重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保

世界で最も安心・安全な社会基盤の確立を目指して

プログラムディレクター後藤 厚宏、1984年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。同年日本電信電話公社に入社。情報基礎研究部に配属され、約27年間情報技術に関する研究開発に従事。2007年NTT情報流通プラットフォーム研究所長、10年NTTサイバースペース研究所長を歴任。11年より情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科教授、17年より現職。衆議院、内閣官房、総務省、文部科学省、経済産業省、防衛省などの審議会、委員会等における委員長等および委員を歴任。

近年、サイバーセキュリティ攻撃の脅威はますます深刻化しており、その矛先も通信・放送、エネルギー、交通といった社会 を支える重要インフラに向けられ始めている。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を迎える我が国においても、重要インフラにおけるサイバーセキュリティの確保は緊急の課題であり、その技術開発と制度の設計、そして人材育成に大きな期待が寄せられている。重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保では、オールジャパン体制で迅速かつ大胆に推進する。

研究開発テーマ

  1. コア技術の開発: 制御・通信機器と制御ネットワークのセキュリティ対策技術の開発
    • 制御・通信機器の真贋判定技術(機器やソフトウェアの真正性・完全性を確認する技術)を開発する。
    • 制御・通信機器および制御ネットワークの動作監視・解析技術を開発する。
    • 制御・通信機器およびシステムの防御技術を開発する。
    • IoTのセキュリティを支える暗号実装技術を開発する。
  2. 社会実装技術の開発: 社会実装向け共通プラットフォームの実現と、セキュリティ人材の育成
    • 開発されたセキュリティ機能が正しく実装されていることを確認するための適合性確認のあり方と仕組みを検討する。
    • インフラ事業者間をまたがる情報共有プラットフォーム技術を開発する。
    • 重要インフラにセキュリティ技術を適用するうえでの評価検証プラットフォーム技術を開発する。
    • セキュリティ技術の開発に加え、重要インフラシステムに導入するセキュリティ技術の評価と運用が可能な人材を育成する。