の企業等により構成されるグループとし、代表者を定める。本事業の応募者は、特定事業契約締結時までに本事業を実施する特別目的会社(事業者)を設立し、代表者は必ず特別目的会社への出資を行う。
  • (ウ) 保育所整備の提案等にあたり、千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県の1都3県内に本部のある社会福祉法人で参加資格確認基準日において認可保育所を運営しているものを参加させ、保育所運営事業者のノウハウ等を活かしたものとすること。
  • (エ) 設計企業は、建築士法(昭和25年法律第202号)第23条の規定に基づく一級建築士事務所の登録を行っていること。
  • (オ) 建設企業は、建設業法(昭和24年法律第100号)第3条の規定により建築一式工事につき特定建設業の許可を受けた者であること。
  • (カ) グループには必ず建設企業を含め、事業者は、建設を当該建設企業に委託することとする。
  • (キ) 参加表明書により参加の意思を表明した応募者の構成員の変更は認めない。但し、やむを得ない事情が生じた場合は、市と協議を行う。
  • (ク) 事業の独立性を確保するため、事業部門の区分経理を実施するなど、本事業の独立性を確保できる体制をグループ構成員は措置すること。
鯖江駅周辺駐車場整備事業(募集要項より抜粋)
ア 応募者の構成等
(2)応募者の参加資格
1) 応募者は、当事業を実施する単独企業または企業グループであって、以下の資格要件をすべて満たすことが必要である。なお、同一応募者が複数の提案を行うことおよび複数の企業グループを構成することは禁止する。また、市は応募者の資格の確認を行うため、資格審査を実施する。
  • ア)基本的な資格要件
    • 地方自治法施行令第167条の4に該当しないものであること
    • 資格確認基準日現在、鯖江市工事等入札参加資格者名簿に登載している者で、指名停止期間中でないものであること。なお、グループの場合には、代表者がこれを満たすことが必要である。
    • 次の各法令の規定による申立て等がなされていない者であること。
      1. 商法第381条の規定による整理開始の申立てもしくは通告
      2. 破産法第132条もしくは第133条の規定による破産の申立て
      3. 旧和議法第12条の規定による和議開始の申立て
      4. 会社更生法第30条の規定による更正手続き開始の申立て
      5. 民事再生法第21条の規定による再生手続き開始の申立て
    • 資格審査書類および提案書等の受付日から審査結果の決定日までに鯖江市建設工事等指名停止要綱に基づく指名停止措置を受けまたは指名停止の期間中でないこと。
  • イ)駐車場整備および提案技術に関する実績イ)駐車場整備および提案技術に関する実績
    • 応募者は、過去に駐車場などの設計、建設または運営管理の実績を有するものであること。
  • ウ) その他の参加不適格者
    • 事業者選定委員会の委員本人及び委員が属する企業もしくはその関係会社

Q4-11:物価変動リスクを地方公共団体が負担する場合、どのように支払に反映していますか。

Answer

「先行事例の紹介」における先行事例20件のうち13件は、物価変動リスクを地方公共団体が負担することとしており、サービス対価への反映方法を事前に示しています。具体的には、提案時点の物価と業務実施時の物価の変化率を選定事業者が提案したサービス対価の額に乗じています。

例えば、「「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業」では、次の算式にて委託料(サービス対価のうち維持管理・運営の対価相当分)を変更することとしています。

平成X年度の委託料(サービス対価のうち維持管理・運営の対価相当分)
=選定事業者が提案した平成X年度の委託料×CSPIX-1÷CSPI15

注 CSPIX:平成X年度4月~9月の企業向けサービス価格指数(日本銀行)の平均

消費者物価指数や企業向けサービス価格指数は、実績に基づき算定されるため、平成X年度のサービス対価を支払う時点で当該年度の指数が不明であることから、前年度の指数を利用しています。

