用語集(た行)
代表企業
応募グループの代表者。募集の際に、「代表企業はSPCに対して出資を行うこと」と規定される場合が多い。
基礎編:
ダイレクト・アグリーメント (Direct Agreement)
(直接協定の項目を参照)
(関連:ステップイン・ライト)
WTO政府調達協定(平成7年12月条約23号)
関税と貿易に関する一般協定(GATT)に代わる世界貿易機関(WTO)の設立に当たり95年1月1日に発効したのが「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定」であり、この協定の付属書4に収録されているのが政府調達に関する協定である。
政府調達に関する協定では、国のみならず都道府県、政令指定都市及び政府関係機関の行う基準額以上の調達契約も対象とされたため、協定に定められた手続きを担保するために、入札・契約の具体的な手続きを定める「地方公共団体の物品又は特定役務の調達手続の特例を定める政令」が制定された。PFI事業においても特例政令が適用される。
担保関連契約
融資金融機関等が選定事業にかかる資産及び権利について担保権を取得することを目的とした契約。これらの担保設定は、担保権対象の売却を通じた融資回収を想定しているのではなく、選定事業の継続を図ることを通じた融資回収を想定し、事業修復を行うことを企図しているものであり、担保権者として金融機関等が他の債権者に対する優先権を保持して、他の債権者等が選定事業にかかる資産等を差し押さえる利益を失わせることにより、第三者の介入を排除し、円滑な事業継続により融資回収を確実にすることを目的としている。担保設定の対象としては、PFI事業契約上の選定事業者の権利、選定事業者の発行株式や事業用資産等が想定される。
(参考:契約に関するガイドライン 4ページ)
地方公共団体が作成したPFI導入に関する指針
都道府県・市町村が独自で定めるPFI導入に関する指針。PFIの導入に関する手続き、対象となる事業等が示されている。
基礎編:
直接協定(ダイレクト・アグリーメント(Direct Agreement))
選定事業者による選定事業の実施が困難となった場合などに、管理者等によるPFI事業契約の解除権行使を融資金融機関等が一定期間留保することを求め、資金供給している融資金融機関等による選定事業に対する一定の介入(Step-in)を可能とするための必要事項を規定した管理者等と融資金融機関等との間で直接結ばれる協定。要求水準の未達や期限の利益の喪失(※)等一定の事項が生じた場合の相互の通知義務や選定事業者の発行する株式や有する資産への担保権の設定に対する管理者等の承諾などについて規定される。
※期限の利益とは、期限が到達するまでの債務の履行を請求されないように、期限がまだ到達していないことによって当事者が受ける利益である。期限の利益が債務者に認められるのは、債権者が債務者を信用し履行の猶予を与えたのであるから、特約により、債務者に信頼関係を破壊するような行為があった場合には、債務者に期限の利益を喪失、債務者は期限の到達を主張し、ただちに履行を請求することができるものと定める必要がある。
(参考:契約に関する 3ページ)
(関連:ステップイン・ライト)
基礎編:
実務編:
長期修繕費用
プロジェクト・ファイナンスでは、事業が長期間にわたることから、長期修繕費用(大規模修繕費用)の考慮が重要である。まず、第三者の作成するエンジニアリングレポートにより、長期修繕費用を算定し、必要な長期修繕費用につき、借入金またはオリジネーターやオフテイカーによる長期修繕積立金を確保する。さらに、想定された長期修繕費用を超える投資が必要になることもあり得るため、この場合の費用負担についても契約で定めていく。
- ※エンジニアリングレポートとは、技術報告書のこと。
- ※オリジネーターとは、原債権者のこと。
- ※オフテイカーとは、サービスを購入する者のこと。
デット・サービス・カバレッジ・レシオ(DSCR、Debt Service Coverage Ratio)
事業が生み出す毎年のキャッシュフローが元利金返済に十分な水準であるかを見る指標。元利金支払の余裕度を見るために用いられる。
DSCR=(元利支払前キャッシュフロー)/(元利支払予定額)
実務編:
導入可能性調査
対象とする事業をPFI事業として実施した場合、サービス水準の向上の見込みがあるか、民間の参入意欲がどの程度か、VFMシミュレーションの検証等から総合的に評価し、PFIの導入の可能性を判断するもの。
基礎編:
実務編:
特定事業の選定(PFI法第6条)
特定事業とは、公共施設等の整備等に関する事業で、PFI事業として実施することにより効率的かつ効果的に実施されるものをいう。
特定事業の選定とは、基本方針及び実施方針に基づき、PFI事業として実施することが適切であると公共施設等の管理者等が認める事業を選定することをいい、選定された特定事業を「選定事業」という。
(参考:PFI事業実施プロセスに関するガイドライン 6ページ)
基礎編:
実務編:
特別目的会社 SPC(Special Purpose Company)
ある特別の事業を行うために設立された事業会社のこと。
PFIでは、公募提案する共同企業体(コンソーシアム)が、新会社を設立して、建設・運営・管理にあたることが多い。
(関連:コンソーシアム)
基礎編:
実務編:
- Q1-13:PFIを導入することでどのようなリスクが想定されますか。それらをどのように回避すればよいでしょうか。
- Q1-15:PFIを導入するに当たり、最低限の規模はどの程度でしょうか。
- Q2-4:民間収益施設の経営リスクについて、どのような分離方策がありますか。
- Q2-5:SPCは必ず設置しなければならないのでしょうか。
- Q2-6:SPCとJV(共同企業体)は、どの点が異なるのでしょうか。
- Q2-7:PFI事業では、SPCが施設の瑕疵担保責任を負わなければならない期間はどのくらいですか。
- Q2-10:民間事業者の決定からSPCの設立までの期間はどの程度でしょうか。
- Q3-5:SPCに課される税金には、何がありますか。
- Q4-14:将来、金融機関が破綻した場合、事業にどのような影響が及びますか。
- Q4-16:民間事業者に求める損害保険加入の範囲について、どのようにしていますか。
- Q4-25:事業収支計画を評価するに当たり、SPCの支出項目の内訳についてはどの程度まで提案を求めていますか。
- Q5-4:落札者グループと基本協定を締結する必要性はあるのでしょうか。
- Q5-7:選定されなかった応募グループの構成員が落札者グループの協力者になることは可能ですか。
- Q5-14:SPCが支払う不動産取得税や登録免許税などの公租公課相当分についても、消費税を支払わなければならないのでしょうか。
- Q5-15:長期契約を締結する不安があります。しっかりと監視し、指導するにはどのような点に気をつけたらよいでしょうか。
- Q5-17:事業契約の締結に当たっては、まずSPCと仮契約書を締結し、議会に付議し、議決を得られた後に本契約書の締結になります。仮契約と本契約を締結しますが、調印回数は1回でしょうか、2回でしょうか。
- Q6-3:財務やキャッシュフローのモニタリングは、どの程度の頻度で実施していますか。また、これらのモニタリングも外部委託していますか。
- Q6-4:建設期間中に、SPCが地方公共団体に提出する報告書はどのようなものがありますか。
- Q6-8:SPCの経営状況についてはどのようにして把握していますか。
- Q6-9:SPCが破綻した場合はどのように対応するのでしょうか。
- Q6-10:金融機関によるモニタリングとはどのようなものですか。
- Q7-2:事業期間終了後のSPCの解散時期については、どのようになっていますか。
独立採算型
PFI事業の事業類型の一つ。民間事業者が、自ら調達した資金により施設を設計・建設し、維持管理及び運営を行い、施設利用者からの料金収入のみで資金を回収する事業類型。
(関連:サービス購入型)