エネルギーキャリア

水素エネルギーを世界に先駆けて活用し、低炭素・水素社会の早期実現へ

プログラムディレクター村木 茂、1972年東京ガス株式会社入社。2000年原料部長、02年執行役員企画本部原料部長、04年常務執行役員R&D本部長、07年取締役常務執行役員エネルギーソリューション本部長、10年代表取締役副社長執行役員社長補佐エネルギーソリューション本部長、14年取締役副会長、15年常勤顧問、17年アドバイザー。

新しいエネルギー社会の実現に向けて

CO2排出抑制は地球全体の課題だが、特にエネルギー資源小国の日本にとって、再生可能エネルギーや原子力に匹敵するような、新しい、しかも環境負荷が極めて小さいエネルギー開発が未来の国力を維持・発展させる重要なファクターと考えられている。そこで期待されるのが、燃やしても水を排出するだけで有害な排出物を出さない水素の大規模活用である。これまで未解決だった製造・輸送・貯蔵コスト課題と安全性課題を多様な技術開発で解決し、世界に先駆けた低炭素・水素社会の早期実現を目指した取り組みが、具体的成果を見せはじめた。

研究開発テーマ

  1. エネルギーキャリアの開発および実現可能性の見極め
    水素エネルギーの生産や輸送・貯蔵に係るエネルギーキャリアとして、液化水素、有機ハイドライド、アンモニアの活用に関する開発を推進、実用的なコストでの水素エネルギー活用バリューチェーンの基礎を築く。
  2. 水素バリューチェーン技術の低コスト、高効率化等技術開発
    再生可能エネルギーからの高効率水素製造技術、有機ハイドライド、アンモニアの製造と水素分離技術の開発、水素とエネルギーキャリアの燃料電池、タービン、エンジンでの高効率利用技術の開発と実証を行う。
  3. 水素輸送・利用に係る安全基準等の策定・規制緩和の働きかけに資する研究開発
    エネルギーキャリアの漏洩等の事故シミュレーション解析、大気拡散予想などによるリスク評価を実施、許認可、安全対策、リスクコミュニケーションのための基礎データを構築。各エネルギーキャリアの安全基準を策定し、各キャリアの評価を開発へフィードバックするとともに公表する。