レジリエントな防災・減災機能の強化

災害大国を生き抜き、未来へと繋ぐ社会を目指して産学官の連携による災害情報システムを実現

プログラムディレクター堀 宗朗、1984年東京大学工学部土木工学科卒業。87年カリフォルニア大学サンディエゴ校応用力学基礎工学科(Ph.D.)を卒業。東北大学工学部講師、東京大学工学部助教授などを経て、2001年より東京大学地震研究所教授、2012年より現職。同年より理化学研究所計算科学研究機構の総合防災・減災研究ユニットリーダーも務める。専門は応用力学、地震工学、計算工学。主な研究テーマは高性能計算の地震工学への応用など。

東日本大震災をはじめとする大地震、火山噴火、超大型台風やゲリラ豪雨といった極端気象など、近年、頻発する自然災害による被害はさらに甚大さを増している。今世紀半ばには南海トラフ大地震の襲来も危惧されており、大規模自然災害の発生にも耐えうる社会インフラの構築は喫緊の課題である。レジリエントな防災・減災機能の強化は、リアルタイムな災害情報の共有と利活用により、現在、そして次世代の人々が安心して生きていける社会の実現を目指す。

研究開発テーマ

  1. 予測:最新観測予測分析技術による災害の把握と被害推定
    迅速な災害の把握と被害の掌握を可能とする最新の観測予測技術の開発、官民挙げての災害関連データの共有を推進する。
  2. 予防:大規模実証実験等に基づく耐震性の強化
    大規模液状化に関わる対策技術の開発、および大規模実証実験・解析等に基づく検証を実行し、災害に負けない都市インフラの整備と耐震性能に関する技術の確保と情報の共有を図る。
  3. 対応:災害関連情報の共有と利活用による災害対応力の向上
    災害や防災・減災に関わる多様な情報を収集、共有するシステムを構築して、国の災害対応機関、自治体、企業、団体、個人に対して、災害時の意思決定に不可欠な被害情報をリアルタイムで提供する技術を開発する。