 「先行事例の紹介」の先行事例で採用されている物価の変動指数を示します。

事業名 物価の変動指数
多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業(東京都)厚生労働省「毎月勤労統計調査結果速報」の賃金指数(事業所規模5 人以上、調査産業計、現金給与総額)
日本銀行「物価指数月報」の国内卸売物価指数
四日市市立小中学校施設整備事業日本銀行調査統計局が作成する企業向けサービス価格指数(総平均)
新総合福祉・ボランティア・NPO会館(仮称)等整備事業(岡山県)消費者物価指数(財・サービス分類指数(全国)の「総合」)
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業消費者物価指数(財・サービス分類指数(全国)の「総合」)
山陽町新型ケアハウス整備事業企業向けサービス価格指数「建物サービス」(物価指数統計月報・日銀調査統計局)
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業企業向けサービス価格指数「建物サービス」(物価指数統計月報・日銀調査統計局)
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市)企業向けサービス価格指数「その他の専門サービス」、「設備管理」、「清掃」、「警備」、「衛生管理」、「保健サービス」(物価指数統計月報・日銀調査統計局)
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業企業向けサービス価格指数「建物サービス」(物価指数統計月報・日銀調査統計局)
市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業日本銀行調査統計局が公表する企業向けサービス価格指数の総平均
桑名市図書館等複合公共施設特定事業企業向けサービス価格指数」(物価指数統計月報・日銀調査統計局)
消費者物価指数(総務省統計局)
毎月勤労統計調査(厚生労働省)
建設物価指数月報(建設物価調査会)
八尾市立病院維持管理・運営事業「企業向けサービス価格指数」-設備管理(物価指数月報・日銀調査統計局)
「企業向けサービス価格指数」-警備管理(物価指数月報・日銀調査統計局)
「企業向けサービス価格指数」-衛生管理(物価指数月報・日銀調査統計局)
「企業向けサービス価格指数」-労働者派遣サービス(物価指数月報・日銀調査統計局)
「企業向けサービス価格指数」-洗濯(物価指数月報・日銀調査統計局)
「企業向けサービス価格指数」-清掃(物価指数月報・日銀調査統計局)
寒川浄水場排水処理施設更新等事業(神奈川県)企業向けサービス価格指数「建物サービス平均」、「総平均」、「陸上貨物輸送道路貨物輸送平均」(物価指数統計月報・日銀調査統計局)
消費者物価指数「総合」(総務省統計局)
毎月勤労統計調査「実質賃金指数/産業計現金給与総額(厚生労働省)
国内企業物価指数「一般機器」(日銀調査統計局)
公共料金(電気代、水道代、燃料費等)
指宿地域交流施設整備等事業企業向けサービス価格指数「建物サービス」(物価指数統計月報・日銀調査統計局)

Q4-12:施設の利用料金を選定事業者が直接収受することで得られる効果はありますか。

Answer

地方自治法の一部を改正する法律(平成15年法律第81号)により、公の施設の管理について指定管理者制度が導入されたことから、選定事業者が指定管理者となる場合には、利用料金を直接収受することが可能になりました。

また、「先行事例の紹介」で示す「(仮称)松森工場関連市民施設事業」は、公の施設に位置付けていないため、指定管理者制度を適用していませんが、施設の利用料金収入を直接、選定事業者が収受することとしています。

このように、選定事業者が利用料金を直接収受する場合、選定事業者としては、利用者のニーズに応えていく等の対応を行わないと、収入に影響が生じることになります。したがって、選定事業者が民間ならではのサービスの質を上げる工夫を行うことが期待できます。

Q4-13:提案書において融資関心表明書の提出を求めていますか。また、融資関心表明書に記載する項目を地方公共団体が指定していますか。

Answer

提案書には金融機関からの融資関心表明書を添付することが一般的です。融資関心表明書には融資の前提条件の提出を求めている場合もありますが、具体的な記載項目については特に指定しないのが一般的です。

なお、融資関心表明書は、あくまで金融機関における融資検討についての表明であり、融資の確約ではない点に留意が必要です。

Q4-14:将来、金融機関が破綻した場合、事業にどのような影響が及びますか。

Answer

融資実行前に金融機関が破綻した場合、SPCは他の金融機関からの調達を検討することになります。著しく低金利の提案を受けていない限り、他の金融機関から調達することは可能と考えますが、コーポレートファイナンスに比べ、プロジェクトファイナンスは検討に時間がかかるため、スケジュール等に留意する必要があります。

融資実行後に破綻があった場合、その破綻処理において、SPCの返済債務は、いわゆる受け皿銀行に売却移転されることが想定されます。したがって、金融機関による事業のモニタリングQ6-10参照)については影響が及ぶ可能性があると考えられます。

Q4-15:構成員が契約締結までに指名停止となった場合、どうなるのでしょうか。

Answer

「先行事例の紹介」のうち「(仮称)松森工場関連市民利用施設事業」では、当該PFI事業への参加資格要件を欠く事態(指名停止措置を含む)に陥った際に失格とする期間を事業契約締結前とする旨、入札説明書において明記しています。同様に、「「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業」では、失格とする期間を入札結果の公表時までとする旨を入札説明書において明記しています。

これらの事例において、この期間内に、構成員が指名停止となった場合、応募グループは失格となります。ただし、やむを得ない事情がある場合には、応募グループの構成員等の変更等を認めています。

Q4-16:民間事業者に求める損害保険加入の範囲について、どのようにしていますか。

Answer

損害保険の付保は民間事業者が負担するリスクへの対応方法の一つであるため、特に条件とせず、付保するかどうかは民間事業者の判断にゆだねることも考えられます。ただし、事故等が生じた場合に、SPCの弁済能力が乏しいであろうと想定される事業スキームにおいては、付保を条件とすることが適切です。

「先行事例の紹介」で得られた、付保の要求に関する情報を示します。

事業名 建設期間中 維持管理期間中
多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業(東京都) ・普通火災保険
・施設賠償責任保険
・生産物賠償責任保険
・傷害保険
四日市市立小中学校施設整備事業 ・第三者賠償責任保険 ・施設賠償責任保険
新総合福祉・ボランティア・NPO会館(仮称)等整備事業(岡山県) ・第三者賠償責任保険
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業 ・履行保証保険
・第三者賠償責任保険
山陽町新型ケアハウス整備事業 ・建設工事保険
・第三者賠償責任保険
・施設賠償責任保険
・第三者賠償責任保険
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業 ・第三者賠償責任保険
・履行保証保険
・普通火災保険
・施設賠償責任保険
・生産物賠償責任保険
・施設毀損保険
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市) ・建設工事保険
・第三者賠償責任保険
・普通火災保険(地震特約付)
・第三者賠償責任保険
PFIによる県営住宅鈴川団地移転建替等事業(山形県) ・第三者賠償責任保険 ・第三者賠償責任保険
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業 ・建設工事保険
・第三者賠償責任保険
・施設賠償責任保険
・第三者賠償責任保険
市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業 ・履行保証保険
・建設工事保険
・第三者賠償責任保険
・第三者賠償責任保険
八尾市立病院維持管理・運営事業 ・火災保険
・第三者賠償責任保険
・火災保険
・第三者賠償責任保険
・生産物賠償責任保険
指宿地域交流施設整備等事業 ・建設工事保険
・第三者賠償責任保険
・第三者賠償責任保険

Q4-17:性能発注を行うに当たっての基本的な考え方はどうなっていますか。

Answer

性能発注を行うに当たっての基本的な考え方については、「PFI事業実施プロセスに関するガイドライン(平成13年1月22日内閣府PFI推進委員会)」において整理されています。

「PFI事業実施プロセスに関するガイドライン」の「ステップ4.民間事業者の募集、評価・選定、公表」の4-1(3)からの抜粋を次に示します。

「PFI事業実施プロセスに関するガイドライン(平成13年1月22日内閣府PFI推進委員会)」の抜粋

ステップ4 民間事業者の募集、評価・選定、公表
4-1 民間事業者の募集、評価・選定
(3)性能発注を行うに当たっては、これに応募する民間事業者の創意工夫の結果を適切かつ客観的に評価することが必要である。このため、民間事業者の提案を評価するための客観的な評価基準の設定が必要となる。さらに、公共サービスの水準等について、やむを得ず定性的な評価基準を用いる場合でも、評価結果の数量化により客観性を確保することが必要である。

 このような評価を行う場合には、次の事項に留意する。

  1. 価格及びその他の条件により選定を行おうとする場合には、評価項目、評価基準、配点等を募集の際にあらかじめ明示すること。
  2. 提供されるべき公共サービスの水準等を示した仕様書に対する追加の提案事項として評価の対象とするものについては、募集の際にあらかじめ明示すること。原則として明示されていないものについては評価をしないこと。
  3. 定性的な評価項目についても、できる限り具体的に評価基準を示すこと。 なお、事業によっては、例えば意匠のような定性的な評価項目の優劣が民間事業者の評価・選定の大きなウェイトを占めることがある。このような場合において、事業全体を実施する民間事業者の選定が当該評価項目によって左右されることが適当でないと考えられるときには、当該評価項目に係る部分のみを事前に公募等によって決定した上で、これを民間事業者の募集の際に仕様として提示し、民間事業者の募集、評価・選定を行うことも考えられる。
  4. 評価に当たっては、応募者間の順位付けにより評価するのではなく、設定された評価基準に従ってそれぞれの提案を個別に評価すること。

Q4-18:性能発注の考え方による要求水準書とは、どのように作成していますか。

Answer

性能発注とする場合は、民間事業者が公共サービスとして提供する成果のみを規定し、成果を達成するための手段については、全てを民間事業者にゆだねることとなります。

給食提供サービスにおいて、「(a)おいしくて、(b)安全な給食を、(c)指定する時間までに、(d)指定する数量分を学校に配送すること。」という項目を設けようとする場合を例にとって考えてみます。

このうち、(c)(d)については、成果を確認することは容易ですが、(a)(b)については、成果の測定が困難であるとともに、地方公共団体と選定事業者が認識している水準が異なることが考えられるため、地方公共団体としては不安といえます。よって、(a)(b)については、設備機能、手順、材料、確認方法などの手段を規定せざるを得ません。

民間事業者にゆだねられるものはゆだねることがPFIの基本姿勢ですが、上記(a)(b)のように公共サービスを提供する立場として最低限担保すべきと判断される事項については、これまでの仕様発注同様に明確に規定し、選定事業者が実施することを確保するということも考えられます

Q4-19:PFI事業では性能発注が前提になりますが、具体的な仕様を示している先行事例はありますか。

Answer

「PFI推進委員会中間報告-PFIのさらなる展開に向けて-(平成16年6月3日内閣府PFI推進委員会)」では、性能基準の代替として仕様例を提示する方法等も選択肢として検討され得るとしています。

第3章の先行事例に紹介する「八雲村学校給食センター施設整備事業」では、事務室に設置するデジタル印刷機の要求水準を示す際に、「デュプロ(株)デュープリンター/DP43SFと同等の機能を有するもの」と、具体的な機種名を挙げて規定しています。

「PFI推進委員会中間報告-PFIのさらなる展開に向けて-(平成16年6月3日内閣府PFI推進委員会)」の抜粋

「PFI推進委員会中間報告-PFIのさらなる展開に向けて-(平成16年6月3日内閣府PFI推進委員会)」の抜粋
3 PFIの重点課題とその対応
(2)事業者選定手続きにおける公平性・透明性と経済性の確保
1)要求水準・審査基準の明確化による正確な理解の促進

(前略)
しかしながら、進捗中の事業のなかには、要求水準書案と審査基準が簡潔過ぎる、又は不明瞭なため、公共施設等の管理者等の要求水準やどのような点に創意工夫の発揮を期待しているのかが分からないケースがあるとの指摘がある。 こうした課題に対応するため、公共施設等の管理者等は、契約書案、要求水準書案及び審査基準について、民間事業者との間で質疑応答を行い、自らの事業の要求水準と創意工夫を期待する点を民間事業者に正確に伝える努力をするとともに、リスクの適切な分担の観点から、適当と思われる民間事業者の意見については、契約書案及び要求水準書案等に反映していくことが望ましい。また、運営業務の比重が大きい複雑な事業などにおいては、事業内容のうち、要求水準書案において性能基準を表すことが難しい事項や、民間事業者の創意工夫の発揮を期待する重点事項以外の事項について、性能基準の代替として仕様例を提示する方法等も選択肢として検討され得る。この場合、性能基準の代替である仕様例から、民間事業者に性能基準を解釈してもらい、それと同等又はそれ以上の性能基準を満たす仕様を提案させることとなる。

(後略)

Q4-20:大規模修繕業務は民間事業者が実施しているのでしょうか。

Answer

大規模修繕業務を民間事業者にゆだねる場合と地方公共団体が実施する場合の両方があります。

「先行事例の紹介」では、「寒川浄水場排水処理施設更新等事業」において、大規模修繕業務が民間事業者の業務範囲であることを明記しています。一方、PFI事業では施設提案を民間事業者が行うため、大規模修繕の実施の有無も民間事業者の提案にゆだね、大規模修繕を必要とする提案については、民間事業者が実施することとしている事業もあります。

民間事業者にゆだねる場合、当該施設の計画使用年数(または耐用年数)に対し、PFI事業で民間事業者に維持管理運営をゆだねる期間に相当の乖離がある場合は留意が必要です。大規模修繕の実施規定や事業期間終了時の引渡し検査などが特にない場合、民間事業者は事業期間だけに着目し、その期間のみを効率的に実施することになる可能性もあるためです。この場合、計画使用年数全体のLCCにおいては不利になる可能性もあります。

以上のことから、大規模修繕の実施時期の決定も含めて、民間事業者にゆだねるべきかについては、コンサルタント等の意見を参考に、十分に検討すべき事項と考えられます。

Q4-21:民間事業者の選定に用いる評価基準はどのように設定していますか。

Answer

性能発注においては、評価項目ごとに、数値で判断できる評価指標を設定して、あらかじめ得点化方法を提示することが求められます。

<評価基準:例1>

工事日数の短縮提案があれば、短縮日数2日当たり1点を加算点として与える。
(平成16年度国土交通省工事(通常の請負工事))

しかし、PFI事業は、多様な提案を受ける可能性があるとともに、これらを積極的に受け入れ、評価する必要があることから、例1のように「工事の短縮日数」などに評価指標を限定して設定することは困難です。

したがって、先行事例では、例えば次のような評価基準を設定して、提案を求めています。

<評価基準:例2>

  • 魅力的な景観が創出されているか。(配点:4点)
  • 空間構成と動線の工夫がなされているか。(配点:5点)
  • 温水プール、温浴施設の各機能は適切で、独創的かつ魅力的な提案内容であるか。(配点:4点)
    ((仮称)松森工場関連市民利用施設事業)

Q4-22:総合評価一般競争入札では、どのように評価値を算定していますか。

Answer

落札者を決定するための評価値の算定方法としては、次の2つがあります。

  1. 加算方式
    価格以外の要素による得点と価格要素による得点を加算する方式。
  2. 除算方式
    価格以外の要素による得点を価格で除算する方式。

「先行事例の紹介」で得られた、総合評価の値の算定方法に関する情報を示します。

事業名 総合評価の値の算定方法
多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業(東京都)評価値=(基礎点(40点)+価格以外の要素による得点(満点60点))÷価格
新総合福祉・ボランティア・NPO会館(仮称)等整備事業(岡山県)評価値=価格以外の要素による得点(満点50点)+価格要素による得点(満点50点)
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業評価値=(基礎点(75点)+価格以外の要素による得点(満点25点))÷価格
とがやま温泉施設整備事業(八鹿町)評価値=価格以外の要素による得点(満点70点)+価格要素による得点(満点30点)
八雲村学校給食センター施設整備事業評価値=価格以外の要素による得点(満点70点)+価格要素による得点(満点30点)
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業評価値=価格以外の要素による得点(満点50点)+価格要素による得点(満点50点)
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市)評価値=価格以外の要素による得点(満点70点)+価格要素による得点(満点30点)
PFIによる県営住宅鈴川団地移転建替等事業(山形県)評価値=価格以外の要素による得点(満点50点)+価格要素による得点(満点50点)
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業評価値=(基礎点(50点)+価格以外の要素による得点(満点50点))÷価格
桑名市図書館等複合公共施設特定事業評価値=価格以外の要素による得点(満点40点)+価格要素による得点(満点60点)
八尾市立病院維持管理・運営事業評価値=(基礎点(800点)+価格以外の要素による得点(満点200点))÷価格
寒川浄水場排水処理施設更新等事業(神奈川県)評価値=価格以外の要素による得点(満点30点)+価格要素による得点(満点70点)
指宿地域交流施設整備等事業評価値=価格以外の要素による得点(満点70点)+価格要素による得点(満点30点)

Q4-23:評価項目ごとの配点はどのように設定していますか。

Answer

先行事例において、評価項目の配点は次のように設定しています。

  1. 提供する公共サービスの効果の違い
    例えば、評価項目A及びBにおいて評価する提案事項が事前に明らかになっている場合、それぞれの提案事項により利用者に与える効果が年間1,000万円(A)、同2,000万円(B)であるならば、BはAの2倍の配点を設定することが望ましいといえます。
  2. 評価項目の重要度、期待度の違い
    例えば、評価項目Cは「その他清掃業務に関する優れた提案」を対象にしており、評価項目Dは「その他運営業務全般に関する優れた提案」を対象にしている場合において、特に評価項目Dで評価する優れた提案を期待する場合、CよりもDの配点が高くなります。

(参考)民間事業者が提案する際の判断について

民間事業者からすれば、追加提案に伴う費用が評価項目Eと評価項目Fで同額であれば、より配点の高い評価項目に提案したいと考えることになります。また、評価項目Eと評価項目Fの配点が同じであれば、より追加提案に伴う費用が安い方に提案したいと考えることになります。費用と効果は必ずしも比例しませんが、正の相関がある場合も多いと考えます。

Q4-24:応募者が要求水準書を全て理解していることを確認するには、どのような方法がありますか。

Answer

「先行事例の紹介」で示す「(仮称)松森工場関連市民施設事業」では、まず入札説明書において「入札参加者は、入札書類の提出をもって、入札説明書等及び追加資料の記載内容を承諾したものとみなす。」と明記しています。

また、提案書の審査においては、基礎審査として要求水準書と齟齬のないことを確認するとともに、あわせて確認書(表明保証)の提出も求め、サービスの質を確保することとしています。

なお、必要に応じて説明会を開催したり、ヒアリングの機会を設けることにより、真意を伝えるという方法も考えられます。

落札者決定基準より引用

Q4-25:事業収支計画を評価するに当たり、SPCの支出項目の内訳についてはどの程度まで提案を求めていますか。

Answer

「先行事例の紹介」で得られた、提案書に記載するSPCの支出項目の内訳に関する情報を示します。

事業名 SPCの支出項目の内訳(支払利息、公租公課を除く)
山陽町新型ケアハウス整備事業
  1. 建物等共同施設の維持管理業務費
    ・建物保守管理費用
    ・設備等保守管理費用
    ・外構施設保守管理費用
    ・清掃費用
    ・保安警備費用
    ・環境衛生管理費用
    ・進入路保守管理費用
    ・維持管理費用合計
  2. 各種運営及びその関連業務費
    ・人件費
    ・水道光熱費
    ・給食費
    ・事務管理費
    ・その他
  3. 建物等施設賃借費用
  4. 保険料
  5. SPC管理費用
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業
  1. 維持管理費
  2. 運営費
  3. その他
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市)
  1. 維持管理費
  2. 運営費
  3. その他
PFIによる県営住宅鈴川団地移転建替等事業(山形県)
  1. 維持管理にかかる費用
  2. 一般管理費
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業
  1. 諸経費
  2. 維持管理費
  3. 運営費
  4. 修繕費
  5. 保険料
  6. その他
寒川浄水場排水処理施設更新等事業(神奈川県)
  1. 人件費
  2. 保守管理費
  3. 電気代
  4. 燃料費等
  5. 水道代
  6. 植栽管理費
  7. 保険料
  8. その他
指宿地域交流施設整備等事業
  1. 維持管理業務費
  2. 運営業務費
  3. 保険料
  4. その他

Q4-26:審査委員会の委員は、どのような考えに基づいて選定していますか。

Answer

審査委員会は、専ら応募者提案の審査を行うため、PFIの対象とする事業に関連する技術や知識に精通した方が必要です。その点では、財務、法務、金融のほか地域の特性に精通した方も該当します。そのため、当該地方公共団体の職員がメンバーになる場合もあります。

この他、地方自治法施行令第167条の10の2で規定されているように、総合評価一般競争入札による事業者選定を行う際には、2名以上の学識経験者の意見を聴かなければならないため、このことを審査委員会で対応することとする場合には、当該選定手法に精通した学識経験者も必要になります。

また、審査委員会を設ける場合、次の点に留意する必要があります。

  • (1)審査委員会委員を事前に公表すること
  • (2)審査委員会の位置付けを明確にすること
  • (3)設計等の技術的評価の定量化を図り、各項目について複数の委員による評価を行う等、評価の客観性を確保するような措置を講じること

なお、審査委員会を設置する場合であっても、民間事業者の選定に対する意思決定の責任、説明責任は地方公共団体にあることに留意してください。

「先行事例の紹介」で得られた、審査委員に関する情報を示します。

多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業(東京都)
審査員合計7人 学識経験者等 5人 政策研究大学院大学教授、常葉学園大学教育学部教授、上智大学法学部教授、日本政策投資銀行地域企画部審議役、東北大学東北アジア研究センター教授
地方公共団体(発注者) 1人 教育庁次長
その他(地元等) 1人 ボーイスカウト文京第5団役員
四日市市立小中学校施設整備事業
審査員合計6人 学識経験者等 6人 慶応義塾大学総合政策学部教授、三重大学教育学部助教授、特定非営利活動法人日本PFI協会専務理事、弁護士、四日市大学総合政策学部助教授、豊橋技術科学大学建設工学系教授
地方公共団体(発注者)
その他(地元等)
新総合福祉・ボランティア・NPO会館(仮称)等整備事業(岡山県)
審査員合計9人 学識経験者等 6人 福山大学工学部教授、岡山大学文学部教授、岡山県建築士会女性部会副部長、日本政策投資銀行中国支店企画調査課長、岡山県看護協会会長、吉備国際大学社会福祉学部助教授
地方公共団体(発注者) 3人 岡山県総務部長、生活環境部長、保健福祉部長
その他(地元等)
横浜市下水道局改良土プラント増設・運営事業
審査員合計4人 学識経験者等 4人 横浜国立大学経営学部会計・情報学科教授、弁護士、東京都立大学大学院工学研究科土木工学専攻助教授、(社)全国上下水道コンサルタント協会専務
地方公共団体(発注者)
その他(地元等)
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業
審査員合計7人 学識経験者等 4人 北海道大学大学院法学研究科教授、北海道大学大学院工学研究科教授、北見工業大学土木開発工学科教授、弁護士
地方公共団体(発注者) 3人 留辺蘂町助役、置戸町助役、訓子府町助役
その他(地元等)
とがやま温泉施設整備事業(八鹿町)
審査員合計8人 学識経験者等 2人 鳥取大学教授(公共経済学)、商社
地方公共団体(発注者) 6人
その他(地元等)
山陽町新型ケアハウス整備事業
審査員合計7人 学識経験者等 2人 特養ホーム施設長、宇部フロンティア大学講師
地方公共団体(発注者) 4人 助役、民生部長、総務部長、産業建設部長
その他(地元等) 1人 女性団体
八雲村学校給食センター施設整備事業
審査員合計6人 学識経験者等 1人 島根大学総合理工学部教授(建築学)
地方公共団体(発注者) 3人 村助役、教育長、総務課長
その他(地元等) 2人 設計事務所、建築業
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業
審査員合計5人 学識経験者等 3人 愛知大学経営学部教授、豊橋技術科学大学建設工学系助教授、豊橋技術科学大学エコロジー工学系助教授
地方公共団体(発注者) 1人 組合副管理者
その他(地元等) 1人 建設地の地方公共団体助役
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市)
審査員合計5人 学識経験者等 5人 東北大学大学院経済学研究科教授、仙台大学名誉教授、東北大学大学院工学研究科助教授、法律事務所所長、日本政策投資銀行東北支店参事役
地方公共団体(発注者)
その他(地元等)
PFIによる県営住宅鈴川団地移転建替等事業(山形県)
審査員合計7人 学識経験者等 5人 東北芸術工科大学デザイン工学部教授、弁護士、山形大学人文学部総合政策科学科講師、山形県社会福祉協議会常務理事、日本政策投資銀行東北支店参事役
地方公共団体(発注者) 2人 土木部長、総務部総合政策室長
その他(地元等)
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業
審査員合計9人 学識経験者等 3人 大分大学工学部教授、大分ワーキングルーム、公認会計士
地方公共団体(発注者) 4人 市助役、市総務部長、市企画部長、市土木建築部長
その他(地元等) 2人 久住町美術館館長、シティ情報大分常務取締役
市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業
審査員合計5人 学識経験者等 5人 千葉商科大学商経学部助教授、日本大学生産工学部建築工学科教授、日本PFI協会事務局長、聖徳大学人文学部児童学科教授、福利厚生センター事務局長
地方公共団体(発注者)
その他(地元等)
桑名市図書館等複合公共施設特定事業
審査員合計9人 学識経験者等 5人 名古屋大学副総長、名古屋大学教授(2人)、三重大学教授、日本政策投資銀行東海支店企画調査課長
地方公共団体(発注者) 4人 教育長、市長公室長、総務部長、都市整備部長
その他(地元等)
鯖江駅周辺駐車場整備事業
審査員合計6人 学識経験者等 不明
地方公共団体(発注者) 不明
その他(地元等) 不明
八尾市立病院維持管理・運営事業
審査員合計10人 学識経験者等 9人 大阪大学教授、関西学院大学教授、八尾市薬剤師会会長、奈良県立医科大学附属病院薬剤部長、八尾市歯科医師会会長、八尾市医師会副会長、弁護士、広島国際大学教授、公認会計士
地方公共団体(発注者) 1人 市立病院長
その他(地元等)
寒川浄水場排水処理施設更新等事業(神奈川県)
審査員合計9人 学識経験者等 5人 一橋大学大学院商学研究科教授、鳥取大学教育地域科学部教授、静岡県立大学大学院生活健康科学研究科教授、厚生労働省国立保健医療科学院水道工学部長、東京大学大学院工学系研究科教授
地方公共団体(発注者) 3人 県企業庁水道局長、県総務部次長、県総務部参事
その他(地元等) 1人 町助役
指宿地域交流施設整備等事業
審査員合計7人 学識経験者等 3人 第一工業大学教授、鹿児島大学工学部助教授、日本政策投資銀行南九州支店課長
地方公共団体(発注者) 3人 総務部長、産業振興部長、建設部長
その他(地元等) 1人 市観光協会長
福岡市臨海工場余熱利用施設整備事業
審査員合計6人 学識経験者等 4人 長崎大学環境科学部助教授、九州大学健康科学センター助教授、九州芸術工科大学芸術工学部助教授、福岡大学スポーツ科学部非常勤講師
地方公共団体(発注者) 2人 福岡市環境局長、福岡市健康づくり財団理事長
その他(地元等)
橿原市近鉄八木駅前南地下駐車場等施設整備事業
審査員合計14人 学識経験者等 8人 京都大学名誉教授、京都工芸繊維大学教授、奈良女子大学教授、弁護士(2名)、公認会計士、奈良国道工事事務所所長、奈良県土木部次長
地方公共団体(発注者) 5人 市助役、市総務部長、市企画調整部長、市建設部長、市都市整備部長
その他(地元等) 1人 橿原市商工会議所会頭

Q4-27:審査委員会の所掌事務として何をゆだねていますか。

Answer

先行事例を参考に審査委員会にゆだねる具体的な事務を時点別に示します。

時点 必須事項 必要に応じて委ねる事項
実施方針公表前 ・PFIを導入することの妥当性の審議
・実施方針の審議
入札公告前 ・事業者の選定方式の審議
(地方自治法施行令第167条の10の2の規定を 審査委員会で 対応する場合)
・落札者決定基準の審議
・事業者の選定方式の審議
・入札説明書の審議
・要求水準書の審議
・提案様式集の審議
・契約書案の審議
提案書受付以後 ・提案書の評価 ・審査結果公表資料の検討

(総合評価一般競争入札による場合)

Q4-28:審査委員の報酬はどの程度でしょうか。

Answer

報酬の支払方法については、審査委員会を地方自治法第138条の4第3項に規定する付属機関として設置した上で手当てを支給する場合や、講師等謝金として支払う場合などが考えられます。

なお、あくまでも参考ですが、先行事例では、委員会を1回開催するごとに、交通費等実費を除き、2~5万円程度の場合が多いようです。

Q4-29:地方公共団体の知らないところで、コンサルタント等と応募グループにつながりがあるかもしれないという疑念があります。この場合、事業者選定に影響を及ぼす可能性もあるのではないでしょうか。

Answer

コンサルタント等も応募グループも民間企業であることから、過去も含め何らかの交流があることは否めません。したがって、このことが事業者選定に影響を及ぼすことのないよう配慮する必要があります。

一つの方法としては、コンサルタント等の選定時において、独立性(資本関係など)を確保することや、守秘義務を徹底することなどが考えられます。また、事業者の公募段階において、民間事業者の参加条件に、コンサルタント等との資本関係がないことを明記することなども考えられます。

「先行事例の紹介」のうち「(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業」では、市が本事業において事業者選定アドバイザリー業務を委託したコンサルタント及び同コンサルタントと提携関係にある弁護士事務所並びに設計会社と資本面若しくは人事面において関連のある者は入札参加者及び協力企業にはなれない旨、明記されています。

Q4-30:審査結果として、どのような情報を公開していますか。

Answer

「先行事例の紹介」で得られた、審査結果の公開に関する情報を示します。

事業名 1.各評価項目別点数 2.グループ名を明らかにした上で得点を明示しているか 3.具体的な評価理由
多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業(東京都) ×
四日市市立小中学校施設整備事業
新総合福祉・ボランティア・NPO会館(仮称)等整備事業(岡山県)
横浜市下水道局改良土プラント増設・運営事業
留辺蘂町外2町一般廃棄物最終処分場整備及び運営事業 ×
とがやま温泉施設整備事業(八鹿町)
山陽町新型ケアハウス整備事業
八雲村学校給食センター施設整備事業 ×
「豊川宝飯衛生組合斎場会館(仮称)」整備運営事業 ×
(仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業(仙台市)
PFIによる県営住宅鈴川団地移転建替等事業(山形県) × ×
(仮称)大分市鶴崎総合市民行政センター整備事業
市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業
桑名市図書館等複合公共施設特定事業 ×
鯖江駅周辺駐車場整備事業 × × ×
八尾市立病院維持管理・運営事業
寒川浄水場排水処理施設更新等事業(神奈川県)
指宿地域交流施設整備等事業
福岡市臨海工場余熱利用施設整備事業
橿原市近鉄八木駅前南地下駐車場等施設整備事業 ×

○: 公開 ×: 非公開

なお、項目別の点数及び具体的な評価理由については透明性の観点から極力公表することが望ましいです